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道具屋


早速中に入ることにした。


カラン…


「いらっしゃいませ~」


お店の中は、色んな種類の物が所狭しと置いてあった。この機会に色々揃えてみるのも良いかもしれないな。


「ナタリーは何か必要な物って有る?」


「そうですねぇ…お料理をしていると、材料別に使い分ける包丁とかが有ると便利かな? って思う時が有りますので、包丁が欲しいかな~って思ったことは有りましたね。」


「包丁か。」


俺の場合は『弘法筆を選ばず』って訳じゃないんだが、万能包丁1つで何でもこなしてしまう。後は、たまに菜包丁を使うくらいだろうか。

ただ、TVで料理しているのを見ると、トマトとかを切る時に小さい包丁を使っていたり、魚を解体する時に出刃包丁、刺身を作る時に細くて長い刺身包丁と色々使い分けていたな。

もしかすると使い分けることによって、料理の幅が広がるのかもしれない。


「良いね! 俺も使ってみたいし買おう!」


「あ、お金なら私が出します。」


「いや、これは料理を作ってくれているナタリーとティアに対する感謝の印として買わせてくれ!」


「あ、ありがとうございます。きっとシャルティアさんも喜ぶと思います。」


後は特に無さそうだし、さっさと買い物を済ませることにした。

探しても良いが、どうせなら店員に聞いた方が早いだろう。


「すいません、釣竿が5本と釣り糸を10本、後手紙用の紙と包丁のセットみたいな物って有りますか?」


「はい。もちろんです。ただ、幾つか種類が有りますので、一つづつ説明したいのですが、宜しいでしょうか?」


「はい。お願いします。」


「では、釣竿から説明させて頂きます。釣竿は大きく別けて3つになります。長い竿、短い竿、そして中くらいの竿ですね。」


「違いって何ですか?」


「竿の長さで釣り対象の竿の大きさになりますね、短いのは池や小川等の小型の魚狙いで、中くらいが1mくらいまでの魚、長いのは1mを超す大型とかですね。

 なので、長さに合わせて太さも変わってきます。」


「ふむふむ、例えばですが、長い竿で小型とかも狙えるのですか? またその逆も出来るんですか?」


「耐久の関係上、短いので大型は無理ですね。長いので小型は可能ですが、取り回しの関係で使いづらいですよ? あまりお勧めはしませんね。」


「ちなみにダンジョンの地下7階で釣りをする場合は、どれがお勧めですか?」


「それでしたら中くらいのをお勧めします。ただ、マックロだけは無理とは言いませんが、厳しいかもしれませんね。

 まぁ、マックロの場合は、ヨンマを餌にして狙わなければ大丈夫ですから、気にしなくても大丈夫でしょう。」


「例えばヨンマを釣っていて、マックロが掛かることって有るんですか?」


「それは有りますね、ただ、ヨンマが掛かっているのに放置ってことをしなければ大丈夫ですよ。

 ただ、それでもたまに掛かることも有るので、その時は頑張ってください。」


完全に防ぐのは無理みたいだな。ただ取り回しの関係でも中くらいのがお勧めと。


「では、中くらいのを下さい。」


「はい。では、分割出来る物と、1本物が有りますが、どちらにしますか?」


「どう違うんですか?」


「強度はどちらも同じなので、持ち運びしやすいか、そうで無いか程度の違いですね。値段の差は加工賃と思って頂ければ。

 あ、お値段は、分割は銀貨1枚、1本物は銅貨5枚です。」


どうせアイテムボックスで運ぶし、性能が変わらないなら1本物で良いか。


「じゃあ、1本物でお願いします。」


「畏まりました。次に糸ですが、通常用、マックロ用が有ります。針と重りも付いているのでそのまま使用できます。

 違いは糸の強度ですね、太さは同じなので、万が一マックロが掛かった場合を考えると、マックロ用をお勧めしております。

 ちなみにお値段は、通常用で1本銅貨1枚、マックロ用で銅貨3枚です。」


この値段の差ならマックロ用一択だな。


「マックロ用でお願いします。」


「畏まりました。次に紙ですが、これは見た方が早いですね。」


そう言って引き出しから5種類の紙を出してきた。

白、黄、水色、ピンク、灰色だ。


「これはどれでも5枚で鉄貨1枚になります。」


この白い紙ってダンジョンの入り口で買った物と同じだよな? 確か10枚で銅貨1枚だった記憶が…

どうやらかなりぼったくられたみたいだ。まぁ、ダンジョン前はどれも高かったし、仕方がないか。

折角なので多めに買っておいても良いかもしれない。


「じゃあ水色を5枚、白を…そうだなぁ、45枚貰おうか。」


「畏まりました。では最後の包丁ですが、実は先ほどの話を聞いてお勧めしたいものが有るのですが、如何でしょうか?」


「お勧め? どんなの?」


「はい。家で取り扱っている包丁は、セットと言う物は無く、何種類か有りますが、どれも1本銀貨5枚となります。そこに並んでいるのがそうです。」


言われた場所を見ると、確かに何本か置いてあった。多少の大きさ等の違いは有るが、基本万能包丁っぽい感じの物ばかりみたいだ。


「それで、今回お客様にお勧めしたいものが有ります。奥に保管してまして、持ってまいりますので少々お待ちください。」


そう言って店員が奥へと行ってしまった。


「どんな物を持って来るのでしょうね?」


「何かお勧めするほどの物らしいから、結構良い物何じゃないかな?」


とにかく見てみないことには何とも言えないので、待つことにした。

待つこと数分、店員が戻ってきた。


「お待たせしました。こちらがその商品になります。」


店員が持ってきたものは、ナイフ形状の大中小の3本、万能包丁の大中小の3本、菜包丁が1本、刺身包丁が1本、厚みの有る出刃包丁が1本、ノコギリみたいな形状の包丁が1本の計10本セットだった。


「すごい!」


「こんなに有るとある意味、使う物を迷いそうだよな、ちなみに幾らなの?」


「はい、こちらは有る貴族様に仕えている料理人が依頼して作らせた物なのですが、とある事故により料理を作ることが出来なくなってしまったんですよ。

 仕事も首になってしまい、こちらを購入することが出来なくなった御蔭で、こうして倉庫に眠ることに。

 料理人が求めた包丁なので少々値段も高く、購入する人もおらず、不良在庫となってしまったんです。」


「そうなんですね。」


「はい。ちなみにお値段ですが、全部で金貨15枚なのですが、お買い上げ下さるのなら、先ほどの商品を合わせて金貨15枚でお譲り致しますが、如何でしょうか?」


包丁10本で金貨15枚か…さっきの包丁を10本買うと金貨5枚だから、約3倍の値段か。

とりあえず包丁1本を鑑定してみることにした。


----------------------------------

【包丁(中)】

品質A

効果:攻撃力+6

料理に使う包丁

----------------------------------


包丁(中)ってのは中くらいのサイズだからだろう。

品質もAだし、物は良さそうだ。

次に、普通に売られていた包丁だ。同じくらいのサイズのを鑑定してみることにした。


----------------------------------

【包丁(中)】

品質C

効果:攻撃力+2

料理に使う包丁

----------------------------------


やっぱり品質が下がっているな、なる程、これなら納得かもしれない。


「そのセット買わせて頂きます。」


「ありがとうございます!!」


まさか売れるとは思わなかったらしく、店員は喜んでいる。

まぁ、150万円の包丁だもんな、気持ちは良く分る。

工業製品じゃなく、1本1本手作りだからどうしても高くなるのは仕方がないと思うし、まあ良いだろう。

俺は白金貨1枚と金貨5枚で支払い、商品を受け取った。


「またのご利用をお待ちしております!」


ここでの用事も済んだことだし、お店を後にすることにした。


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