トラップ講習 2
鍛錬場までやってきた。
ここは冒険者が自主鍛錬を行う場所で結構広い場所になっている。
今は誰も使用してなかったみたいだ。
俺が中に入ろうとしたら、声を掛けられた。
「ちょっと待つっす!」
「あ、はい。」
「ここから先はダンジョンっす。色々トラップを仕掛けているので見つけて欲しいっす。
まずはトラップの有無だけ見つけるだけで良いっす。」
言われたので鍛錬場を見ると、『ど〇で〇ドア』みたいな感じの扉がが10個置いてあった。
なるほど、アレがダンジョンの扉ってことなんだな。
「わかりました。」
「頑張るっす。」
俺は早速調べるために修練場の中へ入る…ん?
入口のすぐ下に違和感を感じた。周りに比べると微妙に不自然に盛り上がってる?
と言うか、地下6階のトラップと同じか?
「エキストラさん、これって?」
俺が振り向いてエキストラさんの方を見ると、ニヤリとしていた。
「良く分ったっすね。オイラが知っているトラップを全部用意しましたんで、気を付けて下さいっす。」
どうやら地面にもトラップを仕掛けていたみたいだ。ならその挑戦受けて立とう。
まずは地面のトラップを制覇してからにしょう。
まずは、最初に踏みそうになったトラップの脇に目印を脇に描いておいた。
「色が微妙に違うな、これもトラップか?」
とりあえずコレにも印を付けて行く。
同様に見つけたトラップに順番に印を付けて行った。
「地面のトラップはこんなものかな。」
印を付けたトラップは全部で5つだ。次に扉を調べに行くことにした。
ズボッ!
「うわぁ!!」
俺は落とし穴に引っ掛かってしまった。
マジかよ…全然わからなかったぞ?
「あははははっ、やっちゃったみたいっすね。」
「全然トラップが有ることに気が付けませんでした。」
「そのトラップは15階層以降に有るトラップっす。
もう1ヶ所に有るんで探してみるっす。まぁ、トラップは落とし穴なので引っかかっても大丈夫っすよ。」
エキストラさんに言われたので、俺はトラップを探してみることにした。
とりあえず歩いた場所には無いことは判明しているので、それ以外の場所を丁寧に調べて行く。
ん? この不自然に置かれている小石が怪しいな。
「ここだ!」
「ハズレっす。」
どうやら間違いだったみたいだ。俺は足でその場所を突いてみる。確かにトラップは無さそうだ。
駄目だ、さっぱり分からん。
「降参です。」
俺は諦めて降参することにした。
すると、エキストラさんがスタスタと歩き、1ヶ所を指差した。
「此処っす。」
俺はエキストラさんが指を指した場所を調べてみた。
目を凝らしてみてみたが、やっぱり分からなかった。
「まぁ、このトラップは魔法を使えない人には難しいっすからね、無理も無いっす。
なので、コイツについては魔法使う人に頼むのが一番っす。」
ん? 魔法を使う人? もしかして…分かった!!
注意しなければ分からなかったが、もやもやが発生していた。
「あぁ、魔法のトラップなのか!」
「あれ? ハルは魔法が使えるんっすか? スカウトで魔法が使えるって羨ましいっすね。」
「生活魔法ですけれど、一応は…
エキストラさんは魔法は使えないんですか?」
「オイラは使えないっす。なのでこのトラップはオイラには分からないっすね。
実はこのトラップも土魔法を使える人に作って貰ったんすよ。
生活魔法が使える人は貴重な戦力っすよ? ダンジョンで水が作れるって最高じゃ無いっすか! 良い魔法を貰ったみたいっすね。」
確かにダンジョン攻略での一番のネックは食料や水、ドロップ品を運搬する方法だ。
だからこそ運び屋みたいな職業が有る訳だしな。
「あれ? ふと思ったんだけど、棍棒とかで叩きながら進むじゃダメなのか?」
「落とし穴や、槍が飛び出す系のトラップならそれでも行けやすが、爆発系や、毒ガス系だったらどうするんで?」
「あっ…」
そうか、自分だけならまだしも、下手したらPTが全滅する可能性だってある訳か。
この前オークをトラップに嵌めて倒したけど、あの方法は止めた方が良いな。
「そう言うことっすね。」
「わかりました。その方法は取りません。」
「それが良いっす。」
「ちなみにトラップ解除はどうするんですか?」
「やる必要は無いっすね、無視するだけで良いっす。オイラも地面型のトラップは無視するっす。」
確かに解除したからと言って、何かを得る訳でも無いしな、やるだけ時間の無駄か。
「じゃあ、次は扉の方に移るっす。」
「はい。」
俺は扉の前に向かうことにした。




