謝罪
道具屋を出た俺達は、その後も色んなお店を散策し、日も暮れたので宿に戻ることにした。
宿に戻ると、ケリーに会った。
「あ、ハル様、お帰りなさい。」
「ただいま。」
挨拶を済ませ、食堂に向かおうした所で、ケリーが声を掛けてきた。
「あ、あの、今食堂に行かない方が…」
「えっ?」
時すでに遅しと言うか、俺は半分食堂へと足を踏み入れてしまっていた。
「あぁ~~~!! 帰ってきた~~~~!!」
「なんじゃと! 何処じゃ!!」
「ハル様!」
「・・・・」
そこには酔っ払いが3人と、物凄く不機嫌なシャルが居た。
え~っと、帰っても良いかな?
「まさか逃げるなんてことは無いよね~?」
「は、はいぃ!!」
心を読まれた!?
「ほれ、ナタリーも座るのじゃ!」
「ハルさん、ここは逆らわないで謝りましょう。」
ナタリーさんも覚悟を決めた顔をしていた。
「そうだね。」
俺は覚悟を決めて席に座ることにした。
「「ごめんなさい!!」」
まずはナタリーさんと一緒に言い訳もせずに謝ることにした。
「「「「・・・・」」」」
この無言が辛いんですが…
「ふぅ~…まあいいでしょう。ハル君も悪気が有ってやったことじゃないでしょうし。」
た、助かった…のか?
「でも!!」
ビシッ!
アイリさんに指を指されてしまった。
「今日から皆にもナタリーと同じことをしてもらいます!」
えっと?
「そうですね、その方が良いですね。」
あれ? ナタリーさんはこっちの立場じゃなかったっけ?
何で当然のように向こうに参加しているんですか?
と言うか、それよりも気になることが有るんだが、
「それってシャルも入るの?」
「当然!」
シャルがフンスと胸張って言ってきたんだが、世の中には条令と言う決まりが有ってだな。
「いや、シャルにはちょっと…さすがに、ねぇ?」
「ハル君さぁ、もういい加減諦めたら良いんじゃない?
シャルちゃんは、きっと気持は変わらないと思うよ?」
「う~ん、でも手を出すのは年齢的にもちょっと…」
「なら、今はシッポで良い!」
シャルのシッポってことは、番いになるって宣言することになるんだったよな。
こんな小さな子の人生を決めちゃって良いのか? 後で後悔することにならないのか?
正直あれ以降、シャルのシッポとはご無沙汰だ。シッポニウムが不足しているし、思いっきりモフリたい気持ちは有りまくりだ。
チラリとシャルの顔を見る。
「シャルは、ハル様が良いの! ハル様じゃなきゃ嫌なの!!」
迷いなど全く無い、真っすぐな目で俺を見つめてきた。
これは覚悟を決める必要が有るのか? ティアさんの顔を見ると頷いてくれた。って良いのかよ!!
俺は頭をガシガシと掻いた。
「あ~~もう! 俺は知らないからな!!
シャル、俺は一度俺のになったのなら、嫌でも一生離さないからな!!
良いか! 覚悟しておけよ!!」
「うん、うん! うん!!」
シャルは何度も嬉しそうに頷いてくれた。
「シャルちゃん、良かったね。」
「おめでとうなのじゃ。」
「良かったね~!」
「シャル、これからはお母さんでも有りますが、ハル様の女として負けませんからね?」
「若いシャルの方が有利。」
「まぁ!」
ティアさんがシャルの反撃に驚いていた。
これで一件落着…でいいのか?
「じゃあ、今日はシャルの番じゃの。」
「そうね、仕方ないね。」
「シャルちゃん、頑張ってね!」
「うん!!」
「若い…私って年増!? ブツブツ…」
ティアさんは少しそっとしておこう…
こうして俺は今日、シャルと一緒に寝ることが決まったみたいだ。




