調子に乗りました
地下6階も何の問題も無く、このまま快進撃が続くと思われたのだが……ここで問題が発生した!
「ハル君、魔力が無くなった~!」
「あ、私も有りません。」
アイリさんとティアさんが、どうやら調子に乗ったせいで、魔力が無くなったみたいだ。
そりゃあ、あれほど魔法を連発すりゃねぇ…
「お主ら、死にたいのか?」
ビアンカさんは、そんな2人を激おことまでは言わないが、それなりに怒っていた。
「「ご、ごめんなさい!」」
当然2人もそれが分かっていたので、小さく縮こまって反省していた。
「まぁまぁ、2人とも新しい魔法を使いたかったんだろうし、今の時点で分かっただけ良かったじゃん。
次から気を付けてくれれば良いよ。ほら、これ飲んで回復してくれ。」
俺は聖魔力水を2人に2本づつ渡した。
「ハル君、愛してる~♪」
「ご迷惑をお掛けしました。」
「ハルは甘いのじゃ!」
ビアンカさんはまだ少しだけ怒っていた。
「ほれ、ビアンカ。」
エールを1杯だけコップに入れて、冷やしてから渡してあげた。
「うっ……ま、まぁ、許してやらんこともないかの。」
そう言ってゴクゴクとエールを飲み干した。
「くぅ~最高なのじゃ!」
半分誤魔化した感も無くも無いが、ダンジョン内で仲間同士が喧嘩ってのもちょっとアレだし、機嫌が直って良かったよ。
ダンジョン攻略中に酒ってのも迷ったが、ビアンカさんなら1杯程度なら問題無いだろう。
「折角だし、少し休憩にしようか。」
丁度通路の角なので見通しも良いしな。
俺はコップに魔力水を入れて、シャルとナタリーさんに渡してあげた。
「ありがとうございます。」
「ありがとう。」
「シャル、プリン食うか?」
「食べる!」
俺はプリンをシャルに渡してあげた。シャルはご機嫌になって美味しそうに食べている。
「ほら、ナタリーもどうぞ。」
「良いんですか?」
「もちろん。」
「ありがとうございます。」
ナタリーさんも嬉しそうにプリンを受け取り、食べ始めた。
「ハル君、私も~!」
「アイリは反省。」
「えぇ~!! そんなぁ~!!」
アイリさんは少し涙目だ。イジメすぎたかな?
「冗談だよ、ほら。」
「わ~い!」
「ティアも。」
「ありがとうございます。」
アイリさんはすっかり元通りの元気になった。
「ホント、ハルは甘いのじゃ。」
「ビアンカもどうぞ。」
「うむ、食べるのじゃ。」
ブツブツ文句(?)を言っていたが、プリンを渡したら喜んでいた。
さて、俺も周りに注意しながらだけど、少し休むとするか。
・・・・
「そろそろ行こうか。」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
十分に休憩を取った俺達は、再びダンジョンを進むことにした。
「ビアンカ!」
「任せるのじゃ!」
ビアンカさんが中央のオークの攻撃を防ぐ。
「炎の矢!」
「ウォーターボール!」
残り2匹へと牽制の魔法が飛び、オークの顔面へと命中!
そこに俺と、ナタリーさんの攻撃が炸裂する!
「ブモー!」
俺の攻撃はオークの首元に刺さり、倒すことが出来た。
ナタリーさんの攻撃はオークの右膝へと当たり、変な方向に曲がっていた。あれはもう歩けないな。
シャルは、ビアンカさんが防いだオークを背後から斬りかかり、そちらに意識を奪われた所で、ビアンカさんの攻撃で倒すことが出来た。
残ったオークは、みんなでタコ殴りにして倒すことが出来た。
こんな感じに、その後はPTとして連携をして、無駄な魔法を使うこと無く、狩って行くのだった。




