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朝食は


「とりゃ!」


ズガーン!


「うりゃ!」


ズドーン!


「こなくそ!」


ズバーン!


「くっ、勇者(笑)のくせに生意気だぞ!」


「だから勇者(笑)はやめろおおぉぉ~~!!」


俺は勇者(笑)を脱却するためにも、次々と飛び交うシッポを撃墜していく。


「はぁはぁはぁ…」


そして俺は何とか8つのシッポを撃墜に成功したのだ。


「なんだよ、私は怒ると怖いんだぞ! 本当だぞ!」


途中から気が付いたのだが、このキツネの妖怪はシッポを1本撃墜される毎に幼くなっていってないか? 今は小さな幼女になってしまっていた。なので、そんな幼女が粋がっても可愛いとしか思えない。


「勇者(笑)、かくご~!!」


両手を振り回して俺の胸をポカポカと叩きまくる。

何これ…全く痛くないし、物凄く可愛いんですけど、お持ち帰りしても良いですか?

とりあえず俺は子キツネのフサフサシッポを掴んで持ち上げてみた。


「や、やめろ~」


ガバッ!


「ふはははっ! 参ったか! ってあれ? 何だっけ?」


よく覚えてないのだが、ゲーセンで某対戦ゲームをしていた気がする。敵のνガ〇ダムに苦しめられたが、見事勝利を収めたような…

おはようございます。


意識がハッキリしてきたことが気が付いたことが有る。俺の手にはモフモフのシッポが握られており、その先にはぐったりとしながらジト目で見ているシャルと、濡れたシーツが…えっと?


「ハル様!」


「ごめんなさい! 寝ぼけてました!!」


「知らない!」


どうやら俺は寝ぼけてシャルのシッポをモフりまくっていたみたいだ。俺は必死に謝るのだった。

体を洗って着替えさせ、何とかシャルの機嫌を取ることが出来た俺は、朝食を取りに食堂へ降りることにした。


「みんなおはよう。」


「おはよう。」


「おはよ~」


「おはようなのじゃ。」


アイリさんと、ビアンカさんに挨拶を済ませ、席に着く。

ナタリーさんとティアさんは、居なかったので朝食作りかな?


「シャルちゃん。昨日のアレ起きてたでしょ~」


「し、知らない。」


「ほらほら~ 怒らないから白状しちゃいなよ~」


「ね、寝てたから知らない。」


{ふ~ん、そうなんだ。」


「そ、そう。」


シャルよ、そうは言っても目を見ないで横を向いてたら嘘だとバレるぞ? しかも目が泳いでいるし…

実際アイリさんはニヤニヤしながらシャルを見ているからバレバレみたいだがな。


「お待たせしました。」


そこにナタリーさんとティアさんが朝食を持ってやって来た。


「ご飯!」


シャルがご飯に集中することで、アイリさんからの追求から逃げたみたいだ。

さてと、今日の朝食はっと、グラノーラに野菜サラダ、ohレンジジュースだ。


「さすがナタリー、分かってるぅ~♪」


「うむ。当然じゃな。」


「物足りない。」


アイリさんと、ビアンカさんはこの朝食に満足みたいだが、シャルは物足りないみたいだ。

俺? 俺も物足りないけど、折角作ってくれた朝食に文句を言うつもりは無いぞ?

ただ何となくだが、この朝食については追及してはイケナイ気がする。足りない分はシャルと後で食べておけば良いだろう。


パクリ…うん、美味しいんだけど、やっぱり冒険者の飯では無いような気がする。確かグラノーラの効果は……ゾクッ!

何故だか知らないが寒気が走った。きっと思い出してはイケナイと俺の直感が伝えてきた気がする。

なのでこの件については忘れることにした。


ぱくぱく、もぐもぐ、ごくごく…


「ごっそーさん。」


食べ終えた俺は、すでに食べ終えていて、かつ物足りなそうにしているシャルを呼ぶことにした。


「シャル、ちょっとおいで。」


俺が外に向かって歩きながらそう言うと、シャルがトテテ~ってついて来た。


「ハル君何処行くの?」


「すぐ戻るから、気にしないで食べてて。」


「わかった~」


俺とシャルは、宿の裏庭にやってきた。


「ほら、足りなかっただろ?」


俺はサンドウィッチとから揚げを取り出して渡してあげた。


「ハル様、ありがとう!!」


案の定、シャルは大喜びでサンドウィッチを食べ始めた。成長期のシャルにとっては、やっぱり物足りなかったみたいだ。

俺も自分の分を取り出して一緒に食べるのだった。


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