地下7階 1
階段を降りた先は小部屋になっており、扉が1つだけ有った。
俺は扉を調べて問題無いことを確認してから開いた。
「おぉ!」
扉の先には通路以外には水が張ってあった。
いや水の中に通路が有る感じかな?
ふと見ると、シャルが顔を乗り出して興味津々に水の中を覗いていた。
「シャル駄目だ!!」
「えっ?」
俺が注意を促すと、シャルは慌てて覗くのをやめた。
「敵か?」
ビアンカさんが盾を構えて前に出る。
「分からない、ただ水の中に複数の反応が有るんだ。」
俺達は武器を構え、緊張しながら様子を伺うことにした。
パシャン!
その時、何処かの水の上で何かが跳ねた!
「何だ!?」
「わからないのじゃ! 暗くて良く見えなかったのじゃ!」
俺は急いで明かりのためのスライムを探す…駄目だ見つからない。
その時、水の中から浮かんでくる反応が有った。
「来るぞ! 反応は1つ!」
俺は浮かんでくる場所を指差して注意を促す。
緊張の中、少ししてその反応が水面に現れた。
「…スライム?」
どうやら現れたのは単なるスライムみたいだった。
と言うか、スライムって水中でも生活出来るんだな。
俺はティアさんにお願いすることにした。
「ティア、アレを焼いてくれ。」
「あ、は、はい。炎の矢!」
ティアさんの魔法が飛んでいき、見事にスライムに命中!
スライムが燃えたことにより、辺りは明るくなった。
「綺麗…」
ナタリーさんがポツリとつぶやいた。
確かに言われて良く見ると、水上に炎の花が咲いたような感じだ。
みんなもその光景に見とれているみたいだ。
明るくなったことで色々と見えてくるものが有った。
まずこの階は水の階みたいだ。そして水の中に魚の影が見えた。
何で魚? 魔物じゃないの? って思われるが、それは鑑定したからだ。
ぱっと見た限りでこれらの魚を見つけることが出来た。
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【シャアケ】
品質:C
効果:なし
ダンジョンに住んでいる魚、身の色はプランクトンの色である。卵が美味しい。
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【ヨンマ】
品質:C
効果:なし
ダンジョンに住んでいる魚、最近は漁獲量が減っている。塩焼きが最高!
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【シャバ】
品質:C
効果:なし
ダンジョンに住んでいる魚、とっても美味いが、傷みやすく食中毒になりやすい。
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【マックロ】
品質:C
効果:なし
ダンジョンに住んでいる魚、泳ぎ続けないと死んでしまう。腹の部分は油が多くて美味しい。
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魔物? そーいや見かけなかったな、たまたまか? そうするとさっきの音は魚が跳ねた音だったのかな?
それにしても魚か…久々に旨い魚が食べたいな。
つーか刺身が食べたい。何とか獲ることが出来無いだろうか?
俺は腕を組んで考えてみた。
「ハルさん、どうしたのですか?」
ナタリーさんが心配して声を掛けてきた。
「あ、いや、この水の中に魚が居たんだけど、獲ることが出来ないかな~と思ってさ。」
「魚…ですか? でしたら釣竿を用意してみるのも良いかもしれませんね。」
「釣竿かぁ。」
「恐らくですが、道具屋辺りに行けば売っているかと思います。」
「よし! 今度ここに来るときは釣竿を持ってこよう!」
俺は固く決心することにした。
「よし、探査は次回にして今日は戻ろうか。」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
俺達は地下7階を後にすることにした。
地下6階に戻り、確認していなかった通路を通り、地下5階へと戻る。
たまたま丁度ボス戦が終わった所だったので、挨拶をしてそのまま部屋を出て先を進む。
その後も特に問題も無く、俺達はダンジョンを後にした。




