夕食
「もう少しで出来ますので、お待ち下さい。」
俺はそう言って生活魔法で水を作って渡してあげた。
「有難う。」
「助かるっす。」
エキストラさんの他のメンバーも頭を下げてお礼を言っていた。
折角なので雑談することにした。
「エキストラさんは地下20階を目指してるってことは、ゴブリンキングですか?」
「そうっす。でも、倒せるかどうかは分からないっすけどね。
挑戦してみて、無理そうなら退却って感じっすかね。」
「そうなんですね。例えばですが、ゴブリンキングを討伐出来たとしたら魔石はどうするんですか?」
「ギルドに売るっすよ? オークションでも良いっすけど、時間が掛かり過ぎるっすから、手間賃考えたら売っちゃった方が楽っすからね。」
「なるほど。」
恐らく7~8割の金額で売れるのだろう。
「あの……もし魔石を手に入れることが出来たら譲ってもらうことって出来ないでしょうか? お金は言い値で払います。」
「無理っすね。」
「そこを何とか!」
「オイラ達は上のクラスを目指してるんっすよ、ゴブリンキングの魔石を納品することで白金級に上がれるかもしれないっす。だから駄目っす。」
「やっぱりそうですよね、わがまま言ってすいませんでした。」
「……ただ、ハルがギルドから買うって話しだったら、オイラ達には関係ない話っすね。」
「!?」
「まぁ、頑張るっすね。……それ以前に頑張るのはオイラ達っすね(汗)」
「応援してます! 頑張ってください!!」
何か希望が見えてきたかもしれない。これは是非とも頑張って貰わないとな。
俺にも何か手伝えることは無いだろうか……
「えっと、ハル君って言ったかな。」
俺がそんなことを考えていたらケイさんが俺に声を掛けてきた。
「あ、はい。そうです。」
「ここまで来れるってことは、それなりに強いんだろう。レベルは幾つなんだい?」
「レベル……ですか?」
えっと、今幾つだっけ?
「ステータス!」
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名前:ハル
年齢:20
状態:普通
LV:9(+2)
HP:47/47(+10)
MP:100/100(+20)
STR:13(+1)
VIT:8
AGI:31(+9)
INT:32(+4)
DEX:29(+1)
LUK:5(+1)
スキル:投擲Lv5、言語理解、剣術Lv1、激おこぷんぷんLv7、魔力操作Lv8、生活魔法Lv8、鑑定Lv3、隠密Lv4、解体Lv4、調合Lv8、索敵Lv7(new)、直感Lv3(new)、アイテムボックス、恐怖耐性Lv2、竹槍術Lv5(new)、麻痺耐性LvMAX、呪い耐性Lv1、回避Lv4(new)、マッピングLv4(new)、罠発見Lv2、罠解除Lv2、釣りLv2(new)
称号:命99、ケモナーLv2、暗黒変態紳士、薬剤師、ショーボン創造神の加護、中二病、このロリコン野郎!(確定)、女たらし、鬼軍曹、ジョルシュおっぱい神様の信徒(マブダチ限定)、おっぱいマスター
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お、レベルが上がってるし、スキルのレベルも色々と上がってるな。それに釣りをしたからか、新しく釣りのスキルも手に入れているな。
おっと、詳細は後にして質問に答えないとな。レベル位なら教えても問題無いだろう。
「えっと、レベル9です。」
「はぁ!? レベル9でこの階層? よっぽどすごいスキルを……いや、仲間が凄いってことも有り得るか。」
そんなに驚くことだろうか? なんかブツブツ言ってるが聞こえてるぞ!
「確かに俺の仲間が凄いってのは否定しませんよ。」
「すまん、決してハル君を貶したつもりは無いんだ。分かってくれ。」
「いえ、俺が弱いのは事実ですから。」
「のぉ、口を出すつもりは無かったんじゃが、ハルが居なかったら、あたい達は此処まで来れなかったのじゃぞ?」
「だよね~、ハル君が居るからだよね~」
シャルもコクコクと頷いている。
「いやいやいや、俺じゃ無くてビアンカ、アイリ、シャル、ティア、ナタリーが凄いんであって、俺は大して役に立ってないよ。」
「「「はぁ~~~!!」」」
何で溜息着くんだろうか。地味にショックなんだが。
「あのねハル君! 前にも話が有ったけど、そもそも私達のレベルだとこの階層は場違いなんだよ?」
「そう言えばそんな話だったな。」
「それを可能にしているのはハル君の御蔭だってことに気が付いて欲しいんだけどな~」
「う~ん。」
正直俺のというよりは、皆が凄すぎるだけだと思っているのだけどな。
だって、俺なんか遠くからチクチクしているだけだし……
「それで俺のレベルがどうしたんですか?」
「いや何、もし良かったら一緒に攻略をと思ったんだが、さすがにそのレベルを誘う訳にはいかないかなって思ってね。」
「はぁ。」
「一緒に行けないのは残念だけど、お互い頑張ろうな。」
「はい。」
こんな会話をしていたら、ナタリーさんとティアさんが夕食を持ってやってきた。
「お待たせしました。」
「待ってたのじゃ!」
「お腹ぺこぺこ~」
「ご飯。」
「ほぉ、こりゃ凄い。」
「マジっすか、やっぱり女性が居るとこんなにも違うんっすね…」
テーブルが無いから皿を床に直置きだが、ダンジョンだから問題無い。
今日の夕食はっと、パンとオーク肉のステーキと野菜と肉のスープだ。
パクリ……旨い!! この限られた設備と材料だったにも係わらず、此処まで作り上げるとは、さすがだ!
「旨い…」
「最高っす!」
エキストラさん達も大絶賛だ。
ふと気になったことが有ったので聞いてみることにした。
「そう言えばエキストラさん達って普段ダンジョンではどの様な食事をしているんですか?」
「オイラ達っすか? あまり良い物じゃ無いっすよ。
基本黒パンと干し肉、後は水で押し込む感じっすね。肉をドロップする敵がいる場合はそっちを焼く場合も有るっす。」
「なるほど。」
「ハル達はいつもこんなのを食べてるっすか?」
「いえ、俺達は何時も地上に戻ってから食べてます。今日はたまたまダンジョン内での野営を経験してみようって話になっただけです。
そろそろ日帰りするのもキツクなってきたので。」
「そうだったんっすね。オイラ達はラッキーだったっす。」
「あはははっ(汗)」
こうしてエキストラさん達のPTとの夕食を楽しむのだった。




