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再会


階段を降りてきたのは冒険者で、運び屋を含めた男性6人組のPTだった。

向こうも俺達PTが居たことで、こちらを用心している。

だけどその内の1人に見知った人物が居た。


「あれ? エキストラさん?」


「ん? 何だハルじゃないっすか。久しぶりっすね~」


「エキストラさんも元気そうで。」


「ハルたちは此処で野営っすか?」


「ええ、そちらは?」


「オイラ達は地下20階を目指す途中っす。今日は地下10階のボスを倒したら野営する予定だったっす。」


「そうなんですか、さすがですね。」


「いやいや~大したこと無いっすよ。そう言えばハルがここに居るってことは、あのお嬢さんも居るっすか?」


「あのお嬢さん?」


「この前冒険者ギルドで会ったお嬢さんっす、金髪で碧眼で、おっぱ……いや可愛いお嬢さんっす。」


今おっぱいって言いそうになったか? 気持ちは分からなくも無いが、あれは俺のだぞ!


「金髪で碧眼って言うと、ナタリーかな?

 ナタリー! ちょっとこっち来てくれるかな?」


「あ、は~い。」


俺がナタリーさんを呼ぶと、直ぐに来てくれた。


「ハルさん、どうしたんで…あれ? エキストラさんでしょうか?」


「そうっす! また会えたっすね!!」


「はい、そうですね。エキストラさんが居るってことは、ケイさんもいらっしゃるんですか?」


「もちろんだとも! 久しぶりだね。」


突然エキストラさんの後ろから待ってましたとばかりに男性が出来てきてナタリーさんの手を握っていた。あっ!


「この前は名前を聞きそびれてしまって後悔してたところだったんだ、ナタリーと言うのか、良い名前だ。」


「は、はぁ、あ、ありがとうございます?」


何だコイツ? ケイと言ったか? 手を握ったのもそうだが、いきなりナタリーさんを呼び捨てにして! ちょっとイラっと来た。


「ちょっと、人の妻に対して呼び捨てって無いんじゃないでしょうか?」


「「妻!?」」


ケイとエキストラさんが驚いた声をだした。そんなに驚くこと無いじゃないのかな?


「はい、私はハルさんの妻になります。」


ナタリーさんがにっこりと微笑んで2人に頭をさげて、妻と言うことを肯定してくれた。何か嬉しい。


「マジか……」


ケイがそんなことをつぶやいたが、どう言う意味だ?


「ハル、よく見ると他にも女性……と言うか、ハル以外はみんな女性っすね。

 ナタリーさんのことは仕方ないとしても、オイラにもあの綺麗なお姉さんを紹介して欲しいっす!」


綺麗なお姉さんってアイリさんか? と言うか紹介ってそういう意味か?


「エキストラさんに言っておきますが、ここに居るのみんな俺の妻ですよ?」


「マジっすか! この小っこいのも!?」


「小っこい言うな!! あたいはドワーフじゃ!!」


「ひいぃぃ!! スマンっす!! 勘弁して欲しいっす!」


エキストラさんがビアンカさんの怒りに怯え、必死に頭を下げていた。

エキストラさんって地下20階に行けるってことは高レベルだよね? そんなに恐れる物なのだろうか?


「ビアンカどうどう。エキストラさんは、ビアンカがあまりにも可愛いものだから間違っただけだから許してやってくれ。」


「可愛っ……コホン。ま、まぁハルがそう言うのなら許してやらんでも……じゃが次は無いのじゃ!!」


「はいぃぃ!!」


エキストラさんは背筋をピーンと張っていた。


「あ、あの、ちょっと聞いても良いっすか?」


そしてオズオズと聞いてきた。


「あそこの獣人のお嬢ちゃん……で良いんですよね? アレもっすか?」


「シャルはさすがに手は出して無いからな? 一応将来はその予定にはなっている。」


「マジっすか……」


エキストラさんは唖然としていた。まぁ気持ちは良く分る。

俺だって5人も妻が居ると言ったら驚くからな。


「人妻、人妻、人妻……」


例の男性がずっとブツブツ言っているが、そんなに信じられないのだろうか?


「ほらケイ、いい加減にするっす!」


エキストラんさんが頭をひっぱたくと、どうやら意識を取り戻したみたいだ。


「す、すまん。」


「まあ良いっす、そろそろ先急ぐっす。」


「あ、ああ。」


「ハル、邪魔したっすね。オイラ達はそろそろ進むっす。」


「あ、はい。」


「あ、あの、もしよろしかったら夕食食べて行きませんか?」


突然ナタリーさんがそんなことを言ってきた。


「良いんっすか?」


「ダンジョンなので大したものは出来ませんが。」


「ケイ、どうするっすか?」


「えっと、良いのかい?」


ケイがこっちを向いて聞いてきた。まあそのくらいなら構わないか。


「ナタリーがそう言っているので、宜しければどうぞ。」


「ではご一緒させてもらおうか。」


「じゃあ直ぐに用意しちゃいますね。」


ナタリーさんはそう言って、パタパタと食事の用意するために鍋の方へ向かって行った。

こうして俺達は、エキストラさんPTと夕食を一緒にすることになったのだった。


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