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釣り勝負


ダンジョンは昨日の反省も有って、無茶な攻略をせずに協力し合って順調に進めたことで、アッサリと地下7階まで到着することが出来た。


「俺は釣り〇チ晴彦だ~、竿を握らしゃ日本一の~♪」


「ハルよ、それは何の歌じゃ?」


「あ、いや何となく?」


「ふ~ん。」


今から釣りをすることで、ついテンションが上がってしまって、思わず歌っちまったぜ。

さて、中央の島までやって来たので、竿と餌を取り出して全員に渡した。


「どうせなら誰が一番大物を釣れるか勝負しようか。」


折角なので釣りを楽しもうと思う。


「シャルちゃん、勝負だよ~!」


「ふふん、勝つのはシャル!」


「いやいや、勝つのはあたいじゃ!」


「頑張ります。」


「あらあら、うふふっ。」


みんなやる気になったみたいだ。


「ねーねー、ハル君。1番になったらご褒美欲しいな~」


「ご褒美かぁ、何が良い?」


「ケーキ!」


「酒じゃな。」


「プリン。」


「ハルさんの手作りなら何でも。」


「あ、油揚げが欲しいです。」


「よし分かった、1番には好きな食べ物な。」


「「「「「やった~(なのじゃ)!!」」」」」


こうして突然の釣り大会が開始することになった。

そーいや俺が勝ったらどうするんだろう? 自分で作るのか? まあ良いけどさ。


「ハル君、エサ付けて~」


「駄目、自分でやらないと勝負にならない。」


「え~!」


アイリさんがエサを付けてもらいたかったみたいだが、シャルにピシャリと言われてしまった。

でも、言われてみれば、勝負なんだし、そうかもしれない。

ナタリーさんとビアンカさんも付けて欲しそうだったが、シャルの言葉で諦めたみたいだ。

少し嫌そうな顔をしながらも、苦労してエサを付けていた。頑張れ。


「よし、俺も釣るとするか。」


エサを付けて、投げ入れるポイントを探す。

あの辺りに集団の反応が有るな、おそらくヨンマの群れだろう。そしてその周りに素早く動く反応が…こいつはマックロだろうか?

大物狙いならマックロだよな! 赤身、中トロ、大トロ、中落ち、ネギトロ、カマ、カブト、じゅるり…

よし、マックロ! 君に決めた!!


マックロを直接狙うよりは、まずはヨンマを釣って、それをエサにした方が良いだろう。

俺はヨンマと思われる集団へと竿を投げるのだった。


HIT!


早速竿に当たりがきたので釣り上げる。見事ヨンマを釣り上げることが出来た。

大きさは20cm程で、中々の大きさだ。一瞬塩焼きに大根すりとカボスが頭を過ったが、今日の俺は大物狙いだ。こいつをエサにしてマックロを狙うことにする。

俺は針が2個付いている仕掛けに変更する。鼻の部分と尻穴辺りに針を通してっと。よし!

後はヨンマの周りに居る反応目掛けて投げる!


俺のエサは、最初元気よく逃げ回っていたのだが、次第に動きが悪くなってきて、終いには反応が無くなってしまった。

どうやらヨンマはお亡くなりになったみたいだが、お亡くなりになったエサでもマックロは釣れるのだろうか?


クンッ!


「えっ?」


俺はエサをどうしようか悩んでいると、竿に反応が有った。

俺は考えを止め、意識を竿へと移した。反応からしてマックロでは無さそうだが…


クンッ! ぐいいぃぃぃ~~~!!


もう一度当たりが有ったと思ったら、結構な力で引っ張られたので、俺は急いで竿を引いた。

最初強い引きだと思ったのだが、今はそれほどでも無い、かと言ってバレて逃げられた感じもしないんだが、何が釣れたんだ?


ザパッ!


「…タコ?」


何と釣り上げたのはそれなりの大きさのタコだった。


----------------------------------

【このターコ】

品質:C

効果:なし

頭から直接足が生えている頭足類の一種。足は筋肉で骨は無く吸盤が有る。周りの景色に合わせて体の色を変化することが出来る。

----------------------------------


何かどこかのヤンキーが言ってそうな捨てゼリフっぽい名前だな。まあ良いか。

でも、このターコが地球のタコと同じなら、タコ焼き、タコ刺し、タコ飯、カルパッチョと色々と夢が広がるな。これは良い物を釣り上げたぞ。

とりあえずこのままだとアイテムボックスに入れられないので、眉間に槍を指して絞めておく。タコは血抜きをしなくて良いから楽だな。まぁ、下処理は面倒くさいんだけどな。

とりあえず死んだのが確認出来たので、アイテムボックスへと一度収納しておく。


「よし、次だ!」


今度こそマックロを釣るぞ~!!

俺は再びヨンマ釣りに励むのだった。


・・・・


さて、釣り大会の結果だが。


「くやしぃ~!」


「ま、負けたのじゃ。」


「ふふん。」


なんとシャルが100kg程のマックロを釣り上げて優勝したのだ。

よくもまぁ、自分の体重の数倍もある大物を釣り上げた物だ。正直ビックリである。


ちなみに結果は以下の通りだった。

ビアンカさん、ヨンマ3匹、シャバ1匹。

アイリさん、ヨンマ4匹、シャアケ1匹。

ナタリーさん、0匹。

ティアさん、ヨンマ6匹、シャバ2匹、シャアケ2匹。

シャル、ヨンマ5匹、シャバ3匹、マックロ1匹。


俺? 俺はこのターコが10匹ですが何か?

まぁ、マックロはシャルが釣ってくれたし、このターコも美味しいと思うから構わないけどな。


「よしよし、今日の夜はプリン出してあげるからな。」


「やった~」


俺は優勝したシャルを祝ってあげるのだった。


「残念です。」


「えーっと、どんまい?」


ナタリーさんが落ち込んでいた。

どうやらナタリーさんは、壊滅的に釣りの才能が無かったみたいだった。なむ…


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