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飲み会


「らっしゃいませ~ 2名様でございますか?」


「あ、はい。」


「それじゃお席に案内します。2名様入店で~す!」


店員に案内されて個室へとやってきた。

こじんまりとしていて隠れ家っぽい感じの個室で中々良い感じだ。


「とりあえずエール2杯ね。後軽くツマめるものを。」


「畏まりました。エール2丁とツマミ入ります!

 追加注文の時は、そこの伝声管に呼びかけて下さい。」


ほぉ? 中々面白い注文の仕方だな。


「分かりました。」


店員が去ったので、とりあえず席に着くことにしたのだが……


「向かいに座るんじゃないのか?」


「悪いかの?」


「いや、構わないけど。」


「なら問題無いのじゃ。」


ビアンカさんはそう言って、俺の脇にストンと座った。

すぐそばに密着して座るってのもカップルみたいで少しドキドキする。

しかも少し薄暗い個室で、ちょっと妖しい雰囲気になりそうだ。


ツン…


思わずビアンカの脇腹を突いてみた。


「ひゃん! な、な、何をするんじゃ!」


「ゴメンゴメン。」


とりあえず謝ったが、ひゃん! って可愛い声で鳴くビアンカさんのギャップ萌え、たまらん!!


「エール2つとおつまみをお持ちしました~」


「おっ、来た来た。」


そこに店員がエールを持って来たので、受け取った。

フリージングで冷やしてから、ビアンカさんに渡す。


「じゃあ、今日はお疲れ様と言うことで、乾杯~!」


「乾杯なのじゃ!」


ジョッキを合わせて乾杯する。


ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ……ぷはぁ~!! くううぅぅぅ~~~たまらんぜよ!


「最高~!!」


「同感じゃな。」


仕事で疲れた体に冷たいエールが体に染み込む感覚は最高だ。


「今日は折角の休みだったのに働かせてしまって悪かったな。」


「それを言うならハルもじゃろうが、お互い様じゃな。」


「あはははっ、そうだな。

 でも、正直ビアンカが来てくれてホント助かったよ。ありがとな。」


「た、たまたまじゃ。そ、それに……ごにょごにょ……」


「ん? どうした?」


「な、何でも無いのじゃ。」


「そ、そうか。」


コテン……その時、俺の肩にビアンカさんの頭が寄りかかってきた。


「何か酔っぱらってしまったみたいなのじゃ。」


それは嘘だな。ビアンカさんがエール1杯程度で酔っぱらう訳が無い。

とは言え、そんな無粋なことは言わないのが優しさと言うものだ。


「そうか。だったら少し寄りかかったままで構わないぞ。」


「ありがとうなのじゃ。」


俺はその頭を優しく撫でてみた。

今はこの幸せな時間を噛締められるだけで充分だ。





















すまん、先ほどの話は無かったことにしてくれ。


「うぅ~、ぎもじわるい……」


「あはははっ、楽しいのじゃ。ほれ、ハルももっと飲まんか。」


「ごめん、もう無理!」


久々に楽しくお酒を飲んだので、ついつい飲み過ぎてしまった。

もともと普段は1,2杯しか飲まないのに、今日はすでに5杯目だ。俺的には随分と頑張って飲んでいる。酔いはもちろんだが、どちらかと言えばお腹がはち切れそうで辛い……

それに比べてビアンカさんは、俺の倍は飲んでいるハズなのに全くお腹が膨らんでいない。あの小さな体のどこに入るのだろうか、全くもって謎である。


「仕方ないのじゃ。皆も待っておるじゃろうし、そろそろ帰るとするかの。」


「た、助かった~」


こうしてビアンカさんと2人っきりの飲み会は終了した。最初のあの雰囲気は何処に行ってしまったんだろうな(遠い目)

まぁ、楽しかったから良いけどね。


会計を済ませた俺達は、飲み屋を出て宿に帰ることにした。

帰る時、ビアンカさんが俺の腕にしがみ付いて来た。


「たまにはこう言うのも悪く無いのじゃろ?」


「そうだな。慎ましいビアンカさんのが当たっているのが最高です!」


「馬鹿……」


真っ赤になって俯くビアンカさん。相変わらずのギャップがたまらん。ごちそう様です。


「また来ような。」


「そうじゃな。約束じゃぞ。」


「おう。」


そんな会話をしつつ、ビアンカさんと仲良く宿へと到着したのだった。


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