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地下8階 2


扉を開けると、直ぐ先にまた扉が有った。

用心しながら扉へと向かうと、また扉の先に反応が有った。


「この先にも居るみたいだ。行くぞ!」


扉を開けると、最初の部屋と同様の広さの部屋が有って、やはりオークが3匹、内1匹が武器持ちだった。

先ほどと同様にアイリさんとティアさんの魔法で2匹のオークを倒し、ハイオークを残りのメンバーで倒すことにした。

ビアンカさんが防いだところに、気合を入れて突きを繰り出す!


ズバン!


俺の突きは、オークの筋肉も貫ぬいて思いっきり刺さった!


「ブモオオオォォォ……」


何と俺の1撃でハイオークを倒してしまった。

どうやら上手い具合にクリティカルヒットが発生したみたいだ。


「ハルさん、凄いです!!」


ナタリーさんがキラキラとした尊敬した目でこちらを見ているが、マグレだとは言いにくい(汗)

だけど、ビアンカさんが思案顔をしていた。


「どうしたんだ?」


「いやなに、もしかして鍛錬時の例の一撃がコレかなと思っただけじゃ。」


「あー」


言われてみれば似ているかもしれない。


「何々? 何が有ったの~?」


アイリさんが興味津々で聞いてきた。


「ハルと鍛錬してる時のことなのじゃが、たまに防御を無視する様な攻撃が有ったのでな、気にはなっていたんじゃ。」


「へぇ~、ハル君って何かスキルでも手に入れたのかな? かな?」


「特にそういったスキルは持ってないぞ。ただ槍術は持ってないのだが、代わりに竹槍術ってスキルは持っているけどな。」


「竹槍術? 何それ?」


「さあ? 多分竹を槍にして攻撃する時のスキルだとは思うんだけど、使ってないしなぁ…」


「ハル様、その竹ってパンダの獣人が主食としている笹の生えている竹でしょうか?」


「えっ? この世界に竹って有ったんだ。」


「はい。」


それはそうと、パンダの獣人か…どんな感じなのだろう?

おかっぱ頭の白い髪に、黒くて丸い可愛いお耳がちょこんと乗ってて、お尻にも黒くて丸いシッポが生えている感じなのだろうか?

それにパンダって言うくらいだ、きっと愛くるしい獣人に違いない。


「あの、ハル様。」


「なに?」


「多分、ハル様が想像している感じでは無いと思いますよ?」


「な、何のことかな?」


「パンダの獣人は、熊の獣人の親戚らしく、子供の頃はコロコロとして可愛いのですが、大人になると、男女ともに体が大きくて筋肉質なので、ハル様のご希望に添えるかどうか…」


「そ、そうなんだ。」


えっと、よく異世界に有りがちな熊の獣人なのだろうか。体が大きいいだけならまだしも、ひょっとするとケモナーレベルで4~5とかだったり!?

いや、この世界に来てから獣人達は、ケモナーレベル1しか見たことが無いから、その線は無いだろう。単純に体が大きいだけであるが正解と見た。

そうなるとボディービルダーみたいな感じなのだろうか? あまりゴリマッチョな感じは好きじゃ無いんだけどなぁ…


そんなことを考えていたら、袖口を引っ張られる感覚が有り気が付いた。

引っ張られた袖口を見ると、そこを握っていたのはシャルだった。

シャルは涙目で、悲しそうな顔をしながら俺を見ていた。


「シャル、どうした?」


「ハル様、シャルは要らない子?」


その言葉を聞いた俺は、雷が落ちた様なショックを受けた。

俺は何てことをしてしまったんだ!! こんなにも可愛いシャルを不安にさせてしまうなんて……馬鹿馬鹿馬鹿、俺の馬鹿~~!!


「すまん!!」


俺はシャルの不安を拭うためにも、シッポをモフりまくるのだった。


「あふっ、は、ハル様! 分かったから、大丈夫だから、これ以上は!!」


スパーン!!


「……はっ、俺は何を?」


「いい加減にせんか!!」


どうやら俺は、ビアンカさんに頭を叩かれたみたいだ。

シャルを見ると、顔を真っ赤にして息を荒げていた。どうやらやり過ぎたみたいだ。


「ハル君?」


「ハルさん?」


「あらあら、うふふっ。」


「ごめんなさい!!」


何とも言えないジト目達にさらされた俺は、必死に謝るのだった。


「さ、さあ次に行くぞ~!!」


「誤魔化したの。」


「誤魔化したね~」


「誤魔化しましたね。」


「あらあら、うふふっ。」


シャルはモジモジしていたが、こっそりと近づき、耳元で囁いた。


「ハル様、帰ってからね。」


そう言ってからトテテと離れて行った。

何この子、ヤバくね? シッポをモフっても良いですか? って駄目じゃん!

危ない危ない、また同じことを繰り返す所だった。

俺は意識をしっかりと持ち、攻略を続けることにした。


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