今日のナタリーさん 9
私はナタリー
冒険者ギルドの受付嬢である
朝のピークが過ぎた、そろそろ彼は来るのだろう
お昼が過ぎた、もう少ししたら狩りをした彼が来るのだろう
夕刻になったが、彼はまだ来ない
来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない、来ない
ふと気が付くとピーク時の忙しい時間だったにも関わらず、私の窓口には誰も居なかった、どうしたんだろう
結局仕事が終わったけれど、彼は来なかった
仕事終わりにリリアが声を掛けてきた
「ナタリー、ちょっと飲みにでも行かない?」
特に用事も無かったし、付き合うことにした
やってきたのは『薔薇の宿屋』だった、ここは宿屋だが食事だけも出来るし、料理も美味しいから、ある日以外はいつも満員のお店だ
料理とお酒を注文し、乾杯をして食事とお酒を楽しむ
「ナタリーさぁ、何か有ったの?」
「特になにもありませんが」
「そう?もしかして~彼が来なかったから拗ねていたとか?
ほれほれ~白状しちゃいなよ」
確かに彼は来なかったが、別に彼が来なくても私には全然関係ない
別に約束していた訳じゃないし、そもそも私に会いに来ている訳でもないし
「な、ナタリー?」
アイリと会ってるのかもしれないし、もしかしたら違う女の人といるのかもしれないし
どうせ私みたいな嫌な女なんかと違って楽しいんだろな
「ご、ごめんね用事思い出しちゃったから帰るね。
マスター会計お願いします~」
延々と考えがぐるぐると廻り答えは出ない
色々考えている内に、目の前がぼやけてきた、あれ?泣いているのだろうか?
ふと、聞き覚えのある声が聞えた気がしたので、声の方へ向いたら彼が居た
ちょっと見ただけだったが、彼は来てくれて声を掛けてくれた、嬉しい
立っているのも大変だろうし、座ってもらった方が良いよね?座ってほしいなと椅子を見たら、座っても良いか聞いてきた
私の考えていることが分かるんだ、すごいなと思った
とりあえず問題ないので頷いておいた
席に着くなり彼はエールを一気飲みしていた、素直に男らしいと思った
彼が何か有ったのか聞いてきたが、何もなかったため答えられない、どうしよう
そうしたら彼は違う話題を振ってくれた、優しいな
どうやら彼は休みだったようだ、だからギルドへ来なかったのかと納得した
そして彼は今日有ったことを面白おかしく話してくれた
明日はホーンラビットの解体練習してからギルドへ来ると言ってくれた
彼は部屋に戻ると言ったので、私も帰ることにする
何か昼間に何か嫌なことが有ったような気がしたけれど、忘れちゃったな
私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日も頑張ろう
ヤンデレ?