依頼完了
飲み屋が終わる時間のため、遅い時間だったが、冒険者ギルドは24時間営業のため、報告に向かうことにした。
冒険者ギルドに向かう最中、シャルがウトウトとして足取りもフラフラだった。子供にこの時間まで働かせたのはマズかったな。
「シャル、おいで。」
俺はシャルをおんぶすると、シャルはすぐさま俺の背中で寝息を立てて眠ってしまった。どうやら限界だったらしい。
冒険者ギルドは直ぐ向かいだったために、あっという間に到着した。
流石にこの時間は人が殆ど居なかった。唯一、5人のPTが1組いるだけだ。
流石にカレンさんはもう上がったか。窓口には受付嬢が一人だけ居たので、そこに行ってみることにした。
「こんばんは。」
「こんばんは。こんな遅くまでお疲れ様です。
どの様な御用でしょうか?」
「依頼の報告です。」
俺は依頼票とみんなのギルドカードを提出した。
「はい、問題無いですね。では手続きをしてしまいます。」
受付嬢がカードを機械に入れて処理をしている。
「はい、冒険者カードをお返しします。それと、依頼料の銀貨6枚となります。」
俺は冒険者カードとお金を受け取った。
「確かに。」
「それでは、私エレンが承りました。
またのご利用をお待ちしております。」
依頼が完了したのでさっさと宿に帰ることにした。
・・・・
「こんばんは、お泊りでしょうか?」
宿に入ると、一人の男性が立っていて声を掛けてきた。
「えっと、依頼の関係で遅くなっただけで、部屋は取ってあります。」
「そうでしたが、スイマセンが確認のために、お名前と部屋番号を教えて貰えないでしょうか?」
「あ、ハルです。2階の203の2人部屋と206の4人部屋を借りています。」
「確認出来ました。こちらがカギとなります。
それと申し訳有りませんが、夕食については事前の申し込みが無かったため、お出しすることが出来無いのですが。」
「そのことについては大丈夫です。えっと。」
「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私はサンタナの弟のサンジェと申します。
夜間のみですが、受付をしております。宜しくお願いします。」
「そうすか。こちらこそ宜しくお願いしますね。」
鍵を受け取った俺達は一度4人部屋へ向かうことにした。
「疲れた~ お腹空いた~」
「ハル~ 飯~」
「ちょっと待って、シャルを寝かせちゃうから。」
俺は背中からシャルを降ろし、着替えさせた。湯あみは起こすのも可哀相なので、明日にすることにする。
シャルを寝かせた後は、アイテムボックスから、おにぎりとサンドウィッチ、から揚げを取り出した。
「好きなの食べて良いから。」
俺はサンドウィッチとから揚げを貰うことにした。
そう言えばこのから揚げにレイモンが付いてなかったな。もしかしてワザとだったのだろうか?
「うん、旨い!」
やっぱりマスターには敵わないな。さすがはプロだ。なんちゃって料理人の俺とは味が違うな。
ふと、テーブルを見るとおにぎりが3個、サンドウィッチも2個、から揚げは5個残っていた。
「あれ? 食べないの?」
「も、もうお腹いっぱいです。」
「わ、私も一杯~」
「満足なのじゃ。」
「はい、大丈夫です。」
みんなどちらか1つ食べて満足らしい。とは言ってもテーブルの上の残っている食料をジッと見ているのだが……何も言うまい。
下手に言うと藪蛇になりそうなので、残った食料はアイテムボックスへと収納することにした。
「あっ……」
誰かの声が聞えたが、聞かなかったことにした。
部屋割りは、俺、シャル、ナタリーさん、アイリさんが4人部屋で、ビアンカさんとティアさんが2人部屋に決定した。
「ハルよ、お休みなのじゃ。」
「ハル様、おやすみなさい。」
「「「おやすみなさい。」」」
2人が出て行ったので、各々湯あみを済ませ、寝ることにした。
「やった♪ ハル君の左隣~」
「負けてしまいました。」
どうやらシャルは不戦負となってしまったみたいだ。南無……
「ハ~ル君♪」
「ハルさん。」
アイリさんとナタリーさんが両側からギュッと抱きしめてきた。
両側からの柔らかいおっぱいに包まれながら、俺は目を瞑って眠ることにした。
おやすみなさい……ぐぅ…




