地下10階 1
色々と脱線したが、攻略を続けることにした。
地下8階と9階はマップが有るので、寄り道をせずにサクサクと攻略していく。とは言っても十分に気を付けながらの対応だけどね。
そしていよいよ地下10階への階段まで到着することが出来た。
「いよいよ地下10階だな。」
「腕が鳴るのじゃ。」
「頑張ろ~ね。」
「倒す!」
「頑張ります。」
「お役に立てる様に頑張ります。」
「よし、行くぞ!」
全員の気合が入ったので、階段を降りることにした。
階段を降りると、地下9階の部屋と同じ広さの部屋だった。
「もしかして地下9階と同じパターンだったりして。」
扉は左側と下側だ。マップの位置からすると丁度左上になるからその可能性も有り得そうだ。
とりあえず扉のトラップを調べ、問題無いことを確認できた。扉の向こうには敵の反応も無かったことから、扉を開けて覗いてみることにした。
扉の先には真っすぐな通路が伸びていた。もう一つの扉の先も同様な感じだった。また2択かよ……
「シャル、どっちに行きたい?」
「左!」
一切の迷いも無く、速攻で答えが返ってきた。
「あたいはし「そうかそうか! なら左に行こうな!!」じゃ。」
「ハル君ハル君、私はねぇ~」
「みんな左に行くぞ~!!」
「「「えぇ~!!」」」
「分かった。」
「はい。でも、ちょっと残念でした。」
選んだシャルとティアさんは了解してくれたが、他の女性陣は少し不満気だ。とは言ってもねぇ?
「ハル君、ひっど~い!! 何でシャルちゃんだけなの~?」
アイリさんが激おこだ。
「まぁまぁ、今度はアイリにお願いするから、今回は簡便な。」
「ほんと? やった~♪」
でも、チョロかった。流石はアイリさんだ。
さて、進む方向が決まったことだし、攻略を進めることにする。
通路をひたすら真っすぐ進むと、扉にぶつかった。マップの大きさから考えると、先ほどの部屋と同じ大きさの部屋みたいだ。
部屋の中からは、5つの反応がしている。他のPTかな?
「とりあえず中に5つの反応が有る。敵か他のPTかは不明だから、むやみやたらの攻撃は禁止な。
入ったら、ティアは明かりの確保。ビアンカが前に出てくれ。俺とシャルとナタリーで敵を後ろに抜かせない様にビアンカのフォローな。アイリはスマンが待機だ。」
「「「「「はい(なのじゃ)!」」」」」
「行くぞ!」
扉を開けると同時に全員で飛び込んだ。
即座にティアが明かりを飛ばして光源を確保する。すると向こうに四足歩行する生き物が見えた。
「グラスウルフだ!」
今回は挟み撃ちは無いから、前方だけを注意すれば良いので気持ち的には楽だ。とは言っても油断はしないけどね。
ビアンカさんが3匹を受け持ち、脇を抜けてきた2匹を俺とシャルで仕留める。
アイリの魔法と、回り込んだナタリーさん、ビアンカさんが1匹づつ倒して戦闘は終わった。
「何じゃ、地下10階と言っても楽勝みたいじゃの。」
「だね~」
「余裕。」
「まぁ、今更グラスウルフ程度なら問題無いか。でも、この階は地下1階から9階までの敵がランダムに出るって言うから、もしかしたらオークメイジが5匹ってこともあり得るかもしれないし、油断だけはしない様にな。」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
さて、次は下の扉か。同様に罠を調べて扉を開けるとやっぱり真っすぐな通路が続いていた。おそらく4つ角に部屋が有って、それを通路で外周を結んでいる形なのだろう。
通路を真っすぐ進むと、案の定扉が有ったのだった。
「ここも反応が5つ。先ほどと対応は同じで行くぞ。」
「「「「「はい(なのじゃ)!」」」」」
扉の先にはボブゴブリンが5匹だった。どうやらこの階は敵が5匹ってのが基本なのかもしれない。
ホブゴブリン程度に苦労する訳も無く、アッサリと倒すことが出来た。まぁ、ほどんどはシャルが倒しちゃったんだけどね。
「さぁ、次行ってみようか。」
俺達は先へと進むのだった。




