地下10階 3
正面の扉へと向かうと、中から5つの反応が有った。と言うことは、ボスでは無い? それとも他のPTが倒した?
「扉の向こうに5つの反応、一応ボスかもしれないから気を付けてね。」
「「「「「はい(なのじゃ)!」」」」」
扉に罠が無いことを確認してから扉を開いて中へと突入した。
ティアさんの明かりが飛ぶと、そこには……
「ホーンラビット?」
俺が声を出すと、ホーンラビット達が一斉にこちらを向いて飛び込んできた。
「任せるのじゃ!」
ビアンカさんが盾を構えて前に出る。
ガンガンガンガンガン!
ホーンラビットが仲良く順番にビアンカさんの盾へとぶつかって行く。
スパスパスパスパスパ!
そこにシャルが両手のギミックを使ってスパスパと首を切って行く……何なんだ? この流れ作業的な戦闘は……
あっと言う間にホーンラビット達はお亡くなりになったのだった。なむ……
「満足!」
「まぁ、こんなもんじゃな。」
「出番が有りませんでした。」
「俺も無かった。」
「あらあら、うふふっ。」
それにしてもホーンラビットだったと言うことは、ここはボス部屋では無かったみたいだ。
何だよあの柱は……意味無いじゃんかよ。
「まあいいか、じゃあ疲れても無いことだし、さっさと進むか。」
確認すると、扉は入ってきたところと、左右両側の3箇所に有った。
「えっと、次はビアンカの番だったな。どっちがいい?」
「ふむ、なら左じゃな。」
「おっけー」
俺は左の扉を確認後、先に進むことにした。
扉の先にはちょっとした小部屋になっており、正面に扉が見えた。
「ふむ、この向こうにも5つの反応だな。多分敵だと思うけど、一応用心な。」
「「「「「は~い(なのじゃ)!」」」」」
扉を開けて中に入る。明かりを飛ばすとそこにはゴブリンが5体いた。
「私が行きます!」
「シャルも!」
相手がゴブリンならと、ナタリーさんとシャルが飛び出して行ったので、俺も着いて行くことにする。
「えぃ!」
「ふん!」
ナタリーさんもシャルも、1撃でゴブリンを倒していく。シャルはともかく、ナタリーさんも随分と強くなったみたいだ。
俺の出番は無く、あっさりと戦闘は終了してしまった。
もしかして、俺が一番弱いんじゃないか!? 何とも言えない不安が押し寄せてきた。
「ステータス。」
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名前:ハル
年齢:20
状態:普通
LV:9
HP:47/47
MP:100/100
STR:13
VIT:8
AGI:31
INT:32
DEX:29
LUK:5
スキル:投擲Lv5、言語理解、剣術Lv1、激おこぷんぷんLv7、魔力操作Lv8、生活魔法Lv8、鑑定Lv3、隠密Lv4、解体Lv4、調合Lv8、索敵Lv7、直感Lv3、アイテムボックス、恐怖耐性Lv2、竹槍術Lv5、麻痺耐性LvMAX、呪い耐性Lv1、回避Lv5(new)、マッピングLv5(new)、罠発見Lv3(new)、罠解除Lv2、釣りLv2
称号:命99、ケモナーLv2、暗黒変態紳士、薬剤師、ショーボン創造神の加護、中二病、このロリコン野郎!(確定)、女たらし、鬼軍曹、ジョルシュおっぱい神様の信徒(マブダチ限定)、おっぱいマスター
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レベルは上がって無かったが、回避とマッピング、そして罠発見のレベルが上がっていた。まぁまぁだな。
「なぁ、シャル。ちょっとステータスを見せて貰っても良いか?」
「ん。」
シャルは冒険者ギルドカードを渡してくれた。
「どれどれ?」
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名前:シャルロット
年齢:7(+1)
状態:普通
LV:10
HP:71/71(+20)
MP:51/51(+12)
STR:45(+10)
VIT:2
AGI:59(+10)
INT:10
DEX:15(+3)
LUK:8
スキル:魔力操作Lv5(new)、火魔法Lv5(new)、身体強化Lv5(new)、拳闘Lv6(new)、回避Lv6(new)
称号:ハルの奴隷、ギーコキャット獣人の神の加護
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「へっ?」
(つд⊂)ゴシゴシ (;゜д゜) ・・・
「あの、もしもしシャルさん? レベルが10って本当ですか?」
「ん。」
「マジですか……いや違った、凄いぞシャル! 随分と頑張ったんだな~!!」
俺は頭をワシワシと撫でてあげた。
それにしても本当にシャルに負けていたとは……スキルも上がっているし、本当に頑張ったみたいだ。他には……ん?
「あれ? シャルの年齢が上がってる?」
年齢の項目が、6歳から7歳に上がっていた。
「あ、そう言えば5日前がシャルの誕生日でしたね。」
「ティア、そう言うことはもっと早く言ってくれ~!!」
5日前と言ったら何してたっけ? 確か……釣りをして、タコ料理を作った時か。
「シャルゴメン!! 俺、シャルの誕生日なんて知らなかったから何もお祝いして上げられなかった。本当にゴメン!!」
「大丈夫。ハル様はシャルに美味しい物食べさせてくれた。」
「それはそれだ。よし! 今から帰ってシャルの誕生パーティをやるぞ~!!」
俺は踵を返して走り出すのだった。
「えっ? ハル様!?」
「ちょ、ハル、待つのじゃ!」
「ハル君待って~!」
「ハルさん、待ってください。」
「あらあら、うふふっ。」
俺達は急遽探索を中止して、ダンジョンを後にするのだった。




