別れ
「ごっそーさん。」
「お粗末様でした。」
食事が終わったので後片付けをしているのだが、小屋は……ケイさん達と別れてからにしよう。うん。
「ハル君、お世話になったね。俺達はそろそろ行くとするよ。」
「そうですか。お水とかは大丈夫ですか? 必要であれば追加しておきますが。」
「それについては大丈夫だ。もともと十分な量を用意していたのも有るが、昨夜と今朝の分で余裕が出来たからね。」
「でしたらこれを持って行って下さい。無事ゴブリンキングが倒せる様にちょっとした支援です。」
俺は中級HPポーション改を人数分取り出して、ケイさんに渡した。
「これは?」
「中級HPポーション改です。HPが100回復するので、いざという時に使って下さい。」
ずっと何かしらお手伝いが出来無いかと考えていたのだが、これくらいしか思いつかなかったのだ。
「こんな貴重な物を、貰っても良いのかい?」
「ええ、ケイさん達にはゴブリンキングの魔石を取って来て欲しいので、是非!」
「……そうか。だったら頑張って倒さないとな。これは有難く貰っておくよ。」
「はい。」
「それじゃ、お世話になった。ハル君もレベルを上げて今度は一緒に攻略しような。」
「あはははっ、そうなれるように頑張ります(汗)」
「ハルなら大丈夫っす。何時か一緒に行くっすよ。」
「そうですね。その時が有ったら宜しくお願いします。」
「またな。」
「はい。頑張ってください!」
「おう!」
ケイさんと握手を交わした後は、扉の向こうへと消えて行ってしまった。
「行ってしまったの。」
「そうだな。」
「ねーねー、ハル君が支援したのって、シャルちゃんとティアの為でしょ?」
「まーそうだな。」
「だったらお金貯めないとね~」
「そうだな。そう言えば幾らくらい必要なんだっけ?」
「ハルさん、確か解放に金貨100枚、後魔石代が金貨500枚位必要だったと思います。」
「併せて600枚か……って、全然足りないじゃん!!」
確か全財産で金貨80枚程度しか持ってない。全然足りなかった。
「ハルよ、しばらくPTで稼いだお金は、配布せずに貯めると良いのじゃ。」
「だね~」
「私も賛成です。」
「問題ない。」
「私とシャルはもともと奴隷ですから、本来お金を貰うこと自体あり得ませんし、問題ありません。」
「みんな……すまん。そしてありがとう。」
ホント、俺には勿体ないくらいの女性達だ。感謝しか無いな。
「そうと決まれば、一杯お金を稼がないとな。ガンバロ~!!」
「「「「「オー!!」」」」」
後片付けを済ませた俺達は、お金を稼ぐためにダンジョンを攻略していくことにしたのだった。




