お風呂
宿屋まで帰ってきて中にに入ろうとしたところで、ビアンカさんが話しかけてきた。
「ハルよ、お風呂に入りたいのじゃが。」
確かに沢山鍛錬をしたからな、俺もビアンカさんも汗だくだ。
なので、お風呂に入ってスッキリするのも良いかもしれない。
「よし、準備するか。」
一度部屋に戻って装備を外し、着替えを持って裏庭へと向かった。
樽を取り出すと、前回アイリさんと入った時のお湯が入れっぱなしだったので、お湯を捨てて軽く洗う。
綺麗になった樽を設置し、お湯を入れた。今回は外で溢れても問題無いので、8割ほどのお湯量だ。
お湯を張ったら、小屋を設置して準備完了だ。
「ハルぅ…一緒に入りたいのじゃ。」
「お、おう。」
モジモジと恥ずかしそうに言うビアンカさんは、相変わらずのギャップ萌えだ。
服を脱ぎ、掛け湯で軽く汚れを落としてから風呂へと入る。
ザバァ~
お湯が溢れるが気にしない~
「し、失礼するのじゃ…」
ビアンカさんも掛け湯をしてから入ってきた。
今回は何故か向き合う形だ。もちろん膝を合わせてなんて入り方は出来ないので、俺に跨る形で座っている。
簡単に言うと、対面座位と呼ばれる物だ。
「ちょ、ビアンカ!?」
ビアンカは何も答えずに恥かしそうにしながら、俺に密着してきた。
俺の胸にビアンカさんのおっぱいの感触と、(ピー)に(ピー)の感触ががが…
「ん。」
そこに止めのビアンカさんからの情熱的なキスが…もう辛抱堪らん!!
・・・・
「えがったぁ~!!」
俺は今お風呂が終わってベットでビアンカさんと一緒に横たわっている。
お風呂はお風呂で良かったが、もう少しでのぼせるところだった。もちろん事後だ。
「すぅ~、すぅ~」
ビアンカさんは疲れたのかグッスリと眠っている。
コンコン…
その時扉をノックする音が聞えた。
「ハルさん居ますか?」
ナタリーさんの声だったので扉を開けることにした。
ガチャ。
「ハルさん、明日のことで…あっ、寝ちゃってたんですね。」
「今日、ビアンカと1日中鍛錬してたからな、疲れたんだろう。」
「…鍛錬だけじゃないですよね?」
ナタリーさんのジト目だ。はぁはぁ…堪らん。じゃなくて!
「な、何のことかな?(汗)」
「別にそのことに対して怒ってる訳じゃ無いですよ? 隠そうとするから怒るんです!」
「す、すいませ~ん!!」
ナタリーさんから、とてつもないプレッシャーを感じた。これは素直に謝ることにした。
「もう…えぃ!」
ナタリーさんが顔を近づけて来たと思ったら、キスをされてしまった。
「これで許してあげます♪」
「お、おう。」
いや、これは許す許さない以前に、ご褒美にしかならないのでは?
まぁ、ナタリーさんがそれで良いのなら良いんだけどさ。
「みなさん、食堂に居ますが、どうしますか?」
「あぁ、それじゃ俺も行くよ。ビアンカは疲れてるからこのまま寝かせるが、構わないよね?」
「はい、大丈夫です。」
俺はビアンカさんを起こさない様に静かに扉を閉めて、食堂へ向かうことにした。
「あ、ハル君だ~」
「ハル様。」
「ハル様、お疲れの所すいません。」
「ごめん、遅くなった。」
とりあえず空いている席に座ることにした。
「ビアンカは~?」
「疲れちゃって寝てるよ。」
「ハル君、ビアンカに無理させてないでしょ~ね?」
「してないしてない! ちょっとはしたけど、昼間の鍛錬で疲れているだけだって、多分…」
「ちょっとはしたんだ~…って、鍛錬?」
「ああ、今日は冒険者ギルドの鍛錬場で、ビアンカと一緒に模擬戦してたんだ。」
「へぇ~」
「シャルも行きたかった。」
「また今度な。」
「うん。」
獣人の血のせいだろうか? どんどんシャルが、戦闘狂になっている気がしなくも無いんだが…
「他には何をしてたの?」
「後は帰ってきて、汗を流すために風呂に入っただけかな。」
「「「あ~!」」」
いや、そこで納得しないで? つーかバレバレなのかよ…
「そ、それより、みんなは何をしてきたの?」
「今日はみんなでお昼まで狩りに行って、その後は食べ歩きしたんだよ~」
「美味しかった。」
「今度はハル様と行きたいです。」
「あ、ハルさん、私も行きたいです!」
「じゃあ、今度はみんなで行こうよ、連れてってな。」
「「「「は~い。」」」」
とりあえずお腹も空いたし夕食でも頼もうかな。
「ケリー、夕食貰える?」
「はい、直ぐにお持ちします!」
相変わらず忙しく働いているな、感心するよな。
「さて、夕食が来るまでに明日の話でもしておくか。
長いこと休んじゃったけど、明日はダンジョンに行くか?」
「行く!」
「行くよ~」
「頑張ります。」
「ハル様に良い所をお見せしますね。」
みんな行くことに賛成みたいだ。ビアンカさんも多分大丈夫だろう。
「じゃあ明日はダンジョンってことで。」
「やった!」
「「「は~い。」」」
「お待たせしました。夕食をお持ちしました。」
相変わらずバッチリのタイミングで夕食が運ばれてきた。さすがだ!
「ケリー、ありがとうな。」
俺はお金を支払って、お礼を言った。
「はい! それではごゆっくりどうぞ。」
早速夕食を頂くことにする。
今日の夕食は、パンにステーキ、野菜サラダだ。
俺が夕食を食べていると、ナタリーさんが声を掛けてきた。
「ハルさん、明日地下7階まで行くんですか?」
「そのつもりだけど、どうしたの?」
「昨日、冒険者ギルドで依頼表を見た時に知ったのですが、地下7階の魚って、薬草と同じく常時依頼が出されているみたいなんですよ。」
「へぇ~」
「ハル君、釣ったら売るの?」
「そうだなぁ~、どちらかと言うと、食べる方が良いかなって思うんだけど、みんなはどう? やっぱりギルドポイントの方が良い?」
「ハル君、ハル君、お魚で何か作ってくれるの? だったら食べる方が良いかな~」
「私も食べる方で良いですね。」
「私達はハル様に合わせます。」
シャルもウンウンと頷いている。
シャル達はポイント付かないから仕方が無いと言えば、そうなのだが、やっぱりそういう理由とかも考えると、奴隷から解放したいんだよね。
これについては、もう少し真剣に考えることにしよう。
「とりあえず釣ってから考えようか。」
「「「「は~い。」」」」
食事も終わり、部屋に戻るのだが…
「じゃあ、部屋割り決めるよ~」
激しい激闘の結果、シャルとビアンカ、後は4人部屋と決まったのだった。
「残念。」
シャルは悔しそうだが、こればっかりは諦めてくれ。
部屋に戻り、風呂は済ませたので、疲れてたのも有り、先に寝かせて貰うことにした。
「ごめん、疲れてるから寝るね。おやすみ~」
「「「おやすみなさい。」」」
俺は横になると、アッサリと意識を失うのだった。




