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プレゼント


さて、本気でシャルのプレゼントをどうしよう。

色々と名考えていると、ふとフォクス村でのことを思い出した。


「人形か……」


そう言えばティアさんがシャルのために作った人形を大事にしてたっけ。

そうだな、まずは人形を売っているお店にでも行ってみるとしようか。

しばらく歩くと、雑貨を取り扱っているお店を見つけた。


「ここなら有りそうだな。」


俺達はお店の中に入ることにした。

お店の中は所狭しと色んなものが置いてあり、いかにも雑貨屋さんって感じだった。

まずは目的の人形を探すことにしよう。


「お、有った。」


大した数は無かったが、数体ちょこんと置いてあるのを見つけたのだが……


「正直微妙だな。」


何と言うか、ハンドメイドって言えば聞こえが良いが、雑って感じの人形だった。


「これだったら、自分で作った方が良い物が出来そうだな。」


日本で見た人形と比較してしまうとね。どうせならシャルには喜んで欲しい。

作れる自信は有るが、どうしても時間が掛かってしまうのは仕方がない。その辺をシャルに確認してみよう。


「シャルさ……あれ?」


すぐ後ろに居ると思っていたのだが、見当たらなかった。


「何処行ったんだ?」


俺はシャルを探しに行くと、狭い店だったため、直ぐに見つけることが出来た。

シャルはある一点を見つめていた。


「居た居た。シャル、何か欲しい物でも見つけたのか?」


俺がそう聞くと、シャルがちらりとこちらを見て首を振った。あれ? 違ったのかな?

俺はシャルが見ていた視線の先を確認してみると……


「何だコレ? 木の玉?」


それは直径10cm程で、木を削って作ったボールの様な玉だった。


「シャルはこれを見ていたのか?」


「ん。」


「これって何に使う物なんだ?」


「転がしたり投げたりして遊ぶ物。」


「なるほど。」


どうやらボールみたいにして遊ぶものらしい。

俺は木の玉を一つ手に取ってみた。なる程確かにボールだな。

値段は1個銅貨1枚か。ふむ……


「なぁ、シャル。誕生日のプレゼントなんだが、少し時間が掛かっても問題無いか?」


「大丈夫。」


「そうか。じゃあ楽しみにしてくれ。」


「ん。」


「じゃあ買い物して帰るか。」


俺は人形の材料と、シャルに見つからない様にこっそりと木の玉を持って会計をした。


「ありがとうございました。」


「買い物も済んだし、帰るか。」


「うん。」


お店を出た俺達は宿へともどるのだった。


・・・・


宿に戻り、食堂へ向かうと、ビアンカさんと、アイリさんは既に戻ってきていた。


「お帰りなのじゃ。」


「おかえり~」


「ただいま。そっちはどうだった?」


おれが質問すると、ビアンカさんはニヤリと笑い、


ドン!


テーブルの上には、いかにも高そうなお酒とジュースが置かれた。


「どうじゃ!」


「どうじゃと言われても、高そうな酒としか言えんが……

 ちなみにお幾らですか?」


「聞いて驚くのじゃ! 金貨6枚と銀貨3枚だったところを、あたいの交渉で5枚まで下げさせたのじゃ!」


エッヘンとビアンカさんが無い胸を張った。


「へ、へぇ~、それは凄いね。」


まさか本当に金貨5枚も使い切るとは……


「それでね、このジュースはおまけでくれたんだよ~♪」


と言うことは、お酒だけで金貨5枚ですか。そうですか……

シャルのためのお祝いなのに、おまけが無かったらシャルの飲み物は何も無かった可能性が有った訳だ。怒っても良いですか?


「ハル君? ど、ど、ど、どうしちゃったのかな? かな?」


「こ、怖いのじゃ。」


イカンイカン、シャルの誕生日パーティなのに怒っては駄目だ。


すぅ~はぁ~すぅ~はぁ~……よし!


「アイリとビアンカは、後でお話しな。」


「「はい……」」


「じゃあ俺は、夕食の手伝いをしてくるから、後はゆっくり休んでてくれ。」


「「「は~い(なのじゃ。)」」」


俺はナタリーさん達を手伝うために、キッチンへ向かうことにした。


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