今日のナタリーさん 95
地下7階へ降りて部屋を出ると、なんと辺り一面水がありました。
そう言えばダンジョン産の魚を売ってましたよね、もしかしてここで獲れる魚なのでしょうか?
皆さんもこの階に興味津々です。シャルちゃんも顔を出して見ていました。
突然彼が注意を促します。
確かに彼が言う通り、何が有るか分からないのに覗いたら危険ですよね。これは私も反省です。
何かの反応があるとのことでしたので、注意して武器を構えます。
そして何かが浮いてくるとのことです。緊張が走ります!
なんと浮いてきたのはスライムでした。
シャルティアさんの魔法で火を点けると、辺り一面が明るくなり色々と分かってきました。
どうやらこの階はお魚さんが沢山いるとのことです。
魔物は今の所スライムしか確認できてませんが、用心に越したことは無いと思いますので、気は抜きません。
ふと、彼が腕を組んで何やら考え込んでいます。私は気になったので聞いてみることにしました。
どうやら彼は魚を捕りたいみたいなので、釣竿を勧めてみることにしました。
彼も良い考えだと、次に来るときは釣竿を用意するとのことでした。
お役に立てて良かったです。
今回の探索はここまでにして帰ることにしました。
帰り道は特に問題も無く、無事に地上へと帰ることが出来ました。
その足で冒険者ギルドに向かい、清算を行いました。
ここでなんと、トルネラさんが彼に釣竿をプレゼントしてくれることに。良かったですね♪
その後に受付で依頼の確認を行うと、どうやら依頼を受けてくれる人が見つかったとのことです。
なので、明日は急遽自由行動になってしまいましたが、事前に話し合っていたので問題ありません。
明日は何をしようかな?
宿に戻り私とシャルティアさんは、着替えた後に夕食を作りに向かいます。
さて、今晩は何を作りましょうか? たまにはパスタも良いかもしれません。
材料はパスタにトゥメイトウ、オーク肉に、丸ネギ、キャベスリーにドコーンだ。
「それでは、今日はミートソースにサラダとドコーンスープにしましょうか。」
「はい。」
「じゃあシャルティアさんはドコーンスープをお願い出来ますか?」
私がそう言うと、シャルティアさんが少しためらった後に言ってきた。
「あ、あの、ミートソースは私が作っても良いでしょうか?」
「はい、じゃあお願いしますね。では、私がドコーンスープを作りますね。」
「ありがとうございます!」
シャルティアさんが嬉しそうにそう言った。きっと彼に美味しそうに食べて貰いたいのだろう。
なら私も負けずに美味しいドコーンスープを作るとしましょう。
・・・・
夕食が完成したので運ぶことにします。
食堂には全員丁度やって来たみたいなので、良いタイミングだったみたいです。
彼の分を配膳する際に、今朝のことを思い出しました。
また言ってくれないかな? もし言ってくれたのならば、完璧に言える自信が有るんだけどなぁ…
そんな気持ちでいると、何と彼が言ってくれました!
「な、ナタリーや、俺がこんな体になったばっかりに、い、何時もすまないねぇ、ゴホゴホ…」
やっぱり私が考えていることが分かってくれるんだ。嬉しいです!
私は精一杯、彼の期待に答えることにしました。
「おとっつあん! それは言いっこ無しですよ♪」
どうですか? 完璧じゃないでしょうか?
「な、ナタリーありがとうな。」
どうやら完璧だったみたいです。満足です♪
その後は皆で夕食を取ります。
むむっ! シャルティアさんの作ったミートソースが凄く美味しいです。
これはウカウカしていると追い抜かれてしまいます。もっと頑張ろう。
夕食が終わり明日の話になりました。
そしたらアイリとビアンカさんが彼抜きでも大丈夫にするためにもダンジョンに行きたいとのことです。
確かに言われてみれば、私達のPTは彼におんぶにだっこ状態です。これはイケナイですね。私も賛成することにしました。
こうして私達の明日の予定が決まりました。
今晩はお詫びと言うことも有り、彼とビアンカさんが一緒の日です。
なので私達は4人部屋へと戻ることにします。
順番に湯あみを済ませてベットへと入ります。
「明日のダンジョン、私達だけで大丈夫でしょうか?」
シャルティアさんが少し不安そうにしています。
「無理をしなきゃ大丈夫だと思うよ~」
「頑張る!」
シャルちゃんもやる気満々です。
「私達も強くなっていると思います。頑張りましょう!」
私も安心させるために、自分に気合を入れるためにもそう言いました。
「そうですね、少しでもハル様のお役に立てられるように頑張りますね。」
「じゃあ、明日も有ることだし寝よっか。」
「「「は~い。」」」
明かりを消して私達は布団に入りました。
ふと、何か忘れている様な気がするのですが…何でしょう?
明日になったら思い出すのかな?
私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。




