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今日のナタリーさん 118


朝食が終わりダンジョンへと向かいます。私を含め、アイリ、ビアンカさん、シャルティアさんも特にやる気満々です。

牽制と言えば聞こえは良いかもしれませんが、何時もより必要以上に体を動かして敵に攻撃を仕掛けます。

アイリとシャルティアさんも、魔力操作での攻撃では無く、自ら敵の死角へと移動しての魔法を使っています。

ビアンカさんは、タンク役と言う立場から、いつもと同じ動きでしたが、こればっかりは仕方が無いですよね。


やっぱり必要以上に体力を使うと疲れも違います。正直に言うとちょっと辛いです……が、ここで踏ん張れるかが今後の私の沽券に係るので妥協は出来ません。

ですが、さすがに私達の疲れを見かねた彼が休憩を提案してきてくれました。結構疲れが溜まってきていたので有難かったです。


しかし! そこで事件が発生しました!!

な、な、な、何とプリンです。黄色くてプルプルしていてとっても美味しそうです……って、今食べたら今日の努力が無駄になってしまいます。私達は泣く泣く諦めるのでした。

シャルちゃんは問題無いので食べています。いいなぁ……


私がプリンを食べないことに彼が疑問を持ったみたいで聞いてきました。

お願いです。この件についてはスルーして頂けると助かるのですが、駄目でしょうか?

そんな私の願いを他所にシャルちゃんが彼に報告をしようとしています。

勿論私達は一丸となってこれを阻止します!!


……阻止できたはずなのですが、何故か視線を感じたので周りを見渡したのですが誰も見ていませんでした。気のせいでしょうか?

と、とにかく朝食と運動の効果で少し戻ってきた感じがしましたので、後ひと踏ん張りです。頑張るぞ~!!


その後は、特に問題も無く地下8階まで到着することが出来ました。

まずは左下の空白部分から攻略していくみたいです。

結果からすると、シャルティアさんが予想したとおり、中心の階段を軸として回転させた感じの地図が出来たみたいでした。

と言うことは、左上と右下のマップも同様な形になるのでしょうか?

どちらから攻略していくのかを選ぶときに、彼が何かを言いかけていたのですが、何を言いかけたのでしょうか? 大したことで無いのなら良いのですが、あの焦っている顔を見てしまうと心配です。


ハイオークの戦闘後、ビアンカさんがこの階は問題無と言ったことを切っ掛けに、少しお話しすることにしました。

確かに私達のPTはこの階を十分な余裕を持って攻略していますが、本来であれば無謀と言われても仕方がないレベルだったりします。

そのことを伝えた後に、皆で意見を出し合い、無理をしない、無理と思ったら即座に撤退することを決めました。


通路の先に小部屋が有って、どうやら此処にこの階のボスが居るみたいです。

どんなボスなのかを確認したかったのですが、不思議な力が働いて確認することが出来ませんでした。

確認するためには部屋の中に入って扉を閉める必要が有るとのことです。


結局この階のボスについては、調べてから挑戦することになりました。先ほどの話し合ったとおり、無理をしないと決めたらです。

シャルちゃんが不満を漏らしていましたが、彼がキチンと説明して納得させていましたので、大丈夫そうです。

左上の空白部分も調べてから私達はダンジョンを後にしました。


ドロップアイテムを売りに行く際、彼があまりの多さに悩んでいると、アイリがアイテムボックスについて教えてしまった方が良いのでは? と、提案してきました。

確かに私達は運び屋を雇っていないため、多少なりとも不自然な所は有ったのは自覚しています。

アイリの言ってたとおりに、この件が問題にならなくなれば、楽になるのも間違い有りません。

守秘義務はギルドの規約にも有りますが、トルネラさんみたいな方は、経験上からも信用できる方だし、悪くない考えだと思います。

私は賛成し、そのことについて彼に説明をすることにしました。

彼も納得をして、教えることに決まりました。


冒険者ギルドに向かい、トルネラさんに説明を行い、無事に売却することが出来ました。これからは楽になりますので良かったです。

その後は、彼がロッテさんに手紙を書いて、配達依頼を出してから冒険者ギルドを後にしました。

宿屋に到着し、いつもの様に彼がケリーさんにちょっかいを掛けて、シャルちゃんが怒って、何時もの日常です。


ところが、此処で新たな事実が判明しました。

何とケリーさんは女の子だったのです!! もうビックリです!

ごめんなさい、私もケリーさんは男の子ばかりだと思ってました。反省です。


今日は夕食を作らなくて良いことになったので、そのまま食堂へと向かいます。

注文をする際、彼がすこしぎこちない態度を取っていました。気持ちは良く分ります。

そして、夕食が運ばれて来た時に、アイリがケリーさんの髪型をいじっていました。

あー、これは完全に何処からどう見ても女の子ですね。何で男の子っぽい恰好をしていたのでしょうかね?

彼がそれを褒めると、ケリーさんは貌を真っ赤にして逃げて行ってしまいました。これは!?


ちょっとしたハプニングも有りましたが、夕食を終え、明日の話し合いをします。

明日は冒険者ギルドにて地下8階のボスを調べることになりました。

その後は特に決まらなかったため、その時に考えることに。

そして、いよいよ本日最期の争奪戦です!! やりました! 今日は同じ部屋を勝ち取ることが出来ました。 隣で寝る権利は取れませんでしたが……


・・・・


彼が寝静まった後、私はこっそりと起き出し、朝のボタンを取り付けることにしました。

た、多分朝のアレは糸が劣化したことによることで切れてしまっただけだと思います。

とは言え、適当な糸を使うのではなく、頑丈な糸を使うのは長持ちする秘訣ですよね?


チクチクチク……


ボタンを付け終え、試しに履いてみることにします。

ほ、ほら! やっぱり糸が悪かったんですよ!!

決して今日一日食事やら運動で頑張った御蔭では有りません。糸が悪かっただけです。

何にせよ、これで安心して眠ることが出来ます。


私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。

おやすみなさい。


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