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今日のナタリーさん 121


いよいよ夜になり食堂の開店です。


「いらっしゃいませ。」


早速ダンジョン帰りの冒険者5名がご来店です。


「ナタリー、串焼き10本とステーキ5枚、後エール5個ね。」


「は~い。」


私達は料理を作ってお出しします。

思ってた以上に楽な仕事でした。この程度なら問題無く依頼を遂行することが出来そうです。……と思っていた時期が私にも有りました。

変化が起こったのは、2人の女性がやって来たのが原因でした。


「焼き魚1匹、スープが2個、エールが2個。」


「は~い。」


今日初めて彼のスープが売れました。と言うか遅すぎです! 今日の客は見る目が無いですね!!


「ナタリーよ、ポテトチップとポテトフライ、後から揚げ1皿づつ追加じゃ。」


「は~い。」


その時はこれで終わり、彼の料理を満足してくれたみたいで良かったで終わったのですが……


「ポテトチップ5皿追加ね~」


「ポテトフライ10皿。」


「ポテトチップ7皿追加じゃ。」


「ポテトフライが……」


「から揚げが……」


「ポテトチップが……」


作っても作ってもどんどん売れて行ってしまうようになりました。

もう材料も有りません!!


「ハルさん。」


彼に助けを求めました。

向こうでもシャルティアさんが助けを求めています。

彼も困ってしまい店長に助けを求めています。


「……はっ! わ、分かったから、何とかするから、もう少し頑張って。」


店長もこの状況に頭が付いて行ってなかったみたいですが、気を取り直し、お店を出て行きました。

恐らく助けてくれる人を雇いに行ってくれたんだと思います。ならもう少し頑張ればなんとかなりそうです。

彼も自前の食材を出して、この状況を何とか乗り切る算段です。頑張ります!!


・・・・


「お、終わった~!!」


あれからずっと作り続けることになってしまいましたが、なんとか無事閉店することが出来ました。

もう膝がガクガクで、思わず床に座り込んでしまいましたが、他の方も同じみたいで座り込んでます。

ようやく一息入れたところで、店長さんが帰ってきました。


結局店長さんは営業時間内に戻ってくることは無かったですが、一生懸命走り回っていたのは分かったので、誰も文句を言う人は居ませんでした。

そのお詫びで、何と金貨1枚の追加報酬を頂けることになりました。とっても大変だったけれど、その甲斐は有りました。

彼のレシピも金貨10枚で買ってくれるとのことです。


依頼完了のサインを貰ったので、私達は食堂を後にして冒険者ギルドへ戻ることにします。

流石に疲れたのと時間が遅い御蔭で、シャルちゃんはおねむの様子です。手を差し伸べようとしたら、彼が背負ってくれることに。優しいなぁ~

シャルちゃんは彼の背中であっという間に夢の世界に旅立ってしまいました。ちょっと羨ましいと思ったのは内緒です。


冒険者ギルドで依頼完了の手続きを行い、宿屋に戻ってきました。

こんな時間に帰ってきたのは初めてだったのですが、夜はサンタナさんの弟さんが受付をしていたのですね。

マスターさんの宿は夜になると扉を閉めてしまうので同じだと思ってたのです、迷宮都市だからでしょうか? 大変ですね。


一度4人部屋に戻り、出来合いの夕食を済ませることにしました。

彼が大量に出してくれたのですが、折角お腹周りが元に戻ったと言うのに、また増やす訳にも行きません!

サンドウィッチ1つだけで我慢することにしました。ちょっと物足りませんでしたが、お水で誤魔化すことにしました。

余った物を彼が仕舞う際、思わず声が出てしまったのは聞かなかったことにしてくれると嬉しいです。


今日は彼と私、アイリとシャルちゃんが4人部屋となりました。

湯あみを済ませ、シャルちゃんには悪いですが、アイリと何方で寝るかの勝負をすることに。


「やった♪ ハル君の左隣~」


「負けてしまいました。」


右隣ですが、贅沢は駄目ですよね。

布団に入り、彼の腕にしがみ付いて眠ることにしました。


私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。

おやすみなさい。


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