オークメイジ
ダンジョンに到着した俺達はサクサクと攻略を進めていく。
もう地下8階までの敵は余裕なので詳細は省くことにする。
地下8階もハイオークたちを蹴散らし、オークメイジが居ると思われる部屋の前まで到着することが出来た。
戦う前に情報を共有しておこうと思う。
「さて、オークメイジとの戦闘だが、俺が調べた内容によるとだが常にスケルトンを5匹になる様に召喚し続けるらしい。
そして召喚数が5匹になると、今度は攻撃魔法を仕掛けて来るそうだ。」
「なる程の、ならスケルトンを5匹以下にしておけば問題無いと言う訳じゃな。」
「ああ、どのくらいの頻度で召喚してくるのかは分からないが、そんな感じかな。」
「じゃあ、私達が魔法でやっつけちゃえば良いんじゃないかな? かな?」
「強さもオーク程度らしいし、結構弓とかの遠距離で倒しちゃう人も居るらしい。
まずは普通に当たってみて、ヤバそうなら魔法で攻撃するって感じにしたいんだけど、どうかな?」
「任せるのじゃ!」
「いいよ~」
「頑張ります。」
「頑張る。」
「何時でも魔法が使える様にしておきます。」
「よし、行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
一応扉に罠が無いことを確認してから扉を開くが、やっぱり中を確認することが出来ない。中に入るしか無いか。
覚悟を決めて中に入ると、部屋の全体が分かるようになった。
部屋の奥にローブ姿で杖を持ったオークが居た。
「ブモッ!」
此方を確認して鳴き声を出すとともにスケルトンが召喚された。
と言うか、それで召喚出来るのかよ!!
「ブモッ! ブモッ! ブモッ! ブモッ!」
ボーっと見ている間に5匹のスケルトンが召喚されてしまった。大体1秒
パカーン!
と思ったら1体が弾け飛んだ。シャルの一撃で倒せたみたいだ。
「えぃ!」
グシャ!
ナタリーさんの攻撃でスケルトンの頭が粉砕された。
「ふん!」
ドカッ!
ビアンカも負けじと攻撃をして吹っ飛ばしてる。スケルトンが大した強さじゃ無いのも情報通りだ。なら俺も頑張らないとな!!
「くらえ!」
カン!
「あるぇ~?」
俺の攻撃は骨で止まってしまった。WHY?
ブンッ!
「危なっ!」
スケルトンが殴り掛かってきたので、一度距離を取って攻撃を躱した。
「何で俺の攻撃だけ……あっ!」
忘れてた、スケルトンって斬撃とかに強いんだっけ。そう考えるとシャルやナタリーさん、ビアンカさんにとって楽な敵になるってことか。
「ブモッ! ブモッ! ブモッ! ブモッ!」
とは言え、相変わらずオークメイジはスケルトンを召喚し続けているため、中々近づくことが出来ない。
「ハル君~、攻撃しようか~?」
恐らくアイリさんが魔法を使えばあっさりと倒せるだろう。だけど、役立たずで終わるのも悔しい。
「アイリ、ちょっとだけ待ってて、ダメな時はお願いするから。」
「分かった~」
まぁ、こんなことが言えるのもスケルトン自体が大した強さじゃ無くて余裕が有るからだけどな。
「ブモッ! ブモッ! ブモッ! ブモッ!」
「くっ、次から次へと!」
カン、カカン!
相変わらず俺の攻撃は今一つだ。やっぱり打撃系の攻撃じゃないと駄目なのか!?
「あれ?」
今思ったのだが、薙刀って両刃じゃなくて片刃だよな。つまり反対側で殴れば打撃系の武器になる!? 物は試しでやってみるか。
パカーン!
アッサリとスケルトンを倒すことが出来た。こんな簡単な話で良いのだろうか……
まあ良い、これで殲滅力が上がったことだし、一気に叩き込むぞ!!
「ブモッ! ブモッ! ゲホッ! ブモッ!」
ん? 今1匹召喚されなかったか?
もしかしてオークメイジも召喚し続けると息が上がって召喚出来なくなる?
「ブモッ! ゲホッ! ブモッ! ゲホッ!」
やっぱりそうみたいだ。そして召喚が追い付かなくなってきたみたいだ。
「えぃ!」
ナタリーさんの攻撃がオークメイジに届いた!
「ブッ!! カ、カヒュ!」
背中への一撃でオークメイジの呼吸が止まったらしく、スケルトンが召喚されなくなった。
そこにシャルが懐へと侵入し、パイルバンカーによるトドメだ!
ズドーン!
胸に穴が空いたオークメイジはそのまま倒れたのだった。
「勝ち!」
シャルのドヤ顔が可愛いぜ!
「みんなお疲れさん。」
「ちょっと面倒な敵じゃが、大して強くは無いみたいじゃの。」
「私でも余裕で倒せるので数さえ何とかなれば余裕ですね。」
「問題無い。」
「私達は暇だったよ~」
「そうですね、見てただけでしたから。」
「じゃあ、次はアイリとティアにお願いするよ。」
「頑張るよ~」
「頑張ります。」
そこにシャルがドロップ品を拾って持って来てくれた。
「ハル様。」
「おっ、ありがとな。」
シャルの頭をお耳様を触りつつ撫でてあげると、シッポがゆ~らゆ~らと揺れていた。
思わず握りたくなる衝動ががが……
さて気を取り直して、今回のドロップ品だが、オーク肉とロッドの2つだ。
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【ロッド】
品質C
効果:攻撃力+3
魔法を使う際、魔力制御が行いやすくなる。
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やっぱりこの程度の階層じゃ、大した武器は落とさないみたいだな。
俺はそのままアイテムボックスへと仕舞うのだった。
落ち着いたところで改めて確認すると、どやらこの部屋には下への階段は無かったので、もう一つの部屋が正解だったみたいだ。
「次行くぞ~!」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
俺達は最期のボス部屋を目掛けて出発するのだった。




