ジェニファー再び
祝50話!!
こんなに続くとは思わんかった(をぃ)
仕事を終えた俺は、冒険者ギルドへ戻ってきた
丁度ピーク時だったらしくギルド内は混雑していた
さっそく窓口に並ぼうとし…ん?
朝はナタリーさんの列が凄いことになっていたのに、今はガラガラだ
いつもの無口な清楚系なナタリーさんが黒いオーラを放って誰も近寄るなって雰囲気を出している、何が有ったのだろうか
今の並んでいる状態を比率で言うと、エミリーさんが4、赤髪ポニテが6、ナタリーさんが0だ
いやマジで何が有ったの?
視線を感じ、そちらを見るとナタリーさんだ
また見てる、じーっと見てる…って、またこのパターンか
黒いオーラが無くなったみたいだし、とりあえずナタリーさんの所へ行ってみることにする
「ナタリーさんこんばんは。
朝に依頼を違う窓口で受けたのですが、こちらで報告しても大丈夫でしょうか?」
コクコクと頷いているので大丈夫らしい
後ろで「勇者が」とか、「スゲー」とか聞こえるが、きっと気のせいだろう
「それでは、配達依頼が終了しましたので、手続きをお願いします」
「依頼者の完了サインと依頼達成条件に問題ないですね。
こちら報酬の銀貨1枚になります」
「はい、ありがとうございます」
「あの、えっと、ハル様は今朝違う窓口だったのですか?
もしかして失礼なことをしてしまったとか?」
「いえいえ、たまたまですよ。
今朝は、依頼の関係で急がないといけないと思いまして、エミリーさんの所が一番空いていたため、そちらで対応していただきました。
ナタリーさんの所は大人気だったものでして…」
朝の時を思い出したらしく、納得した顔をしていた
「それはご迷惑をお掛けしました。
規則とかで決まっている訳ではありませんが、担当が変わるとギルドとしても、多少ですが手続きに不都合が発生します。
出来るのならば、ハル様の担当として行わせて頂けないでしょうか?」
「そうだったんですね、ご迷惑を掛けてしまったみたいで、すいませんでした。
次は混んでてもナタリーさんの所で受付します。
宜しくお願いします」
「こちらの勝手な都合を押し付けてしまい、申し訳ありませんが、助かります。
こちらこそ宜しくお願いしますね。
私、ナタリーが対応させていただきました。
ありがとうございました」
そっかー知らなかったとは言え迷惑を掛けちゃったな、後で何か謝罪の品でも持っていこう
手続きが終わったので俺はギルドを後にした
何か後ろで「俺が先だ」とか騒がしい声が聞えたが、触らぬ神に祟りなしとも言うし、そのまま退散した
帰りの途中の露店でアクセサリーを売っているのを見つけたので寄ってみることにする
「いらっしゃい、ゆっくり見て行ってください」
ほほぉ~なかなかいいセンスの露店じゃないか
お、この花ってどこかで見たことあるな、
気品、かつ華麗な花のブローチって、清楚なナタリーさんに似合いそうじゃないか
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【カットレアのブローチ】
品質:B
効果:美肌上昇
ラン科のカットレアを模して作ったブローチ
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カットレアか、さっきのお詫びもあるし買って行こうかな
「おねーさん、これ頂戴」
「はい、銀貨3枚になります」
げげっ、高いな
今日の仕事の3日分だぞ?
んーナタリーさんには今日以外にも迷惑かけたり、お世話になってるし、感謝の印と考えればそんなに高くも無いな
俺は財布から銀貨3枚を取り出し支払った
「プレゼント用でしたら、こちらの小箱も如何ですか?銅貨1枚になりますが」
「この商売上手が!もってけドロボー!」
俺は銅貨1枚を支払った
「まいどありがとうございます~♪」
店員さんはニヤニヤしている
完全に店員さんの手のひらで転がされる俺であった
「またのご利用、お待ちしてます~」
さて、このまま帰るとジェニファーが居るんだったな…今夜の宿はどうするかな
ふと、朝のことを思い出した
朝飯旨かったな、ウザイけど
お昼も汗をかくことを知ってて、塩気の多いお弁当くれたし、ウザイけど
全部、俺の事を考えてくれているんだよな、ウザイけど
ホントウザイ、ウザイ、ウザイ~~~!!
八ッ!どうせ行くところなんか無いんだ、『薔薇の宿屋』が俺の行くとこだ、帰ろ、帰ろ
っと、その前に…
・・・・
「ただいまー」
「ハニーお帰りなさい。
ご飯にする?湯あみをする?それとも、わ・た・し?」
「…汗かいたから湯あみしてから、飯食うわ、マスターはいらん」
「マスターじゃなくて、ジェ・ニ・ファー!」
「はいはい」
「ハニー、昨日で宿屋の支払い終わっているけれど、また泊ってくれるの?」
「そのつもりだけど?また5日でお願いするわ」
「やったー、銀貨4枚になります」
財布から銀貨4枚取り出し、支払った
「じゃあ部屋行くわ…ほれ」
俺は手に持っていた袋をジェニファーに渡した
「は?、へ?、え?、あ、ありがとう」
俺はそのまま部屋に向かった、すると後ろから
「なにこれえぇぇ~~~!!」
キシシ、大成功だ!
部屋に戻り、湯あみを済ませ、綺麗な服に着替えた俺は、食堂へ行った
そこには怒ったジェニファーが居た
「乙女にこんなプレゼントするなんて、信じらんなーい」
ちなみに渡したのはドクロのアクセサリーだ
「誰が乙女だ、誰が。
だけど、似合ってるじゃねーか」
ジェニファーは文句を言っているが、きちんと付けていたのだった
「それじゃ、飯よろ~」
ジェニファーはぶつぶつ何か文句言っていたが夕食を取りにキッチンへ入って行った
こんな所はマスターとそっくりだ、まぁ中身がどうであれ、同一人物なんだなと思った
「ジェニファーお手製特別メニュー、愛情たっぷりディナーで~す☆」
もう何も言うまい…で今日のメニューは
冷奴、鮎の塩焼きと、おひたしに、水…え?水なのか?クンクンこの匂いは、もしかして日本酒か!?
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【大吟醸】
品質:A
効果:精神安定
シャボンニカ米を手間暇かけて発酵させて作られたお酒
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日本酒だ…マジで日本酒だ
夕食と言うか日本酒での晩酌には最高のつまみもある
あぁ、なんて今日は良い日なんだろう
「マスターありがとう」
「もーマスターじゃなくて、ジェ・ニ・ファー!でも、どういたしまして」
他のはどんな感じかな
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【豆腐】
品質:B
効果:HP回復+1
ダイツを茹でて絞った液体をにがりと合わせて作ったもの
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【あゆみの塩焼き】
品質:B
効果:HP回復+2
川魚の一種、塩を付けて焼いたもの
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【報連相のおひたし】
品質:C
効果:MP回復+2
報連相を茹でて絞ったもの
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「マスター塩魚汁ってある?」
「あるわよ、はい、どーぞ」
「サンキュー」
こいつを豆腐と、おひたしに掛ける
まずは豆腐から、ぱくり
うわっ、味が濃い!豆の甘さと塩魚汁の塩辛さが旨い
そして酒を一口、くぅ~~
次に塩焼きだ
行儀悪いかもしれないが、手で持って背中の部分をぱくり…最高~!!
そして酒をくぃ~っと、旨い!
口直しにおひたしを食べる、さっぱりしていて報連相の甘みと苦みが良い感じで旨い
それにしても報連相って…報告、連絡、相談でもするんだろうか?
まぁ、社会人にとっては必須のスキルではあるが、何に対して行うのかは疑問である
俺はおかずと酒を交互に料理を楽しむのだった
「ふぅ~旨かった。ごっそーさん」
「お粗末様でした。
それじゃ寝ましょ♪」
ジェニファーが俺の腕を組んで部屋に向か…わせるか~!!
バキャッ!
「ハニーのいけずぅ~!!シクシクシク」
あぶない、あぶない
まったく油断も隙も無い
少しでも心を許してしまった俺も悪かったけどな
なんとか無事に部屋に帰ることが出来た
「今日は何か色々あり過ぎて疲れた…
こんな時はさっさと寝るに限る!その前にステータス」
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名前:ハル
年齢:20
状態:普通
LV:2
HP:15/15
MP:30/30
STR:9
VIT:5
AGI:4
INT:17
DEX:22
LUK:3
スキル:投擲Lv2、言語理解、剣術Lv1、激おこぷんぷんLv3(new)、魔力操作Lv2、生活魔法Lv2、鑑定Lv3、隠密Lv1、解体Lv3、調合Lv2、索敵Lv1、直感Lv1(new)
称号:命100、ケモナーLv2、暗黒変態紳士、ロッテの弟子
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今朝のアレで直感が増えた、危険察知みたいなものだろう、役に立ちそうだ
それに比べて、激おこぷんぷんは簡単にレベルが上がり過ぎる、大丈夫なのか?
今は考えても仕方ないか、鑑定のスキル早く上がらないかな
明日はスキルのレベル上げにホーンラビットを狩ることにしよう
それじゃ、おやすみ~…ぐぅ
実はメインヒロインはジェニファー!?