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今日のナタリーさん 104


「ねぇ、これからどうする?」


「ダンジョン行きたい。」


「あ、私も行ってみたいです。」


折角新しい武器を調達したので、使い勝手とかも確認したいですしね。


「構わないが、この前のことを考えるとの。」


ビアンカさんは少し迷っているみたいです。

あんなことが有ったし、やっぱり彼が居ないと行きたくないのかもしれませんね。

私も実際そう思いますしね。


「だったら外行こうか?」


「そうじゃな、それなら構わないのじゃ。」


「外。」


「決まりですね。」


こうして私達は外に行くことが決まったのでした。

街の外へ出て草原までやってきました。


「んん~!! 久しぶりに広い所に来るのは気分が良いね~」


「最近ダンジョンとかの狭い場所ばかりでしたからね。」


「じゃの。」


「シャルはこの前も来た。」


「じゃあ、シャルちゃん案内宜しく~」


「任せて。」


シャルちゃんが胸を張って歩き出し…いえ、立ち止りました。どうしたのでしょうか。


「薬草採取しかしてない。」


そう言って項垂れてしまいました。あらら。


「仕方ないの、適当にうろついて探すのしかないの。」


「ビアンカ、宜しく~」


何か行先が不安な気がしなくも無いですが、とりあえず狩りをすることにしました。

少し草原を歩くと、


「居たのじゃ!」


ビアンカさんの注意する声と同時に、ホーンラビットが突っ込んで来ました。


ガイン!


ビアンカさんが盾で受け止めたことで、ホーンラビットの足が止まったので攻撃をしかけます。


ボスッ!


私の攻撃は、ホーンラビットの少し前の地面へとめり込みました。

うぅ、慣れない武器のせいか、距離感が上手く掴めません。

それを見たホーンラビットがこちらを向き、飛び掛かります。


スパーン!


ホーンラビットが飛び上がった瞬間、首と胴が離れ離れに。

どうやらシャルちゃんの新しい武器による攻撃でした。


「良い感じ。」


シャルちゃんが新しい武器の具合に満足しています。

それに比べて私は…


「何を落ち込んでるのじゃか、その武器は凄いのじゃぞ?」


「そうでしょうか。」


「ほれ、さっき当てた地面を見てみるのじゃ。」


ビアンカさんに言われたので、地面を見てみると、かなり深くまでめり込んでいました。


「慣れるまでは大変かもしれんが、当てることが出来たら結構なダメージを与えることが出来るのじゃ。」


「そうみたいですね。頑張ります!」


「それにしても、あたいの索敵だと、見つかると同時に襲われしまうのじゃ。」


「それは仕方ないんじゃないかな?」


「そうですよ、それに不意打ちを防げるだけでも十分有難いですよ。」


「なら頑張るとするかの。」


私達は再びホーンラビットを探すことにしました。

森の近くまで来た所で、ゴブリン3匹が森から出てきました。


「ゴブリンか、ほら来るのじゃ!!」


ビアンカさんが前に出て盾を構えます。

ゴブリン2匹は真っすぐアイリに向かい、もう1匹は私とアイリを見比べて少し迷ったみたいですが、アイリへと向かって行きました。


「(゜∀゜)o彡゜ギャッギャ! ギャッギャ!」

「(゜∀゜)o彡゜ギャッギャ! ギャッギャ!」

「(゜∀゜)o彡゜ギャッギャ! ギャッギャ!」


「何故こっちに来ないのじゃ!」


そうなのです。以前は私の方へやってきていたゴブリンでしたが、今はアイリへと向かって行きます。

と言うことは、私が強くなった御蔭で、ゴブリンがより倒しやすいアイリへと向かったんでしょう。

何となく自分の成長を感じることが出来て、優越感です。ただ何となくですが、少しイラッっとするのは何故でしょうか?

とにかく今はアイリを助けないと。


「えいっ!」


ゴキャ!


私の怒りの一撃は、ゴブリンの頭を粉砕してしまいました。

まさかここまでの威力が有るとは思いませんでした。


「ギャッ!」


「グギャ!」


ゴブリンに氷の刃が刺さってます。どうやらアイリの魔法が炸裂したみたいです。


「ムカついたから倒しちゃったけど、良いよね?」


アイリは何事も無い感じにあっけらかんと言ってます。

魔法を無詠唱で同時に2つ飛ばしているので、同時発動もすっかりと慣れた感じでした。

その後も狩りを続け、何とか新しい武器の感覚も掴むことが出来たのは幸いでした。


「そろそろ帰るとするかの。」


「そうですね。」


「満足。」


シャルちゃんも新しい武器を使いこなせるようになったみたいですしね。


「それで、この狩ったのはどうするのかな? かな?」


アイリが指を指した方には倒したホーンラビットが20匹ほど居ました。


「一人5匹づつ持ち帰れば良いのじゃ。」


「えっと、シャルちゃんもでしょうか?」


こんなにも小さな子に持たせるのは気が引けます。


「なら、あたいと、アイリ、ナタリーで6匹づつにすれば良いのじゃ。」


「えぇ~!! 無理!!」


アイリが文句を言ってますが、私も6匹は自信が有りません。


「軟弱じゃの。」


ビアンカさんは仕方ないという感じでアイリの分の1匹も軽々と担ぎました。

流石はビアンカさんですね。

私も6匹を担ぎ……重い~!!

な、何とかギリギリですが頑張って運ぶのでした。


・・・・


「えっと、解体無しなので、1匹銅貨1枚になります。ゴブリンが3匹、薬草が50束なので、全部で銀貨2枚と銅貨8枚ですね。」


「ありがとうございます。」


私達は依頼料を受け取り冒険者ギルドを後にしました。


「はい、一人銅貨7枚ですね。」


「何か割に会わない気がしてきたのじゃ…」


「そうね…」


「うん。」


確かに宿と食事代を入れると今日の儲けがほぼ無くなりました。

武器の購入費用を入れると大赤字です。

今更ですが、冒険者ってホント大変です。


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