生活魔法は使える魔法!?
目が覚めた、ん~っと背伸びをする、よし!
今日は師匠の所に行ってみる予定だ
昨日干した薬草を回収し、リュックに詰める
後は特に無いな、と言うことで朝食を食べに行くことにした
「マスターはよ~飯よろ。
ナンシーちゃんの愛情たっぷり、プリーズ」
「ナンシーは居ないぞ?」
「何?もうバレたのか!?
さすがはマスターだ、1日で辞めさせられるとは…」
「違う違う、ナンシーの手伝いは夜だけだ、辞めてなんか無いぞ?」
「あービックリした~
せっかく良い子が入ったんだし、マスター気を付けろよな」
「坊主に言われるまでもない。
ほら、朝食だ、さっさと食え」
今日の朝食は、ホットサンドとサラダとコーヒーだ
お、このホットサンドは前にも食べたヤツだ、旨かったんだよな
前食べた時は鑑定持って無かったから詳細知らなかったんだよな、どれどれ
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【ホットサンド】
品質:B
効果:HP回復+1
トーストの間にチーズ、トゥメイトゥ、ケッコー鳥の肉をソテーしたものを入れて焼いたもの
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相変わらずの品質Bだ、さすがはマスター
でも、ジェニファーの飯は品質Aが多かったな、何でだろう?
「なぁ、マスター」
「何だ?」
「気持ちジェニファーの飯の方が旨かった様な気がするんだが、気のせいか?
まぁ、同じものだったら、同じ味なのかもしれないが」
「…すまん、今はまだ言えない」
「ふ~ん、まあいいけど」
どうやらマスターと、ジェニファーには何か秘密があるみたいだな
ジェニファーはマスターの裏の趣味かと思ったんだが、違うのか?
無理に知りたいとも思わないが、気にはなるな、そのうち教えてくれるのかもしれないし、待つとするか
ホットサンドを食べる、うん旨い、さすがはマスターだ
そーいやマスターはアメリカン系、ジェニファーは和食系だったな、これも何か関係してるのかもしれない
残りのサラダを食べてコーヒー、いやコーシーを飲んで一息入れた俺は出発するのであった
・・・・
師匠のお店?調合場?までやってきた、販売もしているみたいだからお店でいいんだろうな
「たのもう!」
「おや、良い所に来た、手伝いな!」
相変わらず有無を言わさず、人使いの荒い師匠であった
一通りの作業が終了したため、休憩に入る
「そういえば、ハルは何しに来たんだい?」
「いまさらかよ…まあいいけどね。
まずは師匠に見てもらいたいものが有るんだが良いか?」
そう言って俺はリュックから3つの薬草を取り出した
「おや、私を試そうってのかい?」
「違う違う、そう言う訳じゃ無いんだけど、ちょっと気になった事が有ったんで」
「ふむ、どれどれ…
まずこれは、収穫してから一晩乾燥させたものだな、まだ乾燥が足りないから、ちょっと使い物にはならないね。
次にこれだが、火であぶって乾燥したものかい?熱によって薬の成分が壊れているし、使い物にならないね、ゴミだ。
最後のこれは10日ほど乾燥させたものだな、十分に乾燥も済んでいるから、このまま薬に材料になる。
こんな感じじゃな、どうだ?」
「なるほどな、そんな感じになるのか」
「なんじゃ、これがどうしたんじゃ?」
「んと、師匠、これが全部同じ日に収穫した物だって言ったら信じられるか?」
「何じゃと?最初のと次のは、処理が足りない、無理やり乾燥させた物だからわかるが、最後のは時間がかかるものじゃし、無理じゃぞ?」
「言葉で説明するより、見せた方が早いか。
師匠、乾燥してない薬草って有る?」
「有ると言えば有るが…これじゃ」
薬草を受け取った俺は、乾燥魔法を使う、多少時間は掛るが、自然乾燥に比べれば断然早い
「な、なんじゃ!この魔法は!?
あっという間に乾燥してしまったではないか!
しかも、状態も悪くない」
「えーっと、生活魔法?」
「馬鹿も休み休み言え、生活魔法はちょっとした火や水、風や穴を開けるだけじゃないか。
こんな風に乾燥させられるなんて話は聞いたことがない」
「確かに変わった使いかたしたかもしれないけど、本当に生活魔法だぞ?
と言うか生活魔法以外の魔法は使えんし」
「にわかには信じられんが…ハルが嘘ついても意味は無いか。
薬剤師としては夢のような魔法じゃな」
「師匠にだったら教えても良いけど?」
「私にゃ魔法は使えんよ。
それに、そういった技術は、あまり人に教えるもんじゃないよ」
見た目は魔法使いのオババなんだけどなぁ~
それに技術を広めれば安くポーションが出回ると思うんだけどなぁ
この世界の常識と、自分の知識が違うのはどうも違和感があるが、郷に入っては郷に従えって言葉もあるしな
「ん、わかった」
「まあ、私にとっては都合の良い弟子じゃないか」
キランと師匠の目が光ったような気がした
あ、なんか悪い予感が…
「ここにある薬草、全部乾燥させてもらおうかね?イーヒッヒッヒッ」
悪い予感が当たってしまった
まあ、師匠の手伝いになるから良いけどね
俺はせっせと薬草の乾燥作業を行うのだった
「お、終わった~」
「疲れたじゃろ?飴ちゃんでもお食べ」
例のべっこう飴を貰ったので食べる、うん甘くておいしい
「これもついでに持っていきな、乾燥してくれた駄賃だよ」
精力剤を貰った、全く使う機会は無いんだけどね(涙)
「師匠さ、この精力剤って幾らするん?」
「イヒッヒ~金貨1枚じゃよ?良い値段するじゃろう?
だから貴族の連中しか買わんよ」
「なるほどね」
「さてと、折角来てもらったんだ、HPポーションの作り方くらいは伝授してやろうかね」
「宜しくお願いします」
俺は師匠より調合の指導を受けることにした
乾燥機(弟子)ゲットだぜ!!
実際、乾燥した空気だけでそこまでの乾燥機能はないと思われますが、そこは異世界と言うことで(笑)




