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今日のナタリーさん 131


街中へと繰り出すと、仕事に向かう冒険者さん達のためにあちこちに屋台が出ており、良い匂いが漂って来ています。


「ん。」


その一つの屋台に向けてシャルちゃんが向かいます。


「おっ、嬢ちゃんいらっしゃい。買ってくかい?」


「3本。」


「毎度、銅貨3枚だ。これはおまけだ。持って行きな。」


シャルちゃんが自分でお金を払い、商品を受け取ります。

どうやら屋台の人が1本おまけしてくれたみたいです。良かったですね。


「ん。」


その1本を私に差し出してきました。


「シャルちゃんありがとう。でも、今お腹いっぱいだからシャルちゃんが食べちゃって大丈夫ですよ。」


「そう?」


「はい。気にしないで下さい。」


「わかった。」


シャルちゃんはそう言うと、もぐもぐと串焼きを食べ始めました。

串焼き1本程度なら入らなくも無いのですが、せっかく戻った体重を増やすわけには行きませんし、我慢ですね。


「お母さんとナタリーが作った方のが美味しい。」


「そう? 嬉しいな。」


そう言って頂けると、作った甲斐があります。


「でも、ハル様のが一番。」


「そうですね。」


それには私も同意見です。それなのに何で彼は料理のスキルを持ってないんでしょうか? ホント不思議です。


「次。」


串焼きを食べ終えたシャルちゃんが、次の屋台を目指して歩き出します。


「えっ? まだ食べるの?」


「ん。シャルは成長期。身長もおっぱいも大きくするために栄養が必要。だから食べる。」


「そ、そうなんだ。」


食べても全部成長に持って行かれるんですね。ちょこっと羨ましいと思ってしまうのは仕方ないですよね?


「そー言えば、ナタリーはそれほど多く食べない。でも大きい。何で?」


「えっ? な、何ででしょうね?」


気が付いた時にはそれなりに成長していましたし、特に何かをしたって記憶は無いのですが……


「ナタリー。」


「あ、はい。何ですか?」


「好きな人にもまれると大きくなるって本当?」


「ゴフッ! な、な、な、何を突然!」


思わず変な声が出てしまいました。


「本当なの?」


シャルちゃんがコテンと首を傾げて聞いています。可愛いです。


「ち、違うと思いますよ? 私が好きになったのはハルさんが最初ですが、ハルさんと知り合う時にはすでにそれなりに大きかったですから。」


「……お母さんの嘘つき。」


シャルティアさん……娘に何を教えてるんでしょうか?

でも、確かに彼と出会ってからさらに大きくなったので、あながち間違いでも無いのかもしれません。

流石に彼にシャルちゃんの胸を揉ませる訳にはいかないので、言いませんけどね。


「大丈夫ですよ。シャルティアさんは大きいので、その娘でもあるシャルちゃんもきっと大きくなりますよ。」


「ん。」


これで解決……かな?


「ビアンカは残念?」


「え、えっと、ど、どうでしょう?」


ビアンカさん。ハッキリと答えられない私を許してください。

その後は何か所か出店を回り、食べ歩きを楽しんだのでした。

私? 結局誘惑に負けてしまった私は、明日は少し頑張らないと駄目かもしれません(汗)


お腹も落ち着いた後は、服屋や雑貨屋で買い物をしたり、おやつを食べ歩きをしたりと、ウィンドウショッピングを楽しみました。

……明日は沢山頑張らないと駄目かもしれません(滝汗)

そうしないと折角買った服が……いえ、何でも有りません。


夕刻になり宿に戻ってきました。夕食にはまだ少し早い時間だったので一度部屋に戻って一休みすることにしました。

鍵を開けて部屋の中へと入ります。


ガチャ!


「ふんふ~ん♪ えっ!?」


「・・・・」


「お母さん?」


えっと、シャルティアさん? その恰好はどうしたのでしょうか?

紫色のスケスケのランジェリーを着て鏡の前でポーズを取っていました。

もしかしてあの姿で彼に迫るのでしょうか? さすがは元人妻です。物凄くセクシーで私には出せない色気が羨ましいです。


「あ、あの、その、これはですね。えっと……」


「と、とりあえずシャルちゃんには毒なので、着替えちゃってください。

 ほら、シャルちゃん行くよ。」


「え、あ、え?」


ちょっと混乱しているシャルちゃんを連れて部屋を出ることにしました。


パタン……


「ふぅ。」


思わずため息が出てしまいました。

それにしても凄い恰好でした。もし私が同じのを着たら……は、恥ずかしすぎて無理です!

はっ! もしかして今日のシャルティアさんの用事とは……


ガチャ。


「ど、どうぞ。」


少しして着替え終わったシャルティアさんが恐る恐る扉を開けて声を掛けてきましたので、中に入ることにしました。

着替えたのか、そのまま上から服を着たのかは分かりませんが、とりあえず何時もの部屋と同じで一安心です。


「あ、あの、ナタリーさん。このことは……」


「特に言うつもりは無いので安心して下さい。」


「あ、ありがとうございます。」


そして私はシャルティアさんの耳元へと近づき小声で話しかけます。


「ハルさんの為に買ってきたんですね。」


「は、はい。」


真っ赤になって俯いてしまいました。可愛いです。

そしてやっぱりそうだったんだと納得しました。


「お母さん、さっきの恰好は……」


「シャルは何も見ていません。良いですね?」


「でも……」


「見・て・ま・せ・ん・ね?」


「……はい。」


うわぁ……有無を言わさず大人しくさせてしまいました。さすがはお母さん……で良いのでしょうか? シャルちゃんどんまい。

その後は少し部屋でお話をしつつ時間を潰し、3人で夕食を取った後は彼らが帰ってくるのを待ちます。


夜になってようやく帰ってきました。アイリとビアンカさんが一緒ってことは、3人で行動していたのかな?

どうやら一緒だったのはビアンカさんだけだったみたいです。しかも屋台のお手伝いをしたそうです。私もお手伝いしたかったな。


明日はダンジョン攻略の続きをすることが決まり、恒例の部屋決めです。

ビアンカさんは一緒にお酒も飲んだみたいなので、今回は抜かせて頂きました。

ここからは本気の勝負です!!


……負けてしまいました。ビアンカさんを抜くという意地悪をした罰でしょうか。残念です。

アイリと彼が部屋を出て行ってしまったので、さっさと体を綺麗にしてさっさと眠ることにしました。

ふと、シャルティアさんが湯あみのためにこっそり服を脱いでいるのが見えました。やっぱり上に着ただけだったのですね……


私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。

おやすみなさい。


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