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地下10階 5


「ハル君、大丈夫?」


「な、何とか。」


かろうじて残っていた気力を絞り出して持ち直した俺は、先に進むことにした。

扉のトラップが無いことを確認してから扉を開けると、真っすぐ伸びる通路が有った。

少し進むと、通路は右に折れており、その先に扉が有った。もちろん部屋の中には反応が5つ有った。


「またゴブリンだったら嫌だなぁ。」


「大丈夫だよ! たぶん?」


「まぁ、ゴブリンなら楽勝じゃし、構わないじゃろ。」


「ハルさん、頑張りましょう!」


「ん、頑張る。」


「そうだな。頑張るか。」


俺は気合を入れて扉を開けるのだった。

そして部屋の中に居たのは……


「キター! オークさんか?」


俺は心の底から安心した。だが、そう思ったのもつかの間、オーク達がロッドを構えて行動を開始した。


「ブモッ!」


オークが鳴き声を出すと、スケルトンが現れた。

しかも5匹同時だからあっという間に5匹が召喚された。


「オークメイジだ! 気を付けろ!」


「ブモッ、ブモッ、ブモッ!」


そして立て続けに呪文を唱えると、今度は炎の矢が飛んできた。


「危なっ!」


初めての魔法による攻撃だ。俺はかろうじて避けることが出来たが、連続で飛んでくる魔法はキツイ!


「きゃっ!」


ナタリーさんが被弾した。


「大丈夫か!」


「は、はい。」


ナタリーさんがそう言うと、自分に対して回復魔法を使っていた。

そしてすかさず召喚したスケルトンが襲い掛かってくる。戦闘をこなしながらも魔法を避けなきゃダメなのかよ、くそっ!


「うわっ!」


目の前のスケルトンを倒せたと覆ったら、その直後に飛んできた炎の矢に当たってしまった。痛い!


「だけど、耐えられない痛さじゃない!」


スケルトンを召喚する一瞬は魔法攻撃が止むので、その隙をついてオークメイジへと駆け寄った。


「アイスウォーターアロー!」


「炎の矢!」


「ブモォ~!」


俺が近づいたオークメイジにアイリさんとティアさんの魔法が直撃、倒してしまった。


「よし、次!」


気を取り直して次のオークメイジへと向かう。邪魔するスケルトンを蹴散らして、オークメイジへ攻撃を仕掛ける!


「ん!」


そこに背後から襲い掛かったシャルによるパイルバンカーによる一撃でオークメイジはお亡くなりになった。

そして俺は、他のオークメイジから飛んできた炎の矢に被弾してしまった。


「くっ、ま、まだだ!」


次のオークメイジへと向かおうとした所に、目の前にスッと影が……


「ビアンカ?」


「この馬鹿たれが! さっさと回復するのじゃ!」


「えっ? あっ、そうか!」


ギルドカードを見る余裕は無いため、自分自身に鑑定を掛けてみる。


----------------------------------

名前:ハル

年齢:20

状態:普通


LV:10

HP:14/54

MP:110/110


STR:14

VIT:8

AGI:35

INT:35

DEX:30

LUK:5

----------------------------------


HPがあと14しか無いじゃん! と言うことは、炎の矢1発のダメージって20か。……ってあと1撃貰ったら死んじゃうじゃん!

俺は慌ててHPポーション改を取り出して一気に飲み干した。


----------------------------------

名前:ハル

年齢:20

状態:普通


LV:10

HP:34/54

MP:110/110


STR:14

VIT:8

AGI:35

INT:35

DEX:30

LUK:5

----------------------------------


よし、これで1発までなら大丈夫だ。


「すまん!」


「構わないのじゃ!」


戦闘に復帰した俺は、次の獲物を確認する。

丁度1匹が倒された所だった。残り2匹!


「アイスウォーターアロー!」


「炎の矢!」


すかさず2人の魔法が飛び、オークメイジが倒れた。残り1!

後は地下8階のボスと同じなので、余裕で倒すことが出来た。


「ふぅ~何とか倒せたな。」


「ハル君の馬鹿あああぁぁぁぁ~~!!」


「うおっ! な、何?」


戦闘が終わり、一息つこうとしたところでアイリさんから突然のお叱りを受けてしまった。


「何じゃないでしょ! 何で自分のHPを疎かにするのよ!!」


「うっ、ご、ゴメン。」


「ナタリーもシャルちゃんもちゃんと自分で回復してたんだから、ハル君も気を付けなきゃダメだからね!」


「ごもっともです。」


俺は素直に反省することにした。そうかシャルもちゃんと回復してたんだな。

どうも切られた時とかみたいに見た目的にも判断できる訳じゃないからか、今一つ分かりにくいんだよね。

普通、瀕死の重傷を負ったら動けなくなると思うんだが、痛みは有れど動けないほどじゃ無かったのが原因だと思う。

分かりやすく言うと、レベル99の某有名RPGの勇者が、スライムの攻撃を受けても平気に動けていたのに、最後のHP1でいきなり死ぬのと似た様な感じだ。


「と言うか、シャルも被弾したんだ。」


「うっ……うん。」


シャルが珍しくバツが悪い顔をした。


「いや、別に責めてる訳じゃなくてだな、珍しいと思ってな。俺なんか2回も当たってるし。」


「シャルちゃんの場合は、避けた先にたまたま死角から飛んできた魔法に当たっちゃったって感じだったかな。」


なるほど、流石のシャルも予期せぬ攻撃は避けにくいってことか。


「もっと頑張る。」


「俺もだな。」


色々と反省することが有るが、今まで余裕を持って戦っていたからあまり苦労をしなかったからな。

今後はこう言った近接に遠距離を含めた戦闘も増えていくんだろうし、今回の戦闘はいい意味でも良い経験をしたと思う。

後は戦闘方法だが、俺がシャルみたいに避けるのは流石に無理だから、いっそのこと盾でも持った方が良いのだろうか?

だけど俺は両手で槍持ってるから無理だしなぁ……案外、腕に付ける小盾なら行けるのか? ちょっと候補に入れておこう。

そんなことを考えていたら、ティアさんがオズオズと申し出た。


「あ、あの、今思ったのですが、アイリさんが範囲攻撃をしたら楽だったのではないでしょうか?」


「「「「あっ!」」」」


「てへぺろ♪」


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