打ち上げ
「ただいま~」
「あ、ハル様お帰りなさい。」
ケリーがペコリとお辞儀をした。
「ケリーは、いつも宿のお手伝いしてて偉いな。」
「い、いえ、大したことはやってませんから!」
「そうか? まあいいか、じゃあ夕食を人数分と、エールを5、何かジュースを1つも願いしても良いかな?」
「わかりました!」
ケリーに夕食をお願いした俺達は、食堂へと向かい空いているテーブルに着いた。
直ぐにケリーが飲み物を持って来てくれたのでお金を支払った。
「お食事は、今作ってますので少々お待ちください。」
ケリーがキッチンへ向かったので、飲み物をフリージングで冷やしておく。
「じゃあ、その間に乾杯しちゃおうか、今日はお疲れ様と言うことで乾杯~!」
「「「「「乾杯~!」」」」」
ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ…ぷはぁ~
この仕事の後の1杯が堪らん!!
「やっぱり冷えたエールは最高なのじゃ!」
「うんうん。」
「美味しいです。」
「美味しい。」
「エールってこんなにも美味しい物だったのですね。」
ティアさんにも好評みたいで良かった。
「それにしてもダンジョンって、こんなにも稼げるんですね。
主人が行きたがってた理由が何となく分かった気がします。」
確かに普通なら1日銀貨1枚稼げれば良いのが、約銀貨5枚だからな。
「でも、それはビアンカさんが防いでくれて、シャルが攻撃してくれて、ナタリーがサポートしてくれて、アイリとティアが魔法で倒してくれたからであって、俺一人だったら精々銀貨1枚行けば良いんじゃないかな?」
「そうでしょうか? ハルさんだったらもっと稼げると思いますよ。」
「どうだろう? 一人でグラスウルフは自信無いなぁ~」
「いいじゃない! みんなで戦って、その結果でさ。」
「アイリの言う通りじゃ、あたい達は皆で1つじゃ。」
「ですね。」
「頑張る!」
「私も頑張ります!」
「だな、みんなに頼る所も多すぎるけど、宜しくな。」
「そんなヘタレな所がハルらしいのじゃ。」
「あはははっ」
そこにケリーが夕食をもってやってきた。
「本日の夕食です。ごゆっくりどうぞ。」
一人一人配膳した後は、キッチンへ戻って行った。
「じゃあ、食べるか。」
今日の夕食は、パンにステーキ、サラダにスープだ。
ナタリーさんの夕食じゃ無くなってからのレパートリーが少なくなったのは残念だ。
ぱくり…可もなく不可も無く無難な味だ。マスターの料理が食べたい…
そんな俺の様子を見たナタリーさんが言ってきた。
「また私が作りましょうか?」
「それは有難いけど、ダンジョン行って疲れている所を頼むのもなぁ…」
「あの、私も料理は出来ますから、お手伝いしますよ?」
そーいやティアさんも料理スキル持ってたっけ。
「じゃあ、お願いしちゃおうかな。もちろん俺も手伝うぞ。」
「え? ハル様も料理をされるのですか?」
「まぁ、趣味程度だけどね。」
「趣味…」
ナタリーさんのジト目だ。何故!?
「ほ、ほら、俺はこのくらいの物しか作れないし。」
俺はそう言ってこの前作ったプリンを人数分出してあげた。
「プリン!」
それを見たシャルが大喜びだ。
「プリン…ですか?」
ティアさんが不思議そうな顔でプリンを見ていた。
「甘くて、美味しいですよ。どうぞ。」
俺はスプーンを渡した。
ティアさんはプリンをすくって口へと入れた。
「美味しいです!」
目を開いて驚いている。
「でしょ? 何てったってハル君が作った物だもん、美味しいに決まってるよ!」
「これで、ハルさんが趣味程度じゃないと分かって頂けたと思います。」
「ええ、そうみたいですね。」
「いや、プリンは分量と火加減さえ守ればそれほど難しい料理じゃないぞ?」
「ハル君、それってイジメ?」
「あたいも無理じゃ…」
「…何かゴメン…」
夕食も終わり、部屋に戻って休むことにした。
「ハ~ル君♪ 今日は私だよね? よね?」
随分と後回しにしてしまったアイリさんだ。ここで断ったら本気で泣かれそうだ。
「アイリ、行こうか。」
「うん♪」
「それじゃ、みんなお休み。」
「「「「お休みなさい(なのじゃ)。」」」」
部屋に戻った俺達は、アイリの希望で一緒に湯あみをして、キャッキャウフフした後は、ベットに入り一緒に寝ることにした。
まぁ、寝ると言っても色々するんだけどな。別に良いだろう?
それじゃ、おやすみなさい~
お疲れ様でした。




