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手紙


納品カウンターまで戻ってきて代金を受け取る。


「白金貨は金貨で支払うで良いんだな?」


「はい、それでお願いします。」


「ほらよ、確認してくれ。」


俺は代金を受け取り確認する。


「はい。大丈夫です。」


「これから一杯持ってくるんだろ? 計算が面倒で仕方ないが、ま、頑張れよ。」


「あははっ、宜しくです。」


無事に相談を終えた俺達は、お金の分配をすることにした。

今回は、金貨6枚、銀貨7枚、銅貨3枚だ。


「はい、今日の成果ね。」


「やったね♪」


「ほう? こりゃまた凄いの。」


「ハルさん、ありがとうございます。」


「ありがとう。」


「ありがとうございます。」


分配も終わったことだし、手紙を用意することにした。

手紙の紙はこの前買ったから、後は書くだけだ。


「ナタリー、手紙って依頼って形で出せるで良いんだよね?」


「はい。距離によって値段が変わりますが、出せますよ。」


「ちなみに、アルデの街までだと幾ら?」


「正確なことは調べてみないと分かりませんが、急ぎでしたら金貨10枚、そうでないなら5枚くらいでしょうか?」


「結構高いな。」


「そうかもしれませんが、距離を考えると仕方が無いのかもしれません。」


そりゃそうか、確か王都へ荷物を運ぶ依頼を受けた時も、2日の距離で金貨1枚だったからな。

ここからアルデの街まで約20日くらいと考えると金貨20枚!? まぁ、あの時は急ぎだったから倍だったとしても半分なら金貨10枚か。

あれ? そう言えば前にアルデの街までの荷物配達の依頼を見つけたな、確か金貨10枚だったような…


「ナタリー、急ぎじゃなくても金貨10枚じゃないの?」


「今回は手紙ですので、他の荷物と一緒に送る形になります。おそらくここらアルデの街まででは無く、王都までとかそんな感じに区切ると思います。

 その辺りの調整は、冒険者ギルドで行うので気にしなくても大丈夫ですよ。」


「なるほどね。」


大量に輸送すると安くなるのと一緒ってことか。

とりあえず費用については分かったので、手紙を書くことにした。


・・・・


「出来た。」


~~~~~~~~~~~~~~~~


拝啓


ロッテ師匠、お元気ですか? 俺は元気に頑張っています。

アルデの街を出て3ヵ月程が経ちましたが、今でもつい最近のことのように思えます。

師匠に教わったことを守り、沢山の冒険者の役に立てるようにポーション作りに励んでいます。

この前も、とある冒険者を助けることが出来たのも、師匠の教えの賜物です。


迷宮都市に到着し、シャルのお母さんを見つけ、助けることが出来ました。

残念なことに、シャルのお母さんも犯罪奴隷にされていましたが…

とりあえず今は奴隷解放に向けてお金を貯めている最中だったりします。


今回手紙を書いたのは、聖魔力水について新たに発見したからです。

何と、創造神以外の他の神様の加護を持って居る人でも聖魔力水が作れることが分かりました。

これで俺が居なくても聖魔力水を作れるのでは無いかと思います。

他にも、魔力を含んだ聖水に、加護持ちが魔力を注いでも、聖魔力水に変化するみたいです。


若返りの薬の原料はまだ見つけていませんが、いつか見つけて師匠の所に戻りたいと思います。

それまで体に気を付けて待っていてください。

それではまた。


              ハル

~~~~~~~~~~~~~~~~


「う~ん、変な文章だが、ビジネス文章にすると堅苦しいし、おちゃらけて書くと馬鹿っぽいし、こんなもんで良いか。」


俺は封筒に入れ、ご飯粒でのり付けする。この世界には糊が無いからな。手紙は蝋で固めるだけらしい。よく有る貴族のアレである。

俺はそんなたいそうな物は無いので、ご飯粒にしたんだが、大丈夫だよな?

とりあえず依頼を出すために、窓口へ並ぶことにした。

時間的に空いていたので、すぐに順番になった。


「次の方どうぞ~」


「カレンさん、こんばんは。」


「あら、久しぶりですね。こんばんは。

 今日は如何しましたか?」


「実はこの手紙をアルデの街のロッテ師匠の所まで届けて欲しいんです。」


「手紙の配達ですね。畏まりました。

 急ぎでしょうか? それとも時間が多少かかっても問題有りませんか?」


「時間が掛かっても問題有りません。」


「それでしたら依頼料は金貨4枚となります。手数料込みで金貨4枚と銀貨4枚になりますが、宜しいでしょうか?」


「はい。」


俺はお金を取り出して支払った。


「はい、確かに。ではロッテ師匠さんの家を教えてください。」


「えっと、どう説明すれば良いんでしょうか?」


言われてみて気が付いたが、この世界に住所って有るんだろうか?

有ったとしてもロッテ師匠の住所何か知らんぞ?


「あっ、だいたいの場所で構わないですよ? 大体の場所が分かれば向こうで対応して頂けますので。」


「なるほど、それで良いんですね。なら、場所は工業地区の……」


「はい。では、責任を持ってこの手紙は届けさせますね。」


「お願いします。」


「では、カレンが承りました。

またのご利用をお待ちしております。」


うし、手紙も出したことだし、帰るとするか。

俺達は冒険者ギルドを後にするのだった。


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