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今日のナタリーさん 125


私はナタリー、冒険者である。


「ナタリー、交代の時間だよ~」


アイリに起こされて目が覚めました。


「アイリ? おはよう。交代の時間?」


「そうだよ、だから後は宜しく~」


アイリがそう言うと、毛布に包まってさっさと寝てしまいました。


「はいはい。おやすみなさい。」


では起きるとしましょうか。

焚火の所に向かうと、すでにあちらのPTの方が待機していました。


「遅くなってすいません。宜しくお願いしますね。」


「こ、こちらこそ、よ、宜しくです。」


相手の方が常に緊張し、私のこと居ないとばかりに視線を合わせずに、辺りをキョロキョロと警戒していました。流石は上級冒険者ですね。

常にダンジョン内では警戒を怠らないのは凄いです。私も見習わなければなりませんね。

相手に見習い、一通り周りを確認してみますが、上り階段の他には四方に壁と扉が有るだけで変わった感じは有りません。

ふと、視線を感じたので相手を見ると、慌てて目を逸らされてしまいました。

決して油断をすること無く、私のことも警戒していたみたいです。流石ですね。

これだけ警戒してくれているのならば、朝食を作っても大丈夫かな?


「あの、すいません。」


「はははは、はい!」


「申し訳有りませんが、皆さんの朝食を作っても大丈夫でしょうか?

 私も一応警戒はしておきますが、少し見張りの負担が増えて、ご迷惑をかけてしまうかもしれません。」


「いえ、大丈夫です! 任せて下さい!!」


「そうですか? ありがとうございます。」


有難い返事を頂いたので、朝食を頑張りたいと思います。

ケイさん達には頑張ってもらいたいですし、力が付きそうな物を作ってあげたいのは山々ですが、此処だと制限が有るので難しいです。

材料は、パン、卵、ベーコン、ソーセージ、キャベスリー、丸ネギ、キュロット、ニンニンニク、キノコ、ハイオーク肉、各種調味料です。


「う~ん、この材料ですと、何時もの簡単なのくらいしか作れないですね。せめてお肉多めのスープにしてあげましょう。」


そうと決まれば調理開始です。

先にスープ作りです。刻んだニンニンニクとキノコを、野菜と一緒にじっくりと煮こみます。

沸騰し、十分に火が通ったところで、一口大に切ったハイオーク肉を投入し、弱火でコトコトと煮込みます。

煮込んでいる間に他のを作っちゃいましょう。


平鍋にベーコンを敷いて火にかけます。

火が通り、ベーコンの油が出てきたところで卵を落として蓋をします。

目玉焼きだと水を加えますが、カリカリベーコンを目指すので、水は加えません。

ただ、火加減を間違えると焦げてしまうので注意は必要ですけどね。

別の鍋でソーセージを焼いてしまいましょう。


「ナタリーさん、おはよう。」


「あ、ケイさん、おはようございます。他の方達もおはようございます。」


「おはようっす。」


「「「「おはようございます。」」」」


まだ交代の時間では有りませんでしたが、ケイさん達のPTは早起きですね。


「すいません。まだ朝食は出来て無いんですよ。」


「いえ、気にしないで大丈夫だ。自分のペースで作ってくれ。」


「そうですか? ありがとうございます。」


そうは言ってますが、お腹が空いているのかもしれませんし、急ぐことにしましょう。

ベーコンエッグとソーセージをお皿に移し、パンを焼いちゃいます。

後はスープですが……うん、丁度良い感じです。

灰汁を取り、塩コショウで味を調えます。

小皿に取って味見をします……うん、美味しいです♪

あっ、私達は問題無くても、ケイさん達にはどうでしょうか?


「あの、ケイさん。こんな感じの味付けですが、大丈夫でしょうか?」


私が小皿に取った物をケイさんに渡した。


「あ、ケイ、ズルイっす!」


「リーダー、俺が味見します!」


「馬鹿、俺だ!」


「え~い煩い! 俺が頼まれたんだ。俺が味見をする!」


「「「「「ブーブー!!」」」」」


うふふふっ、ケイさん達のPTも良い雰囲気の人達で楽しそうです。


「旨い!!」


「良かったです。」


どうやら問題無さそうです。後は味が染み込むまで少しだけ煮れば完成です。

最期にパンを焼いちゃいましょう。


「ナタリー、おはよう。」


あ、彼が起きてきました。おはようございます♪

彼は挨拶を済ませた後に、アイリ達を起こしに行ってしまいました。

その後ケイさん達の洗顔用の水を用意したりと、色々と対応してくれてます。流石は彼です。


……そろそろパンが焼けたので、朝食が完成しました。

スープをよそい、準備が完了したところで皆さんに声を掛けることにしました。

皆さん大喜びで朝食を食べています。こんなにも喜んでくれると頑張って作った甲斐がありました。嬉しいです。


朝食が終わると、ケイさん達はダンジョンを攻略するために先に進むことにしたみたいです。

別れ際、彼が中級HPポーション改を人数分渡していました。彼なりの支援なのかもしれません。

シャルちゃんとシャルティアさんの為にも頑張って欲しいです!


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