読書
とりあえず『ビッチ一世物語 第5章』を元に戻してから他の人を見てみると、みんな各々に調べものをしているみたいだ。
今日の目的の物は調べ終わったが、折角の機会だし俺も何か読んでみようかと思う。
本棚を順番に見ていると、興味深い本を見つけた。
『ネコミミ少女とギルド長の情事』
タイトルからして官能小説だと思う。何でこんな所に置いて有るんだろう?
それにしてもネコミミ少女ってのが素晴らしい。この作者とは良い酒が飲めそうだ。
だけど、獣人と人の恋って有り得ないんじゃ無かったっけ? もしかして作者は同郷だろうか?
いや、ギルド長が人間であるとは限らないか。
右を見る。左を見る。しめしめ、みんな自分の本を読むことに集中している。
俺は本を手に取りページをめくってみることにした。
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「うなぁ~!」
「にゃおん、にゃあ~にゃ~!」
「にゃにゃなぁ~うにゃあ~!」
「にゃにゃにゃん、にゃ~!」
「にゃ! にゃにゃん!」
「にゃ~!」
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パタン…
俺は見なかったことにした。
いくらケモナーな俺でも、コレで萌えることは難しかった。と言うか人間には早すぎた作品なのかもしれない。
でも、ネコの獣人さんだったら萌えるのだろうか? 謎は深まるばかりである。
とりあえずギルド長が同じネコの獣人だってことだけは分かったが、それが何って感じである。
何か今日は変な本ばかり見かけるな。もっとためになる本は無いのだろうか。
……おっ! こ、これは!?
『英雄語録』
英雄が残した有難い言葉でも記載されているのかな? それか英雄となり得る覚悟や戦闘方法とか、そんな話が書いて有るに違いない。
どれどれ……
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諸君、私はネコミミが好きだ。
諸君、私はネコミミが好きだ。
諸君、私はネコミミが大好きだ。
ネコミミメイドさんが好きだ。
ネコミミ巫女さんが好きだ。
ネコミミ制服が好きだ。
ピ〇クハ〇スの甘ロリを着たネコミミが好きだ。
大きなリボンを付けたネコミミが好きだ。
ツインテネコミミが好きだ。
ポニテネコミミが好きだ。
フサフサのネコミミが好きだ。
ゆらゆらと揺れるネコミミのシッポが好きだ。
ちっぱいなネコミミが大好きだ。
メイド喫茶で、学園で、イメクラで、電車で、公園で、細い裏道で、多機能トイレで
この場所で行われるありとあらゆるニャンニャン行為が大好きだ。
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パタン……
うん、間違いなく英雄は同郷だ。しかも俺の同類だ。だが、犯罪者っぽい感じがするのは気のせいだろうか……
とりあえず本を元に戻し……う~ん。
『賢者語録』
嫌な予感しかしないんですが、どうしたら良いでしょうか?
ちょ、ちょっとだけ見てみようかな……
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1.一人で出来る亀甲縛り
ポイント1、自分の(ぴー)に刺激を上手く伝えることが出来るかがキモであるため、細心の注意が必要で有る。
詳細に付いては第3章2節4項に記載しておく。
ポイント2、一人で作業する関係上、きつく縛り過ぎると抜けられなくなるため工夫が必要。
私が長年の研究で抜けにくいが解けやすい方法を見つけた。それについては第5章2節2項に記載しておく。
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パタン!
知ってはいけない闇を見た様な気がしたため、俺は見なかったことにした。
賢者とは一生酒が飲めそうにも無さそうだ。
幸いと言って良いのか分からないが、この2冊は日本語で書かれていた。おそらくこの世界の住人には読むことは出来無いだろう。
かくして英雄と賢者の威厳は守られたのだ。どーでもいいけどね。
何となく今日はもう本は読まない方が良い気がしてきたので、資料室を後にすることにした。
「そろそろ行こうか。」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
俺達は後片付けをして部屋を出るのだった。




