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今日のナタリーさん 114


食事も終わった後は、地下8階を攻略することになりました。

当初の予定では地下7階でしたが、あまりにも地下7階の攻略が簡単だったため、降りてみることになりました。

階段を降りると4方向に延びる通路が見えました。


ここで、彼が何処に進むかを聞いてきました。

みなさん思い思いの方向を言って…いえ、みなさんワザとですね。そう言う私もそうですから。

案の定、シャルティアさんは彼任せにしています。選んだらその道に決まっちゃいますからね。

うふふふっ、困ってます。その困っている顔も可愛いです。

今回も私が言った方向は選ばれませんでした。残念です。


通路を進んだ先に扉が有り、中に反応が有るみたいです。

扉を開けると、その先にオークが3匹居ました。

その内の1匹は、他のオークに比べて一回り大きく、武器も持っています。アレは…いえ、考えるのは後ですね。


アイリとシャルティアさんの魔法がオークへと飛びます。

アイリの方は1撃で倒せたみたいですが、シャルティアさんの方は当たり所が悪かったらしく、まだ立っています。

大きなオークへは彼とビアンカさん、シャルちゃんが向かったので、このオークは私の担当です。

とは言っても、すでにかなりのダメージを負っていたので、私の一撃を避けることも無くあっさりと倒してしまいました。残り1匹です。

私が振り返った時には、シャルちゃんの一撃で大きなオークを倒すことが出来たみたいでした。


やっぱり大きなオークはハイオークでしたか。ハイオークは強い魔物のハズですが、今の私達で問題無く倒すことが出来ました。

本来であれば、もう少し高レベルの冒険者が狩る魔物だったと記憶していたのですが…何で倒せたんでしょうね?

その後もハイオークと戦闘を行いましたが、オークがちょっと強くなった程度にしか感じず、アッサリと倒していきました。

もしかすると、私達は思っている以上に強いのかもしれません。


新たに抜け道を発見し、私達は最初の階段の所まで戻ってきました。

彼が作成したマップを見ながら何か考えています。そして、右の通路へと向かい、壁を確認しています。

アイリも気になったのか彼に聞いてみると、どうやら抜け道が此処にも有ると思ったみたいでした。

確かに言われてみると有りそうな感じはしましたが、どうやら勘違いだったみたいです。


その時、シャルティアさんが質問してきました。

上下左右対称と言いますと、階段を中心に回転させるって感じでしょうか?

彼がその場所を確認すると、確かに抜け道を発見することが出来ました。

シャルティアさんも凄いです!


ふと彼が何かを物欲しそうにしています。何か有ったのでしょうか?

それを察知したのか、シャルティアさんが両手を広げて彼を誘います。

彼も導かれる様にその胸に抱かれ、シャルティアさんに頭を撫でられていました。彼も安心しきった幸せそうな顔で撫でられています。

それを見た私は、シャルティアさんが物凄く羨ましいと思いました。いいなぁ…


アイリがシャルティアさんの真似をしようとしてましたが、彼に軽くあしらわれてしまってます。私がやってもきっと同じ結果でしょうね。

胸の大きさだけなら勝ってるとは思うのですが、あの雰囲気は完全に負けてます。やっぱり子供を産むって偉大なんですね。はぁ…


その後はダンジョンを出て、冒険者ギルドまで戻ってきました。

戦利品を売却し、釣りエサを買ってから、売り上げを分配します。

計算上、彼の手取りが少なくなってしまいますが、彼はそんなことを気にせず私達へと配分してくれました。

たかが鉄貨1枚だとしても、その気持ちはとっても嬉しいです。そんなところも大好きです♪


宿屋に帰って来たので夕食作りをします。今日はハイオークの肉を使っての料理です。

ここで彼が料理を手伝ってくれることになりました。

今日の料理はトンカツになりました。トンカツと言う名前が、どういった意味なのかは分かりませんが、彼の説明でどの様な料理なのかは分かりました。

料理は私達に任せて、彼はソース作りをするそうです。どの様なソースなのか興味は有りましたが、私は私のできることを頑張りたいと思います。


「シャルティアさん、お肉を切って貰えますか?」


「はい。任せて下さい。」


私はその間にパンを削って粉にします。包丁の角を使って削ると良い感じです。

パンの粉が出来た所で、シャルティアさんも肉を切って柔らかくするところまで終わったみたいです。

塩コショウを振って、小麦粉を付けた後に溶き卵へと漬けます。その後に先ほどのパンの粉をしっかりとまぶします。


「揚げるのはお願いしても良いですか? 私はご飯を炊いちゃいます。」


「はい。」


お米を洗い、水を量って鍋に入れ、少し待ちます。その間にキャベスリーの千切りを作っちゃいましょう。

千切りが終わったら、お米の入った鍋を火にかけます。随分とご飯を炊くのも慣れてしまいました。

ふと、王都での出来事を思い出しました。何だかんだ言ってアレも良い思い出です。

あの体験が有ったからこそ、私はよりご飯を美味しく炊けるようになった気がします。ひょっとしたらご飯だけなら、マスターさんを超えたかもしれませんね。


ご飯が炊きあがり、シャルティアさんも揚げ終わったみたいです。後は彼が終わるだけですね……っと丁度終わったみたいです。

黒っぽい液体で、たまり醤油っぽい感じです。彼が味見をしていますが、少しだけ納得が行かない顔をしていました。

彼がこちらに気が付いたので、そのソースのことを聞いてみることにしました。

どうやらトンカツソースと言うみたいです。このトンカツに使うためのソースってことですね。え? 別にそれ専用では無いんですか。そうなんですね。


早速作った人の特権と言うことで、味見をしてみることになりました。

揚げたトンカツにトンカツソースを掛けて、皆で一切れずつ食べることにします。


パクリ…色々な野菜の味と香辛料の刺激、そして酸味がトンカツと合わさることで脂っこさが減って、後を引く美味しさです。確かに他の料理にも使えそうです。

十分に美味しいと思うのですが、彼は何に納得が行かなかったのでしょう?


その後はみんなでトンカツを頂きました。

あのカラシを付けた時のピリリとした辛さのアクセントはとっても美味しかったです。


食事も終わり、部屋割りの勝負でしたが、残念なことに私とアイリは負けてしまいました。

なので今日は、アイリと2人です。

湯あみを済ませ、明日のためにもベットに入り寝ることにしました。


「…ナタリー、起きてる?」


「どうしたの?」


「ティアのアレって、やっぱり母親にならないと無理なのかなぁ~」


「どうだろう?」


「私も子供産んだら、あんな感じになれるのかな?」


「う~ん、分からないってのが正直な感想かな。」


「ハル君、幸せそうな顔してたよね。」


「そうだね。」


あれは正直、私も羨ましいと思いました。母性か…


「あっ!」


「どうしたの?」


「今思い出したんだけど、ジェニファーも同じ雰囲気出してる時有ったよね?

 アイツって子供産めないじゃない! だったら私でも出せるんじゃないかな? かな?」


言われてみるとそんな雰囲気をだしている時が有りましたね。でも…


「ハルさんは、ご飯を食べてる時以外は、単に仲の良い友達、親友? みたいな感じしかしなかったと思ったけど?」


「そう言えばそうだったわ…」


「「はぁ…」」


私達はお互い溜息を付くのでした。私は私なりに彼に接して行こうと思う。

私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。

おやすみなさい。


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