表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
390/554

話し合い


「ふぅ、無事出られたな。」


他の人たちを守りながらだったので気を張っていたので疲れたな。


「ここまで来れば大丈夫だ。お礼の話をしたい。」


「あ、はい。」


「本来だったら俺達は全滅して、後から来たあんた達が全ての武器防具、所持品を得ることが出来た。

 だから、すべてを出せと言われたら俺達は断ることは出来ない。

 俺達の分を渡すのは構わない。 だけどスミスの分だけは残った家族に返してやりたい。ダメだろうか?」


「えっと、俺的にはポーション代さえ貰えればそれで構いませんが…」


「それじゃ俺達の気が済まない、ならせめて所持金全部持って行ってくれ!」


そう言って2人分の財布をそのままくれたので、素直に受け取っておくことにした。


「ありがとうございます。」


「今回は世話になった。困ったことが有ったら声を掛けてくれ。」


「わかりました。その時は宜しくお願いします。」


「おう! 俺達は行かせてもらう。またな。」


そう言って男たちは去って行った。

2人が見えなくなったので、俺は財布の中身を確認することにした。


「えっと金貨5枚に銀貨3枚、鉄貨14枚か…普通の中級HPポーションだと思ったのかな?

 元がタダだし、まあいっか。」


本来だったら中級HPポーション改の売値が金貨4枚だから、もし買った物だったら大赤字だけどね。


「よし! このお金は厄払いでパーッと使っちゃおう!! 今日は俺の奢りだ~!! 売るのは明日にして今日はさっさと宿に戻るぞ~!!」


「やった~!!」


「酒じゃ~!!」


「ハルさん、ありがとうございます。」


「肉!」


「あらあら、うふふっ。」


何だかんだ言って、俺も初めて人の死を目にしたことで多少なりともショックを受けていたし、忘れる意味でも良かったのかもしれない。


・・・・


宿屋に到着した俺達は早速中に入ることにした。


ガチャ。


「うわああぁぁ~~!!」


ぽふっ。


俺が扉を開けようとした瞬間に、ケリーが飛び出してきてぶつかった。

どうやら中からも丁度開けようとしていたタイミングだったらしく、取っ手を掴めなかったせいでバランスを崩したみたいだ。


「ご、ご、ご、ごめんなさい!!」


顔を真っ赤にしたケリーがアタフタしながら謝ってきた。


「いや、こっちも変なタイミングで扉を開けたのも悪かった。それよりケリーは怪我が無いか?」


「だ、大丈夫です! それじゃ僕は仕事が有るんで。」


「おう、頑張れよ。」


「はい!」


ケリーは元気よく返事をして出て行った。


「・・・・」


ふと、シャルが何となくむくれているのが見えた。


「シャル、どうした?」


「…なんでもない。」


「そ、そうか。」


何で機嫌が悪いのかは分らなかったが、色々シャル的にも悩みは有るのだろう。

こう言った物は触れない方が良いだろうし、シャルが言わないのならばそっとして置くことにした。

ケリー…は今出て行ったから、宿屋の親父に酒とつまみになる様な物を注文して席に着く。


「今日はみんなお疲れ~! 明日は調べものをしたいからダンジョンは無しにしようと思う。

 それに今日は奢りだから、好きに飲み食いしてくれ。それじゃ乾杯!!」


「「「「「乾杯~!!」」」」」


ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ…ぷはぁ~!!


「やっぱり酒は旨いのじゃ~!!」


「うんうん、冷えたこの喉越しが堪らないよね~

 私も冷やすための魔法を練習しようかな。」


「ハル様が居ないと、もうお酒なんか飲めなくなりそうですね。」


「もちろんです。でも、お酒なんて関係無くハルさんは必要ですよ?」


「そうですね。ごめんなさい。」


シャルは一生懸命肉にかぶり付いていた。

俺は淡々とエールを飲んでいる。何となく味はあまりしない気がする。

やっぱり昼間の影響が響いているんだろうか?


・・・・


「…様、ハル様、そろそろお辞めになった方が…」


「…?」


目の前でティアさんが言っているが、何のことだ?


「ハルよ、いつものハルらしくないの、酒は楽しく飲むものじゃなかったのか?」


「…楽しいぞ?」


「辛そうな顔しながら飲んでて説得力無いよ? それにいつも1,2杯しか飲まないのに、すでに5杯目だよ? 大丈夫?」


アイリさんが心配そうな顔で聞いてきた。


「そうだっけ?」


言われてみるとそのくらい飲んだかもしれない、飲んだ実感を思い出すと、催してきた気がする。


「ごめん、ちょっとトイレ。」


「ハルさん、大丈夫ですか?」


「大丈夫大丈夫、じゃあ、ちょくら行ってくるな。」


「はい。気を付けて。」


俺はトイレに行き、用を済ます…


「…ふぅ~、スッキリした。」


用を済ませたことで緊張の糸が切れたのか、突然酔いが回ってきた。


「…あ、やばい!?」


俺はそのまま意識を失った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ