今日のナタリーさん 120
資料室を出た私達は掲示板を確認してみることにしました。
そこで彼が『食堂の手伝い』の依頼を見つけてきました。中々面白そうな依頼です。
皆さんの了解も得られたので受けることになりました。
食堂の場所は、冒険者ギルドの真向かいのお店でした。
どうやらこのお店は、仕事帰りの冒険者達が利用する食堂で、夜だけ運営しているみたいです。
特に問題も無かったので依頼の登録を行い、早速向かうことにしました。
お店に着き、挨拶を済ませてから作業の分担を決めることになったのですが、何とアイリが料理の担当に。
「えぇ~!! 私料理って出来ない~!!」
確かに王都で教えて貰った時のことを思い出すと、向いているとは言えないですね。
そう言う理由でアイリの推薦もあり、彼が料理担当となることになりました。当然ですよね。
早速別れて作業をすることになりました。
私達は料理の腕前を確認するついでにお昼を作ることになりました。
私がステーキとソテー、シャルティアさんが串焼きと焼き魚、そして彼はスープを担当することになりました。頑張るぞ~!!
う~ん、酒のつまみとしての位置づけだから仕方が無いのかもしれませんが、あまりいいお肉じゃないみたいですね。
堅いと言いますか、筋が多いと言いますか、調理師泣かせのお肉です。ソテー用のケッコー鳥肉はまだマシみたいなので助かりました。
まずはお肉の処理からしてしまいましょうか。
包丁で筋に切れ目を入れて、包丁の背で満遍なく叩いて行きます。
後はすり下ろしたリンゴーンと刻んだ丸ネギに暫くつけておきます。
漬けている間にソテーの方を作ってしまいましょうか。
まずはケッコー鳥肉をフォークで刺してから塩コショウを振りかけておきます。
鍋にバターを入れて火に掛け、バターが溶けた所で皮の部分を下にしてケッコー鳥肉を入れます。
ジュワアアァァァ~~~~!!
皮が焦げ付かない程度にパリパリになるくらいまで焼いたらひっくり返して蓋をしたら、蒸し焼きにしつつ反対側も良く焼きます。
火が通ったら、お皿に取り出し、刻んだニンニンニクと塩魚汁、むりんと砂糖を鍋に入れて少し煮ます。
程よく煮詰まったら焼いたケッコー鳥肉に掛けたら完成です。
うん、美味しそうに出来ました。次にお肉を焼くことにします。
お肉を取り出し、軽く拭きとったら塩コショウを振りかけてから焼きます。
強火で1分、弱火にして2分を両面焼きます。
別の鍋で柔らかくするために使ったすりおろしリンゴーンと刻んだ丸ネギを入れ、ニンニンニク、塩魚汁、酒、酢、砂糖を入れて煮詰めます。
後はステーキに掛けたら出来上がりです。
丁度他の人も完成したみたいなので、まずはロザリーさんに試食して貰うことになりました。
どうやら美味しいと評価してくれたので一安心です。シャルティアさんは勿論のこと、彼のスープは当然ですよね!
そしたらお店で働かないかのお誘いを受けてしまいました。でもお断りさせて頂きました。
一通りの作業が終わったところで彼からが提案がありました。メニューを増やさないかって話です。
から揚げは分かりますが、フライトポテトとポテトチップってどんなのでしょう? 興味津々です。
……なるほど、シャガイモを使った料理なんですね。早速作ってみることになりました。
私が頼まれたのはシャガイモを薄く輪切りにして、水にさらしたら水分をふき取る作業です。
それほど難しい作業では無いため、あっという間に出来ました。
彼に渡すと、油で揚げてくれました。上がったシャガイモに塩を掛けたら完成です。本当に単純な料理みたいです。
早速実食することにしました。
パリッとした食感に塩味が後を引く美味しさです。これなら何枚でも食べられそうです。
だけど、彼が言った「太る」の一言で動きが止まりました。
「あ、悪魔の食べ物です。」
思わず声に出てしまいましたが、間違ってないと思います。
次にフライドポテトを作ります。こちらも形が違うだけで作り方は一緒みたいです。
出来上がりを早速食べてみることにしました。
「こっちはホクホクしていて美味しいです。」
だけど、やっぱり同じ作り方をしている関係上、こちらも食べ過ぎると太るそうです。やっぱり悪魔の食べ物です。
簡単に作れるものだからこそ気を付けないと駄目ですね。しっかりと心に留めておくことを誓うのでした。
最期のから揚げですが、こちらについては食べる前に了解を貰ってしまいました。
実際美味しいのは分かっているし、こっちも油を使いますからね。納得ですし、問題も無いでしょう。
こうして私達のメニューは決定したのでした。




