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今日のナタリーさん 92

長くなったのでもう一度切ります。


教会を後にした私達は当初の予定通りに買い物に出かけることにしました。


「それで何処のお店行くの?」


「んっとね、この前良い感じのお店を見かけたから、そこに行ってみようと思うんだけど。」


「わかった、じゃあ行こうか。」


「うん♪」


アイリの案内の元大通りを進みます。

すると前から歩いて来た冒険者2人組が口笛を吹いた後に私達の方へ向かってきた。


「ん、何か嫌な予感…ナタリー気を付けてね。」


「わかりました。」


私も受付嬢の時によく声を掛けられていたので分かります。おそらくナンパでしょうね。


「ねーねー、君たち可愛いね~

 買い物? 付き合ってあげるから、一緒に食事でもどう?」


「間に合ってるわ。」


アイリがキッパリと断っている。


「そんなこと言わないでさ~

 君たち2人、俺達も2人、ほら、丁度良いじゃん!」


も一人の方が私の方に手を伸ばして腕を掴んできた。


「離してください!」


「良いじゃん、ほら君も誘っているみたいだしさ~」


男が私の胸を見て嫌らしい顔をした。

ゾワゾワと寒気が走る!


「見ないで下さい!」


「へへっ、良い物持ってんじゃん! 減るもんじゃないし、それにこりゃたまんねーな!」


男の手が私の胸に伸びる…嫌だ!


ガシッ!


「あん?」


「その汚い手であたいの仲間に触るな!」


「ビアンカさん!」


「何だこのガキは!」


「ほぅ? あたいをガキ扱いするとは良い度胸じゃの。」


ビアンカさんが掴んでいる腕に力を籠める。


「痛だだだだだっ!! 離せ!」


痛みで私の腕を掴んでいた手が離れた瞬間、ビアンカさんが男を投げ飛ばすと、大きく転がって行った。


「くそっ! 覚えてやがれ!」


男達は、捨て台詞を吐いた後に逃げて行った。


「ふん、軟弱者め、やっぱりハルとは比べ物にならんの。」


「ビアンカさん、ありがとうございます。」


私がお礼を言うと、


「お主らはちょっとばかり油断しすぎじゃ。」


「いやぁ~まさか声を掛けられるとは思わなくってさ~」


「ごめんなさい。」


「お主らは、あたいと違って、あたいと違って…うぅ…」


えっと、こういう時はどうしたら良いのでしょうか?


「ちょっとビアンカ、ハル君が良いって言ってくれてるんだし、別に良いじゃない。

 そんなの気にするだけ馬鹿よ?」


「…それもそうじゃの。ああいった面倒な連中はお主らに任せるとして、あたいがハルにい~っぱい構ってもらおうかの。」


くししっとビアンカさんが笑った。


「それは聞き捨てならないわね~ ハル君はビアンカだけのじゃないよ?」


「そうですね、皆のハルさんです。」


「分かってるのじゃ、冗談じゃ。」


「「「あははははっ。」」」


私達は何となく可笑しくなったので笑いあうのでした。


「さてと、あたいは屋台の食べ歩きにでも行って来るのじゃ。」


「そう? 護衛として一緒にと思ったんだけどね~」


「ちなみに何処に行くんじゃ?」


「下着を買いに行くんだけど?」


「…惨めになりそうなので遠慮するのじゃ。」


「そっか、残念~」


「じゃあの。」


そう言ってビアンカさんは離れて行った。


「ビアンカさん、本当にありがとうございました。」


私がもう一度お礼を言うと、ビアンカさんは気にするなと手を上げて行ってしまいました。


「まー、後でビアンカにはお礼しないとね。」


「そうだね。」


何かお礼の品でも買って行ってあげようと思いました。


「じゃあ次からは気を付けて行ってみよ~」


「はいはい。」


アイリが言うのももっともなので、私達は気をつけて行くことにしました。

目的のお店に到着し、中に入ります。


「あっ? これ良いんじゃない? ハル君が喜びそう。」


そう言ってアイリが手に持ったのは…それって下着って言っても良いんでしょうか?

布地は薄くて透けているし、形からしても下着としての用途を満たしていない感じがします。


「いえ、ハルさんはこっちの方が好きだと思いますよ。」


私は白く清潔そうな上下セットを提示してみました。


「う~ん、そうかもしれないけどさぁ~、それって私達が着けれる物なの?」


アイリに言われたので確認すると…確かにサイズが合って無かった。


「すいませ~ん、このデザインでサイズが大きな物って有りますか?」


私は近くに居た店員に聞いてみることにした。

店員は私の胸を見た後少しびっくりしたみたいだが、オズオズと聞いてきた。


「えっと、お客様のサイズを教えて頂いても宜しいでしょうか?」


「はい。確かサイズが大きくなったので…Fの65ですね。」


「F!? あ、すいません。

 えっと、言い難いのですが、そのデザインでご希望のサイズは当店には置いてません。」


「そうですか、残念です。」


「何、ナタリーってFなの!? この前までEじゃなかったっけ?」


「はい。最近大きくなっちゃったんですよね。」


「やっぱりハル君に揉まれたから?」


「ちょっとアイリ! そんなこと大きな声で言わないでよ!

 …そうかもしれないけどさぁ~、そう言うアイリはどうなのよ。」


「私? 私はカップは変わらなかったけど、少し痩せたみたいでアンダーが65になったんだ~

 だからサイズ的にはナタリーと同じかな?」


でもサイズが同じなのかもしれないけれど、恐らくだけど見た目からGに近いFだと思う。

しかも色形と女性から見ても羨ましい限りですし、少し嫉妬してしまいます。


「な、何よ!」


「何でも有りません。」


どうやらジッと見てしまったみたいです。


「店員さん、私に合うサイズのって何処に有りますか?」


「はい、こちらになります。」


案内された所は、大きい人用サイズのスペースでした。ですが…


「何か可愛いデザインが無いね。」


アイリが言った通り、地味なデザインばかりが置いてありました。

前のサイズの時も探すときに苦労しましたが、まだ見つけることが出来ました。

でも、今のサイズになっちゃうとこんなにも苦労するとは…


「ねぇ、オーダーメイドって出来る?」


アイリが店員さんに質問している。そうか! そう言う手も有りましたね。


「はい。少々お時間を頂く形になりますが、可能です。」


「なら、それでお願いするわ。」


「あ、私もそれでお願いします。」


「畏まりました。では採寸させて頂いた後にデザインを決めたいと思います。」


「「宜しくお願いします。」」


こうして私達はオーダーメイドでお願いすることにしたのでした。


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