表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
388/554


階段を上ると、丁度ゴブリンナイトと戦闘中らしく、邪魔にならない様にしないとなと思い様子を確認しようとした所、


「うわああぁぁ~」


サシュ!


ゴブリンナイトの剣が冒険者の胸を貫いた!


「えっ?」


背中から血の付いた剣が飛び出しており、男の口からは大量の血が…

しかも、よく見ると周りにも2人の男性が血を流して倒れていた。


ズシャ!


剣を引き抜き、冒険者を放り投げた後、倒れている冒険者に向けて剣を振り上げる。


「って呆けている場合じゃない! 高温高圧洗浄!!」


俺はゴブリンナイトに向けて放出した。

ゴブリンナイトは、さすがに止めを中止して盾で俺の魔法を防ぐ。

その間にビアンカさんが盾を構えて突っ込むと同時に攻撃を繰り出した。


「この!」


ガイン!


ビアンカさんの攻撃は剣で防がれたが、そのタイミングに合わせてゴブリンナイトの顔が燃え上がった。


「ギャアァァ~~!!」


ティアさんの魔法が当たったみたいで、ゴブリンナイトが転げている。


「シャル! 今です!」


ティアさんの掛け声とともに、シャルが必殺のパイルバンカーを打ち込むことで戦闘は終了した。


「そうだ! ケガ人は?」


俺は先ほど刺された男性へと向かったが、目は見開かれて血が大量に流れており、胸が上下していないってことは…


「駄目じゃな、すでに死んでるのじゃ。」


「そうか…」


仕方がないとは言え、初めて目の前で人が死んだのを見た俺は、少なからずショックを感じていた。


「ハルさん! 助けて下さい!」


そこにナタリーさんの声でハッとする。


「どうした!」


「こちらに2人はまだ息が有りますが、怪我が酷くて私の力じゃ駄目なんです!」


ナタリーさんは悔しそうな顔でそう言ってきた。

それでも命を繋ごうと一生懸命回復魔法を唱えていた。

俺は急いでHPポーション改…じゃダメかもしれないな、中級HPポーション改を取り出して傷口へと振り掛けた。

傷口はあっという間に塞がり呼吸も落ち着いたみたいなので、どうやら助かったみたいだ。

もう一人の方も同様に処置し、無事助けることが出来たみたいだ。


「うっ…」


「大丈夫ですか?」


「俺はゴブリンナイトに切られて…そうか君達が助けてくれたんだな。」


「たまたま地下6階から戻ってきた所に遭遇しまして、お節介とは思いましたが対応させて頂きました。」


「そうかありがとう…はっ! そうだ! な、仲間は!?」


男が周りを確認すると、もう一人の男が丁度意識を取り戻した所だった。


「ご、ゴブリンナイトは!?」


「ジョン!」


「ロイ? 無事だったか!」


「ああ、ここに居る人達が助けてくれたんだ。」


「そっか、じゃあスミスもか。」


スミスって即死した人だろうか?


「あ、あの、スミスさんは…」


俺が説明しようとした所で、倒れているスミスさんを見つけたみたいだ。


「スミス…ウソだろ?」


「スミス!!」


2人はスミスさんに駆け寄り涙を流した。


「すいません、俺達が来たときにはもう…」


「いや、ここはダンジョンだ。弱い俺達が悪い、だから気にしないでくれ。」


「ハルよ、一度部屋から出た方が良いじゃろう。」


「そうだな、えっとジョンさんとロイさん。一度部屋を出ませんか?」


「悪い、気が動転してた。そうだな、そうしよう。」


2人でスミスさんを担ぐと部屋を出て行った。

俺達もドロップ品を持って続くことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ