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実験結果は


「ちょっと確認したいことが有るから、一度集まって貰っても良いかな?」


「構わないのじゃ。」


「大丈夫です。」


「何々、何をするの~?」


「分かりました。」


「ん。」


了解を得られたので、とりあえず4人部屋の方に行くことにした。

俺は聖水を4本取り出して、アイリさん、ナタリーさん、シャル、ティアさんに渡した。


「ハルよ、あたいの分は?」


「ビアンカは、魔力操作持ってないだろ? 多分出来ないと思うぞ?」


「やってみたいのじゃ。」


「そう? じゃあこれはビアンカの分な。」


俺はもう1つ聖水を取り出して、ビアンカさんへと渡した。

そうだよな。出来る出来ないは別として仲間外れは嫌だよな。


「最初に確認したいんだけど、みんなの魔力操作のレベルを教えて貰っても良いかな?」


「いいよ~、私はレベル7だよ~」


さすがアイリさんだ。かなり高い。


「えっと、私はレベル5です。」


おぉ! ナタリーさんも冒険者になってからの日が浅いにも係わらず中々高い。いつも頑張っているからだろうな。


「3。」


ふむ、シャルはあまり魔法を使わないからな。こんなものだろう。


「えっと、私は5ですね。」


ティアさんも冒険者じゃなかったにも係わらず、そこそこのレベルだ。


「0じゃ!」


うん、そうだよね。


「じゃあ、魔力操作でその聖水に魔力を注入して欲しいんだけど良いかな?」


俺がそう言うと、皆が魔力操作で注入を始めた。


「出来た~」


真っ先にアイリさんが渡してくれた。流石だ。


「どれどれ?」


鑑定を使ってみる。


----------------------------------

【聖魔力水】

品質:B

効果:MP回復+10

教会で祝福を受けた水、魔力を多く含んでいる、飲むとMPが回復する

----------------------------------


「おぉ! 聖魔力水だ!!」


と、言うことは創造神の加護を持って居なくても、何かしらの神様の加護を持って居れば、聖魔力水は作れるってことになるのか。


「出来た。」


次にシャルが出してきたので、確認してみる。


----------------------------------

【聖魔力水】

品質:B

効果:MP回復+10

教会で祝福を受けた水、魔力を多く含んでいる、飲むとMPが回復する

----------------------------------


「やっぱり、聖魔力水になったか。」


俺の時もそうだったが、魔力操作のレベルは、あまり関係が無いのだろう。


「出来ました。」


次はティアさんだ。ティアさんは加護を貰ってないので、魔力を含んだ聖水になるはずだ。どれどれ?


----------------------------------

【魔力を含んだ聖水】

品質:B

効果:MP回復+5

教会で祝福を受けた水、魔力を少し含んでいる、飲むとMPが回復する

----------------------------------


思った通りだ。


「私も出来ました。」


最期はナタリーさんだ。ナタリーさんも加護を貰ってないので、同じ結果だろう。


----------------------------------

【聖魔力水】

品質:B

効果:MP回復+10

教会で祝福を受けた水、魔力を多く含んでいる、飲むとMPが回復する

----------------------------------


「あれ?」


「えっ、何か間違えました!?」


ナタリーさんが失敗したと思ったらしく、オロオロしていた。


「あ、いや、間違った訳じゃないんだけど、ナタリーも聖魔力水が作れたから驚いただけだよ。

 もしかしてだけど、聖魔法が使えるからかな?」


「「あっ!」」


俺がそう言うと、ナタリーさんとアイリさんが声を上げた。


「どうした?」


「あ、あの、その、実は…えっと。」


「ナタリー言ってなかったんだっけ?」


「はい。後で驚かせようと思ってて。」


「言いにくいなら、言わなくても構わないぞ?」


「いえ、そういった訳じゃないんです。

 えっとですね、実は私も『すぃ治癒の神の加護』を頂きまして…」


「凄いじゃ無いか!」


「なぬ! ナタリーも加護を貰ったのか!? ズルイのじゃ!」


「仲間。」


「おめでとうございます。」


「あ、ありがとうございます。」


どうやらナタリーさんも加護を貰ったみたいだ。

まぁ、ナタリーさんの場合は、普段の行いが良かったのだろうな。


「なぁ、どうやって貰ったのじゃ?」


「えっと、ハルさんに教えてもらった挨拶をしたら貰えました。」


「ん? 挨拶なんか教えたっけ?」


と言うか、挨拶なんか有ったっけ?


「ほら、ハル君が『ぬるぽ』って教えてくれたじゃない。」


(ガッ!)


「ほら、やっぱりそうじゃない。」


「あーうん。そうね…」


それは挨拶と言うか、お約束…いやプログラムエラーに対する条件反射なんだけど、まあ細かいことは良いか。

何はともあれ、加護を貰えたことは素直に感謝しよう。


「それで、実験の結果で何が分かったのかな?」


アイリさんが疑問に思ったみたいで聞いてきた。


「HPポーション改を作る時に、聖魔力水ってのが必要なんだけど、今までは『創造神の加護』を持ってる俺しか作れないと思っていたんだ。

 でも、今回の実験で、どの神様でも加護を貰っている人なら作れるってことが分かった。

 だからこれからは、HPポーション改が他の人でも作ることが出来るかもしれないってことが分かったんだよ。」


「なるほどね~」


「あの…」


「ティア、どうした?」


「加護を持ってない人が作った聖水はどうなるんですか?」


「あぁ、その場合は、魔力を含んだ聖水ってのが出来て、それで作るとHPポーション+ってのが出来るんだ。

 回復量は、通常の1.5倍の効果かな。」


「そうなんですね。教えて頂きありがとうございました。」


「ねーねー、ハル君。その魔力を含んた聖水に私達が魔力を注入したらどうなるのかな?」


なるほど、それは考えたことが無かったな。

俺はティアさんが作った魔力を含んだ聖水に魔力を注入してみることにした。


----------------------------------

【聖魔力水】

品質:B

効果:MP回復+10

教会で祝福を受けた水、魔力を多く含んでいる、飲むとMPが回復する

----------------------------------


どうやら注入出来る限度があるらしく、聖魔力水にしかならなかった。残念。


「聖魔力水にしかならなかったな。」


「そっか~」


何はともあれ、実験は成功だった。

後で師匠にこの件を手紙ででも報告することにしよう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 実験は楽しいですね。いつも更新を楽しみにしています。主人公が生活魔法を駆使して色々な課題をクリアしていくところが特に好きです。高圧洗浄で下水道を掃除した回は最高でした。今やレベルもぐっと上が…
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