今日のナタリーさん 117
私はナタリー、冒険者である。
朝になり目が覚めました。今日も一日頑張りましょう。
「ナタリーさん、おはようございます。」
「おはようございます。」
ほぼ同時にシャルティアさんも目が覚めたみたいなので、朝の挨拶を交わします。
アイリは……相変わらずっぽいですね。ビアンカさんを起こしたら朝食作りに向かうとしましょう。
「ビアンカさん、朝ですよ。起きて下さい。」
「んん~、もう朝か、まだ眠いのじゃ。」
「もう少し寝てても良いですけれど、私達は朝食を作りに行きますから、ちゃんと起きて下さいね。」
「分かったのじゃ。」
まぁ、ビアンカさんなら大丈夫でしょう。さっさと着替えて向かうことにします。
「あれ?」
シャルティアさんが疑問の声を上げています。
「どうかしましたか?」
「い、いえ、何でも無いです。」
「そうですか?」
少し気になりますが、本人が問題無いと言うのですから、大丈夫なのでしょう。
私も服を着替え……ん? お、お腹周りがキツイ!? いえ、まだ慌てるのは早いです。もしかしたら洗濯した際に縮んでしまったのかもしれません。
ほ、ほらちゃんと入りました。ボタンもキチンと留まったし、問題無いです。
パツン…
「嫌ああぁぁぁぁ~~~!!」
ボタンが弾け飛んだ瞬間、私は思わず声を上げてしまいました。
「何じゃ!!」
「何何!? 何が有ったの!?」
「な、何でも無いです!」
私は急いで落ちたボタンを拾い、証拠を隠滅します。……が、しっかりとシャルティアさんには見られてました。
こっそり耳打ちされます。
「ナタリーさんもですか? 実は私もお腹周りがキツかったんです…」
そう言ってくれましたが、シャルティアさんは奴隷商に居た関係でやせ細っていましたが、それが元に戻っただけで太ったようには見えません。
それに比べて私は……あの時こっそり食べたアレが悪かったのでしょうか?
「目が覚めてしまったし、起きるとするかの。」
「そうだね~、私も起きようっと。」
2人も目が覚めてしまったみたいで、着替えるみたいです。ごめんなさい。
「なんじゃ!? ズボンが気持ちキツクなったってことは……もしかして成長したのか!?」
「またまた~、ビアンカは単に太っただけでしょ?」
「なんじゃと! そういうアイリだって腰回りが増えたんじゃないのかの?」
「ふふん、そんな訳無……嘘!? 嘘嘘嘘~!!」
もしかして昨日のこのターコのから揚げが原因だったのでしょうか? それとも美味しくて飲み過ぎたお酒でしょうか?
「ナタリー何とかしてぇ~!!」
「助けて欲しいのじゃ!」
「ナタリーさん。」
「えっと…ま、任せて下さい!!」
私自身のためにも!! もちろん言いませんけどね。
・・・・
「それで、今日は何を作るんですか?」
「そうですねぇ~」
確かマスターさんの教えで、女性のための朝食メニューでグラノーラを教えて貰いました。
それに食物繊維たっぷりのサラダと、肌をきれいにするための柑橘類。こちらはジュースにすれば良いですね。良し!!
「今日はグラノーラ、野菜サラダ、ohレンジジュースを作ろうと思います。」
「はい。」
「シャルティアさんは野菜サラダと、ohレンジジュースをお願いしても良いですか?」
「分かりました。」
じゃあ、私はグラノーラを作ろうと思います。
材料は、麦を蒸して押しつぶした後に乾燥した物と、乾燥ラリベリーとレズーン、なっつんとアイモンド、ハッチミツ、オルーブ油です。
まずは潰した麦にハッチミツとオルーブ油を加えながら混ぜ、その後にオーブンで少し焼きます。
オーブンから取り出したら、なっつんとアイモンドを砕いた物を加えて混ぜ、またオーブンで先ほどの倍の時間焼きます。
再びオーブンから取り出したら粗熱を取り、乾燥ラリベリーとレズーンを加えて混ぜ合わせたら完成です。
「シャルティアさん、そちらはどうでしょうか?」
「はい、出来てますよ。」
色取り取りの野菜がバランス良く野菜が盛り付けられており、ドレッシングも油を使わないヘルシーな物になっていました。さすがはシャルティアさんですね。
私の方も皿に盛り付け、食堂へ運ぶことにしました。
アイリとビアンカさんのお褒めを頂きありがとうございます。でも、育ち盛りのシャルちゃんにとっては足りないみたいで、物足りなそうにしています。
今日は本当にごめんなさい! きっとシャルちゃんも、大きくなったら分かってくれると思うの。だから許してね?
食事を食べている最中、ふと彼から不穏な考えをしているような雰囲気がしましたが……あれ? 気のせいだったのでしょうか?
先に食事が終わった彼とシャルちゃんは、一度席を離れるみたいです。もしかして私達に気を使って何かを食べに行ったのかもしれませんね。ホントごめんなさい!!




