表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
422/554

今日のナタリーさん 96


私はナタリー、冒険者である。


「…さん。」


「ナタリーさん。」


声を掛けられて目が覚めました。

どうやら寝過ごしたみたいで、シャルティアさんが起こしてくれました。


「すいません、寝過ごしました。」


「いえ、大丈夫ですよ。」


「急いで着替えますので、先に用意していて下さい。」


「分かりました。」


私は急いで着替えて、身だしなみを整えます。


「よし!」


準備が出来たのでキッチンへと向かいます。


「遅くなりました。」


「それでは、何を作りますか?」


私は、シャルティアさんが用意してくれた材料を確認します。

丸パンに、ケッコー鳥肉、レトゥース、トゥメイトゥ、キャベスリー、ドコーン、丸ネギ、リンゴーンです。


「丸パンが有るのは珍しいですね。」


「すいません、今日はこれしか無いみたいで。」


「あ、いえ、別に文句がある訳じゃないんですよ。ただ珍しかっただけです。」


「そうなんですね、それでどうしましょうか?」


「そうですねぇ~、いっそのこと丸パンを半分に切って、材料を挟めるサンドウィッチモドキにでもしましょうか。」


「分かりました。」


「野菜を切るのとサラダはシャルティアさん、お願いします。」


「はい。」


それででは私の方は、メインの方を作って行くことにします。

ケッコー鳥肉を丸パンの大きさに切って行きます。

鍋に油を引いて、ケッコー鳥を焼いていきます。

十分に火が通ったら、堪り醤油、酒、むりん、ニンニンニクのすり下ろしを加えて味付けします。最後にカッタ栗子でとろみを出してと。

後は半分に切った丸パンにレトゥース、輪切りに切ったトゥメイトゥに先ほどのケッコー鳥の照り焼きを載せて、残りの丸パンを乗せたら完成です。


サラダは…うん、ティアさん流石ですね。

リンゴーンはサラダでは無くジュースにしたみたいです。


「出来ました。」


「こっちも出来ました。」


完成した朝食を食堂へ運びます。


「来た来た~」


「美味しそう。」


食堂には、アイリとシャルちゃんだけでした。


「ハルさんと、ビアンカさんは?」


「まだ来てないね~」


どうやら少しゆっくりしているみたいでした。

とりあえず食事を配膳した後は、彼が来るのを待つことにしました。


少しして彼がやってきました。

挨拶を済ませ、朝食を頂くことにしました。

美味しそうに食べてくれているので、少し変わったものを作ってみましたが、今日も大成功だったみたいです。良かった。


朝食が終わると、今日の予定を話し合いました。

彼がダンジョンに行くことを確認した後、HPポーション改やら、聖魔力水とか、大事な地図を渡してくれました。

確かにアイリが言う通り、少し過保護すぎませんか? 私達もちゃんとした冒険者ですよ?

でも、彼も折れてくれなかったので、とりあえず緊急時のためにと言うことで、持って行くことにしました。


彼と別れた私達は装備を整え、ダンジョンへと向かいます。

ダンジョンの入り口までやってきて、昨日何か忘れていたことを思い出しました。


「アイリ、もしかしてだけど、私達って運び屋が必要なんじゃない?」


「えっ? 何で?」


「じゃあ聞くけど、ドロップアイテムはどうするの?」


「あっ!」


どうやら忘れていたみたいです。私も先ほど入り口に居る運び屋を見て思い出したので、人のことは言えませんでしたが…


「そうじゃの、持って帰らないのも勿体ないし、雇うとするかの。」


「そうしましょうか。」


「で、誰にするの~?」


前回お願いしたロン君が居れば良いのですが、さすがに居ませんね。

私達が誰にしようか迷っていると、声を掛けられました。


「運び屋を探しているのなら、俺はどうだい?」


声を掛けてきた人は、色黒の筋肉質の男性でした。

見た感じ力は有りそうなので、荷物も沢山運べそうです。


「どうする?」


「どうせ分からないんじゃ、こいつで良いんじゃないかの。」


「私もそれで良いと思います。」


「構わない。」


みんなも分からないみたいですし、私も同じです。


「それでは、お願い出来ますか?」


「えっ? 女性だけのPT? うひょ~ラッキー!」


頼んでおいて言うのもアレですが、間違ったかもしれません。

でも、今更断るのも悪いのでとりあえず交渉することにしました。


「えっと、雇う料金についてなのですが、お幾らでしょうか?」


「何階まで行くんだ?」


「地下6階じゃな。」


「えっ? 子供? それも2人も!?」


「誰が子供じゃ! あたいは立派な大人じゃぞ!」


「大人。」


「いやいやいや、それは無理が有るだろ! えっ、本当に!?」


「あたいはドワーフじゃ! まぁ、シャルは確かに子供じゃがな。」


「ドワーフだったのかよ、趣味じゃないからどうでも良いか。」


「何じゃと!!」


「まぁまぁ、ビアンカ落ち着いて、趣味じゃ無くて良いじゃない。」


「…そうじゃの、あたいにはハルが居るしの。」


「そうそう、気にするだけ無駄だよね~」


「そっちの獣人も興味は無いが、美人のお二人さんが良いことしてくれるなら、お安くするぜ?」


「「お断りします。」」


何でそんなこと言うのでしょうか? 私には彼が居ると言うのに。

もちろん、アイリもしっかりと断って居ます。当然ですよね。


「そんなこと言わずにさぁ~、サービスするからさぁ、良いことしようぜ~!!」


「ねぇ、違う人にしない?」


「そうじゃの。」


「待った!! 分かった、もう言わない!」


「本当かしら…」


「とりあえず金額の話にしましょう。それでお幾らなのですか?」


「地下6階だろ? なら売り上げの1割だな。」


「どうする?」


「良いんじゃない? 前回もそうだったし。」


「分かりました。それでお願いします。」


「よっしゃ!! 宜しくな!!」


色々と不安が一杯ですが、運び人を雇うことにしました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ