今日のナタリーさん 101
私はナタリー、冒険者である。
朝になり目が覚めました。
横に寝ているシャルティアさんを起こすことにします。
「シャルティアさん、朝ですよ。」
体を軽く揺すると、シャルティアさんが目を覚まします。
「ナタリーさん、おはようございます。」
「おはようございます。着替えたら朝ごはんを作りに行きましょうか。」
「あ、ナタリーさん、今日は止めておきませんか?」
「えっと、どうしてですか?」
「今日は、シャルに独占させてあげたいのです。」
「わかりました。そうですよね、昨日私が散々独占しちゃいましたし、同じにしないと不公平ですよね。」
「ありがとうございます。」
「いえ、なら朝食はどうしましょうか?」
「たまには外で食べませんか?」
「良いですね、アイリ達が起きたら誘ってみましょうか。」
「ええ。」
着替えて、身だしなみを整えた後に、アイリ達を起こすことにしました。
「ほら、アイリ起きて。」
「うにゅ?」
「寝ぼけて無いで、顔を洗って来なさいよ。」
「ふゎ~い…」
「おはようなのじゃ。」
「おはようございます。」
「それじゃ、あたいも顔を洗ってくるかの。」
顔を洗ったアイリが戻て来た。
「それで、ナタリー達が此処に居るってことは、朝ごはんは食堂で食べるのかな?」
「いえ、たまには外で食べに行ってみようかと。」
「良いんじゃない? だったらさ、パンケーキの美味しそうなお店見つけたんだよ、行ってみない?」
「そうだね、行こっか。」
「あたいも賛成なのじゃ。」
「私もそこが良いです。」
私達は、アイリが見つけたパンケーキのお店に行ってみることにしました。
・・・・
「ここだよ~♪」
アイリの案内の元、パンケーキのお店へとやってきた。
結構女の子に人気のお店らしく、若い女性が沢山いて行列を作っていた。
「これは楽しみじゃの。」
「ええ、そうですね。」
「でしょ? 前から目を付けていたんだ~♪」
「どうせならハル様に美味しく食べてもらえるように、味を盗んじゃいましょうか。」
「いいですね。」
シャルティア悪戯っぽい笑顔でそう言ったので、同意しておくことにしました。
待つこと1時間ほどして、いよいよ私達の順番になりました。
テーブルに案内されたので、席に着きます。
「何にしようかな~」
「この、ふわっふわ天使のばなーなとほぃっぷのパンケーキにするのじゃ!」
「それ美味しそう~、なら私もそれ~!」
「なら私は、無難にハッチミツとじゅうごのパンケーキにしようかな。」
「私はこのカッカオのビターパンケーキが良いです。」
「決まりね! すいませ~ん!!」
・・・・
「お待たせしました。」
「待ってたのじゃ。」
「美味しそう~」
運ばれてきたパンケーキは、どれも美味しそうです。
さっそく頂くことにしました。
「おいしぃ~!!」
「旨いのじゃ。」
「本当に美味しいです。」
「ナタリー、一口頂戴!」
「仕方ないなぁ、はいどうぞ。」
「あたいも!」
「どうぞ。」
「あの、私も良いですか?」
「良いですよ。」
「じゃあ、私の分もあげるね~」
「あたいのもどうぞなのじゃ。」
「私のも食べてみてください。」
ワイワイとみんなで分け合って楽しく食べることが出来ました。
ここのお店は当たりでしたね。また来たいと思います。こんどはもちろん彼も一緒にですね♪
食事が終わり、お店を出た所で今日の予定を話し合います。
「今日はどうしよっか。」
「ダンジョンは…止めておいた方が良いのじゃ。」
「そうですね。」
「それよりさ、今日の夜の話を決めておかない?」
「あたいはこの前も譲ってもらったし、最後で良いのじゃ。」
「そう? なら私かティアだけど、どうする?」
「アイリさんで良いですよ。」
「ティアは、またそうやって遠慮する~! 却下! 勝負するよ~!!」
「あ、はい。」
アイリとシャルティアさんはジャンケンですることになりました。
こんな風に自分優先にする訳じゃなく、公平に対応するアイリは偉いなぁ~
私は何だかんだ言って独占欲が強いみたいで、自分を優先しちゃう傾向が有るし、見習わないと駄目ですね。
「勝ちました。」
「負けた~!!」
どうやらシャルティアさんが勝ったみたいです。
「じゃあ、今夜はティアの番で決まりね。後は今日の予定だけど…」
「あ、あの。」
「どうしました?」
「私の番で良いのなら、今夜は私が料理を作ってみたいです。」
「構いませんよ、ではお任せしますね。」
「はい、頑張ります! それで今日の予定ですが、別行動しても良いでしょうか?」
「良いけど、何するの?」
「はい。ハル様の食事の材料を買いに行こうかと。」
「手伝いましょうか?」
「いえ、出来れば一人でやってみたいです。」
「いんじゃない? ナタリーもたまには譲ってあげなさいよ。」
「えぇ!? べ、別にそんなつもりじゃ…」
「はいはい。ほらティア行きなさいよ、ナタリーは私達が抑えておくから。」
「ありがとうございます!」
シャルティアさんがそう言うと、嬉しそうに離れて行きました。
アイリにも言われてしまいましたが、そんなにも私は独占欲が強すぎるのでしょうか?
「そんなにぶー垂れない。ほら行くよ~」
「ぶー垂れてなんかいません!」
どうやら顔に出ていたみたいでした。そんな顔していたのかな? う~ん。




