女性たちの悩み
朝食を食べ終えた俺達は、皆と合流してダンジョンへ向かうことにした。
「じゃあ行こうか。」
「は~い。」
「わかったのじゃ。」
「頑張る!」
「わかりました。」
「はい。」
何かシャル以外元気が無いな、大丈夫だろうか?
「みんな元気ないけど、もしかして調子が悪い? だったら今日は止めにするよ。」
「い、いえ、大丈夫です! ハルさん気を使って頂いてありがとうございます。」
「ハル様申し訳ありませんでした。」
「大丈夫なのじゃ。」
「ハル君、行くよ~」
「そ、そう? なら良いんだけど…」
とりあえず大丈夫だと言うことだし、とりあえずダンジョンへ行くことにした。
・・・・
「おりゃあ~!!」
「えい!」
「いくよ~!!」
「行きます1」
俺の心配を余所に、ダンジョンに入れば、みんないつも以上に頑張っているみたいだ。
アイリさんもティアさんも、今日は自ら魔法を飛ばすだけでなく、死角に移動してからの魔法を使っているし、ナタリーさんも鬼気迫る勢いで敵を叩いていた。
そのせいで、今日は俺とシャルの出番が少なかった。
とは言っても、前みたいな無茶な攻略では無くて、何となく体をより使っての攻略だったが、体力は大丈夫だろうか?
「「ぜぇぜぇぜぇ…」」
「「はぁはぁはぁ…」」
「だ、大丈夫か? 少し休む?」
「だ、大丈夫です。」
「こ、こんなの朝飯前じゃ!」
「へ、平気だよ~多分?」
「が、頑張ります。」
そうは言ってもだいぶ疲れているみたいだ。無理すると怪我をするだろうし、一度休憩にしよう。
「駄目だ、一度休憩にするぞ。」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
周りを用心しながら一度腰を下ろす。
そして、疲れた時なら甘い物だよな。俺はアイテムボックスよりプリンを取り出した。
「ほら、プリンだ。」
俺はプリンを配ろうとすると。
「「「「要らないです(のじゃ)!!」」」」
「わ~い♪」
シャル以外は拒否されてしまった。珍しいな。
それに比べてシャルは、嬉しそうにプリンを受け取って食べている。
「あれ? みんな食べないの?」
「きょ、今日は水で良いかな~」
「そ、そうじゃの。水で充分じゃ。」
「ええ、私達は水で充分です。」
「ですから、ハル様は気にせず食べて頂いて大丈夫ですよ。」
「そ、そう? 珍しいよね、どうしたの?」
「今日はそんな気分じゃ無いのじゃ。」
「そうそう、そんな気分じゃ無いんだよね~」
「たまにはそう言う日も有ります。」
「奴隷の私は、他の人の目もありますから、こういう贅沢をたまには自粛しないと駄目なんです。」
「奴隷何てことは気にしてないのに。」
その時クイクイと袖を引かれたので、そちらを見るとシャルがいた。
「どうした?」
「ハル様あのね、お母さん達が少し太っ…」
「わーわーわーわー!!!!」
「ハル君ほら!! あれ見て!!」
「ハルよ、魔物じゃ! 戦闘準備じゃ!!」
「シャル!! ほらお母さんの所に来なさい!!」
とりあえず女性陣の今日の行動の意味は理解することが出来た。
俺的には全く太ったとは思わないのだが、いや、(ピー)さんは少し……コホン、何でも無い。
これを口に出したら俺の人生はきっと終わるのだろう。シャルの言いかけた言葉は聞えなかったことにした。
「じゃ、じゃあ、そろそろ休憩も終わりにして先に進もうか。」
「「「「おー!!」」」」
「は~い。」
こうして再びダンジョンを攻略するために進むのだった。




