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夕食は


食堂へ夕食を持って行く。


「ほら、出来たぞ~」


「待ってたよ~」


「お腹空いた。」


「待ちくたびれたのじゃ。」


俺は各々の前に出来立てのトンカツを並べて行った。


「ハル君、これって何かな?」


「トンカツだ。」


「へぇ~」


今思ったが、豚じゃないからオークカツになるのか? まあ細かいことだしトンカツで良いか。

さてと、折角の出来立てで熱々なのが冷めるのも勿体ないし、頂くことにしよう。


パクリ…旨っ! さっきの味見で分かってはいたが、やぱりフライ系にソースは最高だ。ご飯が進む進む~!!

だけど、ちょっと何かが足りない様な気が……あっ! そうだ、カラシだ!

ジェニファーの材料の中にカラシは入って無いかなぁ……おっ、有るじゃん! ラッキー!!

俺はアイテムボックスからカラシを取り出して皿に盛った。

トンカツに少しカラシを付けてっと、パクリ…うん! コレだよコレ!!


「ハルさん、それって何ですか?」


俺が旨そうに食べていたのを見て、ナタリーさんが聞いてきた。


「これ? カラシなんだけど、食べてみる?」


「はい、是非。」


俺が皿を出す。ナタリーさんが自分のトンカツに少し付けて食べた。


「ピリッっとしたこの辛さが美味しいですね。」


「だろ?」


「ハル様、シャルもシャルも!」


「えっ、シャルも? 辛いけれど大丈夫か?」


「大丈夫。」


「じゃあ、はい。あまりつけ過ぎるなよ。」


「うん!」


俺が皿を出すと、カラシを付けて…って俺達と同じくらい付けているが、大丈夫か?


「!?」


案の定、シャルはコップを手に取り中の水をゴクゴクと飲んでいた。どうやら辛かったらしい。


「辛かった…」


「シャルには早かったか。でも、辛さは残らないだろ?」


「うん。」


唐辛子だと、牛乳みたいなのじゃないと辛さが取れないが、カラシやワサビは入れた瞬間は辛いが、スッと抜けるからな。


「ハル君、私も欲しいな~」


「あたいも頼む。」


「ハル様、私もお願いします。」


折角なので、皆の皿に盛ってあげることにした。


「ホントだ美味しい~」


「この辛さは酒にも合いそうじゃ。」


「美味しいですね。」


大人の女性には好評だったみたいだ。


「ハル、お替りなのじゃ!」


「シャルも!」


「ハル君~」


「私も欲しいです。」


「ハル様、出来れば私も。」


「はいはい。」


みんな平均して2~3枚は食べたみたいだ。シャルとビアンカさんは5枚程食べていたのだが、よくもまぁあの小さい体に良く入るよな。

俺? 俺は何となく昔のことが引きずったので1枚だけだ。体が若返ったから胃もたれ何かしないとは思うのだが、何となく脂っこい物を大量に食べる気がしなかったのだ。


「ごっそーさん。」


そしてその後は、例の如く部屋割りのじゃんけん大会だ。


「勝ち!」


「勝ったのじゃ!」


「勝ちました。」


「負けた~!」


「私も負けました。」


今日の勝者はシャルとビアンカさん、ティアさんに決まったみたいだ。


「それじゃ、おやすみ~」


「「おやすみなさい。」」


ナタリーさんとアイリさんと別れた俺達は部屋へと戻ってきた。

各々湯あみを済ませ、ベットに横になる。

今日の並びは、ティアさん、俺、シャル、ビアンカさんの順だ。


えっと、ここは天国なのでしょうか?

ティアさんとシャルのシッポがダブルシッポが俺を包むようにしていて、こ、これはたまらん!

もしかして2人して俺を萌え殺すつもりなのでしょうか? 何て恐ろしい攻撃なんだ!!


……ふと気になったことが有ったので、ティアさんに聞いてみることにした。


「ティア、キツネの獣人って成長する又はレベルが上がると、シッポが増えることって有るのか?」


「いえ、シッポが増えると言う話を聞いたことは無いですね。」


「そうなんだ。」


そうだよな、妖怪じゃ無いんだし、増えないよな。


「ハル様はシッポが増えるって話を、どこかで聞いたことが有るのですか?」


「俺の居た所の噂話で、実際に居るかどうかは知らないけれど、キツネに妖力…まぁ、魔力みたいな物だが、それが宿ると妖狐になるんだ。

 そして、妖狐は妖力が増えると、シッポも増えて力が増すって話が有ったんだ。」


「そうなんですね、私も頑張れば増えるのでしょうか?」


「どうなんだろうね、予想だけど多分増えないんじゃないのかな?」


ティアさんはあくまでキツネの獣人で有って、キツネの妖怪では無いからな。


「残念です。」


ティアさんが残念がっていた。

正直シッポが増えたら邪魔になる気がするんだが、どうなんだろう?

でも、沢山のしっぱを布団にして寝ると言うのも悪くないし。う~む…


「さて。明日もダンジョンだし寝よう。」


「はい。」


俺はシッポに包まれながら幸せに眠るのだった。

おやすみなさい…ぐぅ…


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