今日のナタリーさん 10
私はナタリー
冒険者ギルドの受付嬢である
今日もお仕事を頑張ろう
朝のピークが終わり一息ついたところでリリアが声を掛けてきた
「もしもーし、ナタリー大丈夫…っぽいね」
「?」
「なんでもない、なんでもないから気にしないで」
「そう?」
「昨日は、本~当~にごめん!」
「昨日、何か有った?」
「いやさ、先に帰っちゃったこととか」
「ううん、大丈夫だから」
「なら、よかった、さあ、お仕事お仕事っと」
リリアは何が言いたかったのだろうか?謎です
その後も普通に仕事をこなす
夕刻になり彼がやってきた
昨日言っていた予定通りに解体の練習をしてきたみたいだ
見た感じ十分に処理をされているので、買取に問題はなかった
薬草も問題が無かったので処理を行った
彼はいつも事前に調べ、丁寧に納品を扱ってくれるので、対応するこちらとしても大助かりです
みんながみんなこんな風だったら良いのになと思った
そうそう、忘れるところだった
彼には休む際に連絡を入れるようにお願いした
別にギルドでは報告する義務は無いのだが、担当として冒険者の安全は把握しておかないといけない
これは仕事なのであって、個人的な理由ではない
最後に明日も来てくれますようにと、願いを込めて挨拶をしてみた、この願いが届きますように
窓口を離れた彼はクリストさんと何か話しているみたいだ
会話は聞えないからどんな内容を話しているのかは不明だが、こちらをたまに見て話しているので気になった
他の冒険者にも声を掛けているのも見えた、何をしているのだろうか
最後に何か恐れる感じで頷いていた、何を言われたのだろうか
クリストさんが相手だし、大丈夫だとは思うが…
話を終えた彼はギルドを出て行った
さきほどの願いが叶いますように
私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日も頑張ろう
知らないってことは幸せなのかもしれない