ジェニファー召喚!
コンコン
…ん?朝か?誰かがドアを叩いている
コンコン
誰だ?俺は起きだして扉を開け…キュピィーン!
危険であると体が反応した、おそらく扉は開けてはいけないと直感が訴えているのだろう
もしかしたら暗殺者なのかもしれない、善人で菩薩のような人である俺だ、身に覚えは全く無いが、相手にとっては関係がないのであろう
部屋には鍵がかかっているハズである、本来であれば、鍵程度で完全に安心することは出来ないが、今だけはそれを信じなければならない
俺は扉からの死角になる位置で、寝たフリをしてやり過ごすことにした
どうやら扉の向こうの相手は諦めたらしく、ドアから離れて行った
ふぅ~助かった…何が助かったのだろうか?疑問が有ったが安心したのは確かだ
おそるおそるドアへ近づき、音を立てずにドアを開ける…誰も居ないな、ドアを閉めた
とりあえず何か有ってもすぐに動けるように着替えることにする
顔を洗い目を様ました俺は、この異常事態をマスターに相談するため食堂へ行くことにする
食堂に近づくと、と懐かしいにおいがした
こ、これは味噌汁の匂いか?
ダダダダ…俺は走った、すべてを忘れて走った、まさに光の速さの如く走りぬいた
「マスター飯だ、味噌汁だ!ハリーハリー!!」
「ハニー、おはよ~会いたかった♪
ジェニファー、ハニーのために一生懸命、朝ごはん作ったの、うふっ」
そこには真っ白な猫耳とシッポを付けた猫耳メイド服を着たスキンヘッドのキース…もといジェニファーが居た
いくらケモミミ好き~なケモナーLv2な俺だが、コイツは違う!それに全くもって嬉しくない!
怒りのゲージがMAXになった俺は、必殺激おこぷんぷんを発動させるのだった!
「ごるああああぁぁぁ~~~!!
貴様は、まずはケモミミに謝れ!そして全国のケモナー達に土下座しろ!話はそれからだああぁぁぁ~~~!!」
「いやん、ハニー何?激おこぷんぷんなの?ジェニファー意味わかんないし、悲しい…」
「だったら、その見苦しい頭としっぽの装備を外せ! すぐ外せ! 今すぐ外せ、そして死ね、今すぐ死ね!」
「もう、ハニーが好きだって聞いていたから付けたのにぃ~ぷんぷん」
文句を言いながらもジェニファーが猫耳としっぽを外した
まだまだ精神的ダメージは大きいが、まだ多少マシになったのでとりあえずは落ち着くことにする
それにしても、何処で俺のケモナー魂の情報を仕入れたのだろうか?誰にも言ってなかったハズなんだが…
「マスターもう良いよ、とりあえず飯食から出して」
「ハニー?マスターじゃなくて、ジェ・ニ・ファー!、もう一度言うねジェ・ニ・ファー!はい!」
「ジ、ジェ、ジェニファー」
「はい、良くできました♪いいこ、いいこ♪
じゃあ、ご褒美に朝ごはん用意するね、みゃは☆」
こいつ、殺してぇ~!!
それにしてもマスターはこの時の記憶持っているって言ってたよな、俺だったら間違いなく死にたくなる
ホント、良く生きてるよマスターは…ある意味勇者だな
「おまたせ~ジェニファー愛情た~っぷりの朝食セットで~す♪」
愛情はいらん、朝飯だけ寄越せ、そして朝飯置いたら去れ
だが、ジェニファーは前の席に着き、テーブルに両肘を付け、両手は頬に当ててニコニコしている…キモイ
「飯の邪魔だ、あっち行ってろ、シッシッ!」
「やぁ~だ、ここにいるのぉ~!
ジェニファーは、ハニーの美味しそうにご飯食べてる顔が見たいのぉ~!」
こいつ、ホントウゼェ!
もう知らん、なのでジェニファーを視界に入れないようにして飯に集中することにする
今日の朝食は、ご飯に鮭の切り身、海苔と味噌汁だ
すげえええぇぇぇ~~!!何これ~!!これぞTHE・WA・SYO・KUってやつじゃん!!
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【シャアケの切り身】
品質:A
効果:体力回復+5
海で捕れる魚、稚魚の時は川、大人になると海へ行き、産卵になると川に戻ってくる
身のピンク色は実はプランクトンの色である
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【海苔】
品質:B
効果:魔力回復+1
海で捕れる海産物、岩場で捕れる、集めて乾燥させて作る
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【豆腐とワガメの味噌汁】
品質:A
効果:体力回復+5
ダイツから作られる豆腐と、海産物のワガメ、アボシから取った出汁、東方の調味料の味噌を使って作ったスープである
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すげー海苔でも品質Bなのも凄いが、だがそれ以外は全部品質Aかよ
それにしても海の物が多いな、ここって内陸だから海の物って手に入りにくいんじゃなかったかな?
ジェニファーがわざわざ用意してくれたのだろうか…
とにかく品質も効果も高いし旨そうだ
あーだめだ久々の和食によだれが止まらん、食うぞ~!!
まずは味噌汁を一口すすって、ご飯を掻き込む!
この下品な食べ方が旨いんだよ
そして鮭を口にほおり、即座にご飯を食べる!
次に海苔をご飯に巻いて食べる!
あー駄目だ、箸が止まらん!旨過ぎるうぅぅぅ~~~!!
気が付けば、俺は涙を流しながら食べていた
「ハニー美味しい?」
「あぁ、最高だ!」
「そっ、よかった」
ジェニファーが俺のために作ってくれたのが良く分かった、こいつが美少女だったら結婚を申し込むところだ
だが、相手はマスターで、ジェニファーだ、絶対にあり得ない
そんなこんなで朝食を食べ終えた
「ごちそうさまでした」
俺は美味しいものを食べたら、きちんと感謝が出来る男である
「お粗末様でした」
「悔しいが、美味しかったよ」
「うふふふっ」
新婚みたいなセリフだが、相手はジェニファーだ、もう一度言うジェニファーだ、勘違いしないように
「んじゃギルドでも行って依頼でも探してみるか」
席を立ち、外へ出ようとしたらジェニファーが声を掛けてきた
「はい、お弁当♪」
「お、良いのか?」
「もちろん、そして、行ってらっしゃいのチュ~~~~ウギャア!」
反射的に殴った俺は悪くないと思う
それにしてもジェニファーは女子力が高すぎるな、ウザイけど
俺はギルドへ向かって出発することにした
ジェニファーは生まれが違かったならば、きっといい嫁さんになったと思う、ウザイけどw




