ポーション屋
何とブックマークが1000を超えました。
後、いつも誤字報告ありがとうございます。助かってます。
本当にありがとうございました。
「さて、次は何処に行こうかな。」
色んなお店を物色していると、ポーションを取扱っている専門店を見つけた。
折角なので入ってみることにした。
カラン!
「いらっしゃいませ。」
お店の中はこじんまりとしていた。と言うかカウンターが有る以外に商品が置いてないな。
何となくドラックストアーと言うよりは病院の脇に有る薬局って感じだ。
俺が周りをキョロキョロと見ていると、店員が声を掛けてきた。
「どうかしましたか?」
「あ、えっと、こういったお店は初めてでして、戸惑ってました。」
「そうでしたか。ここは商品を並べている訳では無く、お客様の欲しい薬やポーションを必要に応じてお出しする形式になっております。
どう言った物をお探しでしょうか?」
興味が有ったから入っただけはと言いにくいな。
「ここは何が有るんですか?」
「HPポーションでしたら普通のから中級、上級と取扱っておりますし、他にも毒消しや魔物避け等、何でも取り扱っております。」
「何でもと言うと、エリクサーも有るんですか?」
「あ、いえ、さすがにエリクサーは無いですね。」
「ですよね~」
有ったらそれはそれでビックリだ。
ふと気になることが有ったので聞いてみることにした。
「HPポーション改も取り扱っているのですか?」
「はい、もちろん取扱っております。」
どうやら取り扱っているみたいだ。
多分この前売った物が流れてきたのだろう。
「何本ご用意いたしますか?」
「あ、聞いただけです。すいません。」
「そうですか。」
そうだ、最近使用することが増えたし、中級の材料を買えないかな?
「あの、毒堕観草を買うことって出来ますか?」
「お客様は薬剤師なんですか?」
「はい。まだ一人前になったばかりのヒヨッコですけどね。」
「そうですか? 毒堕観草を取扱うのであれば中級が作れるってことですよね? 十分だと思いますが。」
「う~ん、師匠からするとまだまだだからなぁ…」
「当り前じゃ無いですか、そんなに簡単に追いつけたら世話無いですよ。
えっと、毒堕観草ですね。一応有りますが、お客様のレベル次第ではお譲りしても良いです。」
「レベルって調合の?」
「はい。」
そりゃそうか、作れもしない人に売る訳にも行かないよな。
確か調合のレベルはティアを助けるために頑張った御蔭で上がったよな…
「確か8…だったかな?」
「8!? 上級が作れるレベルじゃ無いですか! 本当に一人前になったばかりなんですか?」
「ええ、まぁ。」
嘘は…言ってないよね?
それはそうと、そう言えば上級を作れるレベルになってたんだったな。
「あの…もしかしてですが、今回出回っているHPポーション改を作られたのって…」
「ああ、俺ですね。」
「作り方を教えて頂くことは!!」
「作り方って言っても出回ってないだろ? 俺も師匠の許可無しでは教えられないな。」
「そうですよね…残念です。」
「参考に聞くけど、HPポーション+の作り方は?」
「そちらは薬剤ギルド内で出回っておりますので、魔力を含んだ聖水さえ用意出来れば可能ですね。」
「そこまでの情報は出回っているのか。」
「はい。」
「う~ん。」
結局の所、聖魔力水さえ用意出来れば作ることは可能なんだよな。
まぁ、聖魔力水を用意出来るかが難しいんだろうけどね。
「もし、教えて頂けるのならば、上級ポーションの材料をお譲りします!」
上級の材料はちょっと欲しいかもしれない。
「でも、やっぱり教えるのは無理だな。」
「残念です。」
こればっかりは仕方ないね。
「ちなみに、上級の素材を売ってもらうことは?」
「まぁ、レベルも達しているみたいですし、良いですよ。1本金貨2枚になります。」
「有るだけ貰えますか?」
「今、ウチの在庫は2本しか無いですが、それで宜しいですか?」
「はい。後は毒堕観草も。」
「毒堕観草は今7本しかないですね、上級のと合わせて…金貨5枚と銀貨4枚になります。」
「あ、薬草も20束ほど欲しい。」
「でしたら追加で銅貨4枚になります。」
俺は財布よりお金を支払った。
「では、持ってまいります。」
店員が奥から薬草を持って戻ってきた。
「こちらになります。」
出された物に見たことが無い草が2本有った。これが上級に使う薬草なのだろう。
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【鶏蕪徒】
品質C
効果:なし
上級ポーションの材料になる草、強い毒性が有るため、使い方を間違えると死に至る
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確かに上級ポーションの薬草らしいが、毒持ちかよ…毒堕観草も毒を持ってたし、そういう物なのかな?
「それじゃ又来ます。」
「ありがとうございました。」
俺は店を後にした。




