今日のナタリーさん 99
宿屋に到着しました。
「お腹空いた~」
「ご飯。」
「酒じゃ~!!」
「じゃあ夕食でも作りに…あれ?」
「あっ、ハル君だ~」
「本当じゃ、何だ先に飲んでおったのか。」
皆で彼の所へ向かいます。
彼は、私達が近づいたことにも気が付かずに食事をしています。
あれは何を食べているのでしょう?
「旨そうじゃの。」
「ハル様、良いな…」
ビアンカさんとシャルちゃんが、ジーっと彼の食事を羨ましそうに見て居ます。
彼の食事が終わり、私達の存在に気が付き驚いてます。
そしてやましいことを見られたみたいに、焦ってました。
どうやら彼は、私達のために料理をしてくれたみたいです。
先ほどのは味見だそうです。…味見?
彼が食べるかどうかを聞いてきました。愚問ですよね?
お椀によそい、エールと一緒に頂くことにしました。
このプルプルしているのはお肉でしょうか? でも、何処の部位何でしょう?
早速頂くことにしました。
ぱくり…何と言うことでしょう。
柔らかく煮こんだお肉と、お野菜がお味噌の味付けと、少しの辛みと合わさり美味しいです。
少し味が濃い目な気がしますが、エールを飲むとこれが丁度良い感じなのが分かりました。
あぁ…これは駄目ですね。駄目人間まっしぐらなお料理です。
思わず5杯もお替りをしてしまいました。お酒も3杯ほど頂きました。何でこんなにもお酒に合うんですか!!
き、今日はダンジョンに行って、沢山運動しましたし、だ、大丈夫ですよね?
…明日は少し節制しないと駄目かもしれません。
食事が終わり、彼が確認をしたいとのことで、一度集まることになりました。
何を確認するのでしょう?
彼は私達に聖水を渡して魔力を注入して欲しいとのことです。
これって、彼は薬を作る際に行っていたものですよね? とにかくやってみることにしました。
アイリが聖魔力水を作ることが出来た? あれ? それって彼しか作れないとか言ってませんでしたか? 何でアイリが?
続いてシャルちゃんも作ることが出来ました。 もしかして彼と一緒に居ることで作れるようなったのでしょうか?
次にシャルティアさんですが、これは失敗…というか普通の魔力操作が行える人と同じみたいです。 そうすると彼とは関係ない?
最期に私のですが、彼は私が作った聖水を見て首を傾げています。あれ? 何か間違ったのでしょうか?
どうやら私が成功したことが疑問だったみたいです。
シャルティアさんが失敗して、アイリとシャルちゃんと私が成功。その違いが何か有ったかな? …あっ!
そうです。加護ですね。彼を驚かそうと思って内緒にしていました。
ここで嘘を言っても仕方がないので、私はみんなに加護を貰ったことを教えることにしました。
結局実験の結果は、先ほど気が付いた加護を持って居るか無いかだったらしいです。
もし、私が嘘を付いたら間違った結果になってしまい、条件が分からなくなる所でした。
実験が終わった所で、今日の報告をすることになりました。
ですが、今日は散々でしたので、何と言ったら良いのか…
意を決してアイリが代表して答えることになりました。
うん。ビアンカさんの言う通り、彼の御蔭で私達は安心してダンジョンに挑めるのが分かっただけでも、良かったかもしれませんね。
一応言っておいた方が良いと思ったので、運び屋のことも話すことにしました。
案の定、彼は変な顔をしていました。ごめんなさい。これからは気を付けます。
今度は彼の話になります。モブさんのお兄さんですか? モブさんには色々とお世話になったので感慨深いですね。
トラップの話は勉強になります。でも、魔力を感知するトラップは外せないらしく、見つけた時は無視するしか無いとのことでした。
シャルティアさんが奴隷の有り方を言い出しましたが、もちろん彼が許すわけが有りません。
最悪彼自身がと言ってましたが、それもどうかと思います。生き返るとしても死に目を見せられる私達の気持ちも考えて下さい!
その時が来たら、絶対阻止しなくちゃね。
帰ってきてからは、先ほどのモツ煮込みを作っていたとのことでした。
彼に作り方を教えてもらう約束をしてもらいました。美味しかったなぁ~
でも、アレはある意味悪魔の食べ物です。気を付けないと駄目ですね。主に体重的な意味で…
彼が今日は湯あみでは無く、お風呂を提案してきました。
嬉しいです! 今日は転んだりしたので、結構汚れてしまいましたからね。
外でお風呂の準備が終わったので、誰から入るかになりました。
アイリが彼と一緒と言ってます。私も恥ずかしいですが、負けてはいられません!
勝負はジャンケンになりました。
な、な、な、なんと、私が勝ってしまいました。嬉しいです!
そして、そのまま一緒の部屋での権利までも…夢じゃ無いですよね?
最初に、シャルティアさんとシャルちゃんが入り、その次にアイリとビアンカさんが入り、最後に私達の番です。
みんな先に部屋に戻るとのことでしたので、私達2人だけになりました。どうやら気を利かせてくれたみたいです。
彼が先に湯船に入ったので、私も服を脱いで後に続きます。
彼はこちらを見ない様に背を向けていたので、思わず抱き着いてしまいました。
うわぁ~大きな背中、何だか安心します。
でも、やっぱり彼の顔が見えないのは寂しいです。少々恥ずかしいですが、こっちを向いてもらえるようにお願いしてみました。
彼がこちらを向いてくれました。
あっ、やっぱり胸に目が行くんですね。何だか久しぶりな感じがします。
そして彼は無意識(?)と言うか、自然な感じに私の胸を掴みました。
ちょっとびっくりしましたが、ちょこっと恥ずかしいです。
思わず両手で隠してしまいました。
すると彼が残念と言うか、寂しそうな顔をしました。
その顔は卑怯です…。断れないじゃないですか。
私は恥ずかしいのを我慢して手をどかしました。恥ずかしいです!!
やっぱりと言うか当然と言うか、彼は私の胸に夢中です。
あふっ、だ、駄目です。これ以上は…
仕返しとばかりに私も彼に攻撃を仕掛けます!
彼がやったな~!! とばかりに仕返ししようとしましたが、ここでは誰かに見られる可能性も有るかもしれません。手遅れかもしれませんが…
と、とにかく断ると、彼が先ほどと同じく寂しそうな顔をしています。
やっぱりその顔は卑怯です!! 私の方が耐えられません。
彼にお願いして、部屋に戻ることにしました。
何とか部屋に戻ってきました。
扉を閉めたと同時に彼に抱きしめられました。
そしてベットに押し倒され、口づけされました。
きゃああぁぁぁぁ~~~♪
普段の優しい彼も良いですが、積極的で激しい彼も良いです!!
何が有ったのかはご想像にお任せします♪
私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。




