今日のナタリーさん 87
私はナタリー、冒険者である。
今日は再びダンジョンに向かい、グラスウルフを攻略したり、新しく抜け道を発見したりと色んなことが有りました。
冒険者ギルドでは、抜け道やダンジョンの構造についての報告で後日また来ることになりました。
ホント彼と一緒にいると退屈する暇もありませんね。
夕食では、今一つだったらしく、彼が微妙な顔をしていました。なので私が作ることを提案し、了解してもらいました。
明日から私とシャルティアさんで夕食を作ることも決まりましたし、これから彼のために色々と出来ることが嬉しいです。
しかし、相変わらず彼は料理は趣味程度と言ってますが、そんな訳無いじゃ無いですか! 思わず睨んでしまいました。
今日は待ちに待ったアイリの日です。頑張ってね。
私とビアンカさん、シャルティアさんとシャルちゃんが一緒に寝る事になりました。
湯あみを済ませ、布団に入った後は少し雑談をすることになりました。
「お母さん。」
「なぁに?」
「ハル様は、シャルのシッポ触ってくれなかった。」
「そうなの? ハル様は何か言ってなかった?」
「シャルが大人になって、それでもハル様が好きだったら考えるって。」
「そっか。」
「ティアよ、獣人のことは良く知らぬのじゃが、シッポを触るとどうなるんじゃ?」
「狐の獣人族の場合は、番いになる人にしかシッポは触らせないんですよ。」
「ほぅ? ハルはシャルのシッポ触ってたぞ?」
「それはハル様がそのことを知らなかったからで、今はご存知ですよ。」
「と言うことは、ハルはシャルを妻にするつもりが無いと言うことか?」
「ビアンカさん、それはきっと違うと思いますよ?
ハルさんがシャルちゃんのシッポを触らなかったのは、きっとシャルちゃんのことを思ってのことだと思います。」
彼のことだ、おそらくシャルちゃんが大人になった時に、他の人を好きになったら相手に迷惑が掛かるからだと思う。
先ほどシャルちゃんが言ってた通り、大人になっても気持ちが変わらなかったら考えるってのはそう言った理由だと思います。
やっぱり彼は優しい人です。そういう彼だからこそ、す、す、す、好きになったんです。
「ナタリーよ、何で赤くなっているんじゃ?」
「べ、別に何でも無いですよ?」
「さ、さあ、明日も頑張らないといけないし、そろそろ寝ましょう!」
「そうじゃな、お休みなのじゃ。」
「お母さん、シャル頑張るからね。」
「ええ、頑張りなさい。
きっと、大丈夫よ。」
「うん。」
部屋の明かりを消して眠ることにしました。
私はナタリー冒険者だ。明日もまた頑張ろう。
シャル頑張れ!




