トラップの依頼は
冒険者ギルドへとやってきた。
朝の混雑時間なので、中はかなり混雑していた。
「仕方がない並ぶか。みんなは適当に依頼を見るとかしてて良いから。」
「そうね、ビアンカ行ってみない?」
「良いのじゃ。」
「あ、私も行きます。」
「では、私も行ってみることにします。」
みんなが依頼のある掲示板へと向かって行ったが、シャルは残っていた。
「どうした?」
「…シャルは、ハル様と居る。」
「構わないけど、暇かもしれないぞ?」
「良い。」
「そっか、じゃあ一緒に並ぼうか。」
「うん♪」
シャルと雑談をすること30分ほど、ようやく俺達の順番になった。
「次の方どうぞ~」
「カレンさん、おはようございます。」
「はい、おはようございます。
今日はどの様なご用件でしょうか。」
「昨日依頼した結果を聞きに来ました。」
俺が質問すると、カレンさんは手元の資料を確認している。
「ハル様、申し訳有りません。まだ依頼を受けて頂ける人は見つかっておりません。」
「そうですか、わかりました。また来ます。
あっ、そうそう、相手が決まりましたら相手の都合で一番早い日で構いませんので。」
「はい、分かりました。決まり次第、相手にはそう伝えておきます。
では私、カレンが承りました。
またのご利用をお待ちしております。」
俺達は受付を後にした。
それに気が付いた皆が集まってきた。
「ハル君、どうだった?」
「まだ決まらなかったよ。」
「そっか~、残念だったね。」
「そっちは何か良い依頼でも有った?」
「特には無かったかなぁ~」
「そうじゃの、今残っていたのは常時依頼の肉ばかりじゃな。
後はもう少し下の階に行かないと無さそうな物ばかりじゃったの。」
「じゃあ何時もの通りに行きますか。」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
俺達は冒険者ギルドを出て迷宮へと向かうことにした。
ダンジョンは、ショートカットを利用してサクサクと進み、地下5階のボス部屋へと到着した。
とりあえず列に並んで対策を話し合うことにした。
「さて、ボス戦だけど、どうする?」
「前回同様に、炎の壁を作りましょうか?」
ティアさんが提案してきた。
確かにパターンに入れば楽な敵だし、安全を取るならそれが良いかもしれない。
「いや、魔法は支援だけにして普通に戦いたいのじゃ。」
そこにビアンカさんが待ったを掛けた。
「何で? 楽な方が良いんじゃない?」
アイリさんが疑問に思ったのか聞いてきた。
「相手が1体で、そこそこ強い敵じゃ、鍛えるには良い相手だと思うのじゃが、どうじゃ?」
「頑張る!」
シャルはやる気みたいだ。
「そうだな…下の階を目指すなら必要だよな。みんなはどうだ?」
「私も頑張りたいと思います。」
「でも、危なそうだったら魔法使っても良いんだよね?」
「ああ、それは問題無い、危ないと思ったら遠慮しないでくれ。」
「おっけ~、なら私も賛成かな。」
「私はハル様に着いて行きます。」
どうやら全員楽な方法は選ばないみたいだ。
「分かった、じゃあみんなで頑張って攻略しようか。」
「「「「「はい(なのじゃ)!」」」」」
こうして地下5階のボス戦は普通に戦うことに決まった。
俺は周りを気にしながら、こっそりと新しい武器と交換しておくことにした。
「ん? 何じゃその武器は。」
目ざとく気が付いたビアンカさんが聞いてきた。
「これ? 昨日新しく買った武器なんだけど、薙刀と言って、切って良し、突いて良しの万能武器さ。」
「ほぅ? 中々良さそうな武器じゃな。期待しておるぞ?」
「おう、任せてくれ。」
そんな話をしていると、俺達の順番になった。
「よし、みんな行くぞ!!」
「「「「「はい(なのじゃ)!!」」」」」
俺達はボス部屋へと突入することにした。




