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ボス攻略


それにしても、最初のPTがまだ出てこないな…それだけ厄介な敵なんだろうな。

そんなことを考えていたら、中の反応が1つ消えた。倒せたのかな?


扉が開き、ようやく中に居た人達が出てきた。

特に大きなケガをした人は居なかったが、それなりに傷らだけだった。

最期に並ぶ訳では無く、空いているスペースへと座り込んでいた。

どうやら連戦するつもりは無いみたいだ。


「私達で大丈夫でしょうか?」


ナタリーさんが不安そうに言ってきた。

俺も自信は無いが、ここで不安がるとみんなも不安がるだろうから、余裕ぶって返事をすることにした。


「何とかなるさ、それに、いざとなったら逃げることも考えておけば良いしね。」


「わかりました。」


確認してないけど、扉が閉まったら開かないって無いよね?


・・・・


2組目のPTもそれなりの時間を掛けてようやく出てきたみたいだ。

やっぱりゴブリンナイトって強いんだな。

そして、俺達の前のPTが部屋の中へと入って行った。


バン!


暫くして扉が勢いよく開かれ、中から3人が飛び出してきた。

1人が肩から切られたらしく、何とか血が噴き出している状態だった。


「誰かHPポーションを譲ってもらえないだろうか!」


他のPTはHPポーションの余裕が無いのか誰も出すことが無かった。

目の前で怪我している人を見捨てるのも気分が悪いので提案してみることにした。


「あの、HPポーション改、または、中級HPポーション改なら持ってますけど。」


「中級!? 頼む! 譲ってくれ!!」


「はい、どうぞ。」


俺が中級HPポーション改を手渡すと、蓋を開けて仲間の肩に振りかけた。

すると、みるみる傷口が塞がり、元通りになった。

すげー中級HPポーション改ってこんなに効果が有るんだ、知らなかったよ。


「なっ…」


振りかけた男もあまりの効果の高さに驚いているみたいだ。

まぁ、何にせよ緊急性は無くなったみたいで良かった。

男達も落ち着いたみたいで、改めて声を掛けてきた。


「仲間が助かった。恩に着る。」


「いえ、お役に立てたみたいで幸いです。」


「さっきは緊急だったから半分聞き逃したんだが、中級HPポーション改って言ったんだっけか?」


「ええ、あまり出回ってない物だと思いますが、そうですね。」


「そんなに貴重な物を…すまん。」


「い、いえ、人の命には代えられませんから。」


言えない、シャルと競争して集めた薬草で作ったから元手が掛かってないとは言えない。

しかも、後30本ほど有るとは絶対に言えないな…


「幾らだ?」


「えっと、確か冒険者ギルドでの売値は金貨4枚だったかな?」


「じゃあこれで許してくれ。」


そう言って男が金貨5枚を俺に渡してきた。


「1枚多いですよ?」


「いや、これはダンジョン内にも係わらず譲ってくれたお礼だ。気にしないでくれ。」


「そう言うことなら、ありがたく頂いておきます。」


俺は金貨を受け取った。


「次はお前たちか、俺達はダメだったが、ヤツは強いぞ! 気を付けろ。」


「はい。お気遣いありがとうございます。」


「じゃあ、俺達は戻ることにする。じゃあな。」


そう言って男達はこの場所を去って行った。

思いがけない所で、ボス戦中でも外に出られることが分かったな。

どちらかが死ぬまで開かない扉じゃ無くて良かった。


「よし、行くか。」


俺は扉を開けて中へと入った。


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