朝になって
「ウキッ、ウキキッ!(ほら、行くぞ!)」
「ウ、ウキッ(は、はぁ)。」
俺は仲間(?)の構成員に連れられて部屋を出るのだった。
暫く廊下を進むと、ある部屋へと到着した。
「ウキキッ!(この部屋だ!)」
「ウキッキウキャ?(何の部屋だ?)」
「ウッキャキャ(入れば分かる)。」
そう言われたので部屋の中に入ると、部屋の中央にバナナが紐で吊るされていた。
壁際にはハサミ、棒、網、踏み台、はしご等の色んな道具が置いてある。えっと?
「ウキッ、ウキャキャウキャ!(さぁ、道具を使ってバナナを取るのだ!)」
これって、チンパンジーの知能検査じゃね? 馬鹿にしてるのか?
「ウキィ~(はぁ~)」
まぁ、仕事だって言うならやるけどさ、こんなの簡単すぎるだろ。
確か、これをこうして……と、よし!
「ウキャ!(出来たぞ!)」
「……ウキャキャウキャ?(お前は何を言ってるんだ?)」
「ウキウキャウキ!(こうすんだよ!」
俺はマッチを手に取り火を点けた。
ガバッ!
「……あれ? 何だっけ?」
よく覚えて無いのだが、古典的条件づけによる反応の実験をしていた様な気がする。
簡単に言うと、犬にベルの音を聞かせて唾液を出させる、パブロ〇の犬みたいな動物を使った実験だ。
行動心理学のレポート? ……うっ、頭が!!(謎)
おはようございます。
さて、今日は地下10階を目指すんだっけ。そうと決まればさっさと起きるとするか。
「んんっ……」
声がした方を見ると、ビアンカさんが寝ていた。
あれ? 確か4人部屋で寝た……あっ、そうか! ナタリーさんとティアさんは、朝食作りに行ったのか。納得だ。
それにしてもビアンカさんも無防備だよな、ダンジョンとは違うからノーブラで少し大きめのキャミを着ている。
何が言いたいかと言うと、ビアンカさんの慎ましいおっぱ……コホン、失礼。小ぶりの何かのせいで隙間が空いているため、先っぽの生ポッチが見えているのだ。
ゴクリ……
ちょ、ちょっとくらい良いよね? 何てったって俺の嫁だし?(言い訳)
俺は、朝一番に出来た貴重な、たった2つしかないイチゴの収穫を行うことにした。
ふにっ……
力を入れ過ぎてイチゴを潰さない様に優しく摘む。
コリコリ……
優しくしたつもりなのだが、イチゴは何故か堅さを増していく。
「んっ!」
ビアンカさんが、ビクッっと反応した後、目を覚ましたみたいだ。バッチリと目が合った。
「えっと? お、おはよう?」
「……ハルのエッチ……」
「ぐはっ!」
真っ赤な顔をしながら上目遣いで恥ずかしそうに言うビアンカさんは、相変わらず物凄い破壊力だった。
・・・・
着替えた俺達は食堂へ向かうことにした。
えっ? 何で話が飛んだんだって? べべべ別に良いじゃんかよ。
どうしても? とは言っても、ビアンカさんが牛のおっぱいから新鮮な牛乳を直飲みしただけだよ? ほら大した話じゃ無いじゃん? ……サーセン。
「おはよう。」
「おはようなのじゃ。」
「あっ、ハル君おはよ~」
「おはよ。」
食堂にはすでにアイリさんとシャルが待っていた。とりあえず空いている席に座ることにする。
「今日の地下10階、楽しみ。」
「そうだな。でも、危険を感じたり怪我をするようなら直ぐに撤退するからな?」
「大丈夫。もう油断しない。」
「ハル君大丈夫だよ~、私達が居るんだもん。」
「そうじゃ、大丈夫じゃ。」
「そっか。」
まぁ、色々不安なこと言っても仕方がないか。状況判断を常に行って、素早く的確に指示を出来る様に心に留めておこう。
「お待たせしました。朝食ですよ。」
ナタリーさんとティアさんが朝食を持って来てくれた。
さて、今日の朝食はっと、ご飯に味噌汁、卵焼きにサラダと納豆だ。何となく旅館の朝食みたいだ。
さっそく頂くことにする。
パクリ……うん、やっぱり朝食にご飯は基本だな。この甘い卵焼きがまた絶品でたまらなん。
次にご飯に納豆で食べる。あぁ……本当に日本人に生まれて良かった……
味噌汁をすすり、口の中のネバネバをリセットする。そして今日の味噌汁は具材が丸ネギとワカメだ。こりゃまた旨い!
ぱくぱくもぐもぐずずっ……ごっくん。
「ごっそーさん。」
食事が終わった俺達は、ダンジョンに向けて出発することにした。




